Re:incarnation

Chapter12:All for alive

第224話【13:30 通行止め】

13:30
暗幕解除まで残り45分。

クロスロード地下下水道では死闘が始まっていた。
下水から侵入してきたアンデッドの群れと戦う国軍とクラン【ブラックアウト】。

「ゾンビばかりだな・・・」
「だが数が多い・・・それに・・・」

地面に倒れ伏せるゾンビの群れ。
下水道と言う狭い通路の中では邪魔になる。

「炎魔法で焼き払え!!」
「馬鹿ッ!!　あれを見ろ!!」

ぷしゅーぷしゅーと膨れているゾンビ。
通称【ガスゾンビ】大した攻撃力は無いが可燃性のガスを大量に体に貯えており
燃やすと爆発する。

「面倒なっ」
「退いて」

前に現れたのはクラン【ブラックアウト】リーダー勇者ワカサギ。
まるで白魚の様に細く、　長い白い髪の毛のアルビノであった。

「あれが【ブラックアウト】のワカサギ・・・」
「ワカサギさん!!　何を・・・」
「コンクリート」

コンクリート。
文字通りコンクリートで固めてしまう魔法である。
見る見る内にコンクリートでゾンビを固めてしまうワカサギ。

「おぉ・・・凄い・・・ってえぇ!?」

コンクリートで通路を固めてしまうワカサギ。

「良し、　塞いだ」
「常人ならばコンクリートで固められるのは人一人がやっとだって言うのに・・・」
「塞いだって・・・おいおい・・・良いのかよコレ・・・」
「問題は有る」
「問題有るんじゃないか!!　おいワカサギ!!」

ワカサギの部下のハッケヨイがワカサギに詰め寄る。

「待てハッケヨイ、　確かに下水道を埋めたのは問題になるのはわかる
だがこうしてせき止める事でアンデッドを防ぐ事が出来た」
「まぁ・・・それは認めるが・・・下水道を止めた後は如何する?」
「今回の争いが終わった後にコンクリートを取り除けば良い」
「そんなんで良いのか・・・」
「良い、　じゃあ次に行って来る」
「次?」
「外部の道を全部塞いでくる、　本来だったら今日以前にやっておきたかったが
許可が下りなかったからな、　アールの奴が邪魔しなければ済んだんだが・・・」
「まぁ妥当だとは思うが・・・」

スタスタと去って行くワカサギ。

「あ、　おい待てよ!!」

ハッケヨイが後を追う。

「・・・」

残された下っ端がコンクリートを見る。

「これ、　戦っている俺達の仲間は大丈夫なのか?」
「ちゃんと見分けはしているよー」

ワカサギが叫んだ。