Re:incarnation

Chapter11:Founding and collapse of the country

閑話【到着】

クロスロードの外壁門にて警備に当たる神殿騎士団。
Odevu verseからやって来た王と貴族達が乗った馬車が到着した。

「随分沢山の馬車だな・・・」

見ていた神殿騎士が呟いた。

「大勢来ているらしいからな、　国王ジェスター5世と
四大公ショウ家、　コウ家、　ミ家、　ソク家の中心人物達だ」

別の神殿騎士が答える。

「護衛は?」
「まぁ居るみたいだが、　四大公の貴族達はそれぞれ得意な武術を修めている
自分の身は自分で守れるし護衛は必要か怪しいな」





そんな噂をされているとはいざ知らず。
ショウ家の馬車で揺られるラッパ・エンゼル・ショウ。

「・・・・・」
「不機嫌そうだけど、　如何したのラッパちゃん?」
「道が悪い」
「まぁ・・・確かにそうだけども我慢よラッパちゃん」

クララ・リオン・ショウが諫める。

「確かに悪い道だ・・・Odevu verseの道と比べると雲泥の差だよ・・・」

ヒューグル・ホーン・ショウも嘆く。

「しかし父上、　我々全員来る必要は有ったのですか?
せめて母上はOdevu verseに残っていても・・・」
「ラッパちゃん、　私はお父さんが心配なのよ」
「そうだな、　離れる事は無かったし、　それに何より
君の剣術は歴代最高峰だ、　勿論、　私も腕は立つが」
「・・・・・」

強ち、　間違いではない、　ラッパと朝稽古してヒューグルは偶に勝つ事が有る。
そして自分は間違い無く強い、　しかし勇者程ではない。

「君こそ留守番してても良かったんだよ?」
「いえ、　何かしなければならないと私は思います」
「そうかい、　なら好きにしなよ」　

そう言って馬車の窓から外を眺めるヒューグル。

「そろそろ着くか・・・ラッパ、　揉め事を起こすなよ」
「分かっていますよ」

そう言って馬車から降りるラッパだった。

「・・・あの・・・父上
今回一つの家で連れて来れる人数は護衛を抜いて5人まででしたよね?」

ラッパが尋ねる。

「その筈だ、　一体如何したのだ?」
「私の眼が確かならば大勢来ている様に見えるのですが・・・」
「何だと?　王の命を無視するとはとても思えないが・・・」

ヒューグルが馬車から降りる。
確かにかなり大勢の人数で来ている所がちらほらと見える。

「な・・・これは一体、　どういう事だ!?」

驚き叫ぶヒューグルであった。