Re:incarnation

Chapter9:End of guild

第177話【Swing your fist down】

ロダンは怪我人達の元に走って行った。

「速ッ!!　凄いなぁ・・・回復魔法だけじゃないのか」

【オーギュストの龍】リーダーがぴょんぴょん屋根の上を飛び回って進みながら呟く。
限界まで全力疾走していているのだ。

「うん?　居たな」　
「!!」

ロダンが立ち止まった。
そこにはソレイユが居た。
燃える様にオーラを纏って。

「こんばんはぁ」

ソレイユが狂的な笑みを浮かべて言った。

「その魔法・・・それって・・・」
「うん?　これは【命の償却】って言う魔法でね
エルフとかが使うとても古い魔法だよ」
「・・・・・その魔法、　貴女の命を削っているよ」

ロダンが指摘する。

「そうだよ?　この魔法は寿命と引き換えに力を得る
そういう魔法だよ、　命を燃やして力を得る魔法よ」
「そんな事したら死んじゃうよ!!」
「平気よ、　ハイエルフの寿命は物凄い長い
数万年、　数十万年、　平気で過ごせる位に」
「だからと言ってそんなに簡単に命を捨てるなんて!!」
「君がギルドに入ればいいだけの話よ」

眼が据わっている。
明らかに話が通用しない。

「追い付いたっと」

屋根から飛び降りる【オーギュストの龍】リーダー。

「邪魔をするつもり?」
「ギルドマスター、　君の行動はあまりにも可笑しい
君は狂っている、　病院に行って診て貰う事を勧めるよ」
「可笑しいのは私の思い通りにならないこの世界の方だよ!!
邪魔するなら殴り殺す!!」
「やってみろ」

ソレイユが【オーギュストの龍】リーダーに殴りかかる
咄嗟にロダンが【オーギュストの龍】リーダーを庇う様に前に出る。

「うっ!!」

ソレイユは無理矢理拳を逸らして地面に拳を叩きつけた。
その結果、　地面が砕けて地割れが出来た。

「・・・・・ロダン・・・邪魔しないで・・・」
「人が殴られるのを黙って見てられるか!!」
「ロダン、　君は良い奴だなぁ・・・」

ロダンを押しのけて前に出る【オーギュストの龍】リーダー。

「でも、　これは僕に売られた喧嘩だ、　君はすっこんでいろ」
「どっちかって言うとアンタが売って来た喧嘩じゃないの!?
というか今の一撃を耐えるつもり!?」

ソレイユの言葉に頷く【オーギュストの龍】リーダー。

「僕は勇者であり龍の契約者、　君如きの拳なんて効かない」
「・・・・・あの世で後悔しなさい」

拳が振り下ろされた。