Re:incarnation

Chapter10:Battle of shame

第194話【Wonderful】

エアフォースでぶの高度がどんどん下がっている中
レストラン・スリムはと言うと・・・

「落ちてってますねぇ・・・如何します?」

意外と冷静で有った。
エアフォースでぶはとても強靭な素材で出来ており
攻撃を受けても落ちないと自負はしていたが
100％は無い、　それ故にこういう事態も想定していた。

「ガリガリ、　皆にグレーター・マルチ・ディフェンスアップをかけて」
「了解」

魔法使いのガリガリに指示を出すスリム。

「グレーター・マルチ・ディフェンスアップ」

グレーター・マルチ・ディフェンスアップは複数対象の防御力を上げる魔法である。

「それじゃあ残りの爆弾は全部投下しようか」
「了解」

皆で手分けして爆弾やら油やら何やらを片っ端から落として地上に大ダメージに与える。




「くそ!!　しっかりしろ!!」
「駄目だ・・・頭がガンガンする・・・」

爆弾の直撃を受けた【アンブレイカル】のメンバーのカイザーは
衝撃に耐えかねてふらついていた。
リーダーの"鉄塊"カイテルが檄を飛ばす。

「しっかりしろ!!　ここで倒れたら何の為にここまで来たか分からんぞ!!
ここで金を稼いで冒険者稼業からドロップアウトするんだ!!」
「分かってるよ・・・でも・・・!!　避けろ!!」

カイザーはカイテルを押した。
すると空中からスリムが落ちて来た。
グレーター・マルチ・ディフェンスアップで防御力を上げて
落下ダメージを無くしたのだ。
そしてカイザーはスリムの下敷きになり死んではいないが再起不能になった。
レストラン・スリムのメンバーも次々と落ちて来る。

「お前等・・・!!　良くも俺の仲間を!!」

【アンブレイカル】のメンバーに取り囲まれるレストラン・スリムの面々。

「ん－?　ああ下敷きになっているのね、　すまんすまん」
「すまんで済むかぁ!!」

カイゼルが大剣でスリムに斬りかかる。

「ふん!!」

スリムはカイゼルに張り手を喰らわせた。
体重が乗った張り手である、　カイゼルは倒れ、　更にスリムはその上にのしかかる事で
カイゼルも戦闘不能になった。

「か、　カイゼルがあっという間に!?　何だこのでぶ!?　つえええ!!」
「クラウン公国の勇者スリムだ、　覚えて置け」
「ゆ、　勇者だとぉ!?　こんな奴が居るなんて聞いてねぇぞ!!」

動揺するギルド員達。

「いや、　君達は運が良い、　今回公国の勇者が全員来ているんだよ」