Re:incarnation

Chapter10:Battle of shame

閑話【クラウン公国にて②】

カヌーは王冠城の割り当てられた部屋に戻った。

「カヌー様!!　大公閣下は・・・」

待機していたモーターがカヌーに尋ねる。

「大公閣下は暫く一人にしておこう・・・・・我々は待機だそうだ」

カヌーは椅子に腰かけた。

「待機、　ですか?」
「国葬の後に4か国で会議を行うそうだ、　日程で言うと半月後だ」
「会議・・・ですか?」
「あぁ、　そうだ、　国家間の会議
ましてや4か国の会議では勇者が立ち会うのが慣例だ
我々も付いて行くぞ」
「そうですか・・・場所は何処ですか?」
「・・・クロスロードだ」
「「クロスロード!?」」

エアラインとシーラインが二人揃って驚愕する。

「本気ですか!?」
「何であそこに」
「何処ですか、　それ?」

二人が尋ねてモーターは知らなかったので尋ねた。

「現在はピエロ連邦の領地だったが元々はジェスター教国の領地で
魔王が生まれた土地らしい」
「そんな曰く付きの土地で会談を?」
「あぁ、　ピエロ連邦領だが4ヶ国が交わる大陸の中心に近い所で
交通の便は良いしギルドの本部も近い所だ、　忌まわしい土地で有る事を除けば
悪い所では無い・・・筈」

カヌーが説明する。

「しかし私は少し心配ですね」
「どういう事だシーライン」
「クロスロードの周囲は平原で交通の便が良い
それ故に攻め込まれ易い土地とも言えます」
「それは杞憂よ、　シー」
「どういう事、　エア?」
「4ヶ国会談には勇者が居るのよ?　勇者達が集まっている所に攻め込む馬鹿は居ない」
「油断は大敵だ、　油断せずに我々はその日まで待って居よう」
「「「はい」」」




一方その頃
エアフォースでぶ2号機に乗ってオーウェン子爵邸に向かったスリム。
挨拶もそこそこにオーウェン子爵の妻であるスィーに
オーウェン達の死を伝える。
ショックを受けるスィー。

「覚悟はしていました・・・」
「お気持ちは察します奥方・・・」
「いえ・・・」

椅子に座って涙を拭うスィー。

「息子は・・・如何でした?」
「未だにオーギュストに在籍し続ける様です」
「そう・・・ですか・・・
家督をあの子に譲りたいのですが・・・」
「難しいでしょうが・・・大公閣下に相談なさると良いでしょう
国葬の為に御同行願えますか?」
「えぇ・・・分かりました・・・少し待っていて貰っても宜しいでしょうか」
「構いません」

スリムは部屋の外に出た。
嗚咽が部屋から響いた。