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FinalChapter:THE END
閑話【食事会】
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昔々、 ジェスター教国の王室が未だに現世に在り
四大公が五大公と呼ばれていた時代の物語。
当時の国王ジェスター1世が当時の五大公当主達と食事会をしていた。
「陛下、 我が家の考案したショウ剣術、 部下達に叩き込む事に成功しました
これを機に国軍全員に教導を」
「いやいや剣よりも槍の方が強い、 我がミ式槍術こそ至高」
「槍は強いのは認めるが武器を揃えるのは大変だ
ここはコウ流格闘術を」
「素手は流石にきついだろう、 国民は武器を持たぬが
斧を持っている家庭は多い、 ソク家戦斧術が良いかと」
「目移りするなぁ・・・おい、 シキ家の、 お前は如何思う?」
「・・・・・」
何食わぬ顔で食事を続けるローズ・L・シキ。
「おい、 ブラックローズ」
「その呼び名は止めて頂きたい」
かちゃり、 とフォークを置くローズ。
「しかしながら意見を述べさせていただくのならば
こんな会話はする必要が無い」
「あぁ・・・」
「またか・・・」
「シキ家で研究しているアンデッド、 とやらか」
「えぇ、 神話にも有る動死体の研究もいよいよ大詰めです」
「大詰め・・・か、 アンデッドとやらの始動実験は成功したのだろう?」
「えぇ、 今のアンデッドは歩く程度しか出来ませんので
ここから人間と同等の戦闘力を持たせる作業です」
「人間と同じ戦闘力でもなぁ、 俺のミ式槍術には適うまい」
「ならば数を頼みにしましょう」
「雑魚が幾ら集まっても槍で貫いてやらぁ!!」
バンッ、 と大きな音を立ててドアが開かれた。
「失礼致します!! 緊急です!!」
「何だ?」
「シキ家御当主様!! 旦那様の容態が!!」
「!! 失礼致します!!」
ローズが慌てて部屋から走って行った。
「・・・ふん、 婿殿は相変わらず体が弱いようだな
ミ家の当主殿、 ローズの婿殿は貴方の家の男でしょう?
軟弱過ぎでは?」
ショウ家当主が鼻を鳴らす。
「ローズ殿とは仲が良かったから結婚出来ましたが
正直、 彼は我が家の落ちこぼれですよ
幼少時からまともに走る事すら出来やしない
とは言え、 その軟弱さからシキ家が治療の為に惜しみない財を叩いた事で
医療技術と魔術技術が向上しましたよ」
「婿様様ですな」
「ふむ・・・だが不安だ」
「陛下? 何が不安なのですか?」
「噂ではもう寝た切りに近い状態だとか
もしもローズの婿が死んでローズのやる気がなくなったら
アンデッド開発に大いに遅れが出る可能性が有る」
それは良いな、 と思う大公達だった。
四大公が五大公と呼ばれていた時代の物語。
当時の国王ジェスター1世が当時の五大公当主達と食事会をしていた。
「陛下、 我が家の考案したショウ剣術、 部下達に叩き込む事に成功しました
これを機に国軍全員に教導を」
「いやいや剣よりも槍の方が強い、 我がミ式槍術こそ至高」
「槍は強いのは認めるが武器を揃えるのは大変だ
ここはコウ流格闘術を」
「素手は流石にきついだろう、 国民は武器を持たぬが
斧を持っている家庭は多い、 ソク家戦斧術が良いかと」
「目移りするなぁ・・・おい、 シキ家の、 お前は如何思う?」
「・・・・・」
何食わぬ顔で食事を続けるローズ・L・シキ。
「おい、 ブラックローズ」
「その呼び名は止めて頂きたい」
かちゃり、 とフォークを置くローズ。
「しかしながら意見を述べさせていただくのならば
こんな会話はする必要が無い」
「あぁ・・・」
「またか・・・」
「シキ家で研究しているアンデッド、 とやらか」
「えぇ、 神話にも有る動死体の研究もいよいよ大詰めです」
「大詰め・・・か、 アンデッドとやらの始動実験は成功したのだろう?」
「えぇ、 今のアンデッドは歩く程度しか出来ませんので
ここから人間と同等の戦闘力を持たせる作業です」
「人間と同じ戦闘力でもなぁ、 俺のミ式槍術には適うまい」
「ならば数を頼みにしましょう」
「雑魚が幾ら集まっても槍で貫いてやらぁ!!」
バンッ、 と大きな音を立ててドアが開かれた。
「失礼致します!! 緊急です!!」
「何だ?」
「シキ家御当主様!! 旦那様の容態が!!」
「!! 失礼致します!!」
ローズが慌てて部屋から走って行った。
「・・・ふん、 婿殿は相変わらず体が弱いようだな
ミ家の当主殿、 ローズの婿殿は貴方の家の男でしょう?
軟弱過ぎでは?」
ショウ家当主が鼻を鳴らす。
「ローズ殿とは仲が良かったから結婚出来ましたが
正直、 彼は我が家の落ちこぼれですよ
幼少時からまともに走る事すら出来やしない
とは言え、 その軟弱さからシキ家が治療の為に惜しみない財を叩いた事で
医療技術と魔術技術が向上しましたよ」
「婿様様ですな」
「ふむ・・・だが不安だ」
「陛下? 何が不安なのですか?」
「噂ではもう寝た切りに近い状態だとか
もしもローズの婿が死んでローズのやる気がなくなったら
アンデッド開発に大いに遅れが出る可能性が有る」
それは良いな、 と思う大公達だった。
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