182 / 367
Chapter7:Martial arts competition
閑話【脱出】
しおりを挟む
ロダンの隣家、 ヘツブが仕える屋敷の一室で
主人と思わしき少年に土下座をするヘツブ。
「若様!! この度は期待に沿えず申し訳御座いません!!」
「いや、 いいよヘツブ、 顔を上げて」
「いえ、 若様、 これは不味いかと」
若様と呼ばれた少年はヘツブを宥める。
若様の隣に控える三つ編みのメイドがそれを訂正する。
「今回、 優勝して我々の主張を世に広めるチャンスがふいになったのは
とてつもない痛手です、 我々はもう八方塞がりかと」
「う・・・でもヘツブはよく頑張ったじゃないかキュウ」
「頑張っても結果が無ければ意味は有りません」
「本当に申し訳ありません・・・!!」
頭を下げ続けるヘツブ。
その時、 部屋のドアからノックが響く。
「どうぞ」
「失礼します」
別のメイドが外から入って来た。
「あのー・・・ヘツブさんに邏卒が来ています」
「はぁ!? 邏卒!? な、 何で!?」
「良く分かりませんがアゲマキ、 と言う人について尋ねたいと・・・」
「・・・・・・・待って貰って!!」
「あ、 はい、 分かりました・・・失礼します」
メイドがドアを閉めて去って行った。
「ど、 どっどどどどどどどうします!? 若様!! メイド長!!」
「如何するもこうするも・・・逃げるしか無いだろう!! キュウ!!」
「はっ」
キュウは部屋の隅を弄って隠し通路を開いた。
「で、 でも必要な物とかは・・・」
「大半の資金は既に宝石に変えている
貴女もメイド服の下に普通の服を仕込んでいるでしょう?」
「そ、 そうですけど・・・」
「言い合っている時間は無い!! 直ぐに逃げよう!!」
「はい!!」
「は、 はい!!」
若様、 キュウ、 ヘツブは隠し通路から逃げ去った。
屋敷内に邏卒が入って来た頃には既に逃げられた後であった。
屋敷の周辺には邏卒達が集まり騒ぎになっていた。
「あの・・・何か有ったんですか?」
散歩をしていたロダンが邏卒に尋ねる。
「この家で指名手配犯に近しいと目された人物が居たので
事情聴取に来たのですが逃げられたのです、 屋敷の主人とメイド長も逃げられてしまい
現在現場保全をしております」
「指名手配犯に近しい人物?」
「ヘツブと言うメイドなのですが・・・御存じありませんか?」
「いや、 変な娘だなぁ・・・と思っていましたが・・・」
主人と思わしき少年に土下座をするヘツブ。
「若様!! この度は期待に沿えず申し訳御座いません!!」
「いや、 いいよヘツブ、 顔を上げて」
「いえ、 若様、 これは不味いかと」
若様と呼ばれた少年はヘツブを宥める。
若様の隣に控える三つ編みのメイドがそれを訂正する。
「今回、 優勝して我々の主張を世に広めるチャンスがふいになったのは
とてつもない痛手です、 我々はもう八方塞がりかと」
「う・・・でもヘツブはよく頑張ったじゃないかキュウ」
「頑張っても結果が無ければ意味は有りません」
「本当に申し訳ありません・・・!!」
頭を下げ続けるヘツブ。
その時、 部屋のドアからノックが響く。
「どうぞ」
「失礼します」
別のメイドが外から入って来た。
「あのー・・・ヘツブさんに邏卒が来ています」
「はぁ!? 邏卒!? な、 何で!?」
「良く分かりませんがアゲマキ、 と言う人について尋ねたいと・・・」
「・・・・・・・待って貰って!!」
「あ、 はい、 分かりました・・・失礼します」
メイドがドアを閉めて去って行った。
「ど、 どっどどどどどどどうします!? 若様!! メイド長!!」
「如何するもこうするも・・・逃げるしか無いだろう!! キュウ!!」
「はっ」
キュウは部屋の隅を弄って隠し通路を開いた。
「で、 でも必要な物とかは・・・」
「大半の資金は既に宝石に変えている
貴女もメイド服の下に普通の服を仕込んでいるでしょう?」
「そ、 そうですけど・・・」
「言い合っている時間は無い!! 直ぐに逃げよう!!」
「はい!!」
「は、 はい!!」
若様、 キュウ、 ヘツブは隠し通路から逃げ去った。
屋敷内に邏卒が入って来た頃には既に逃げられた後であった。
屋敷の周辺には邏卒達が集まり騒ぎになっていた。
「あの・・・何か有ったんですか?」
散歩をしていたロダンが邏卒に尋ねる。
「この家で指名手配犯に近しいと目された人物が居たので
事情聴取に来たのですが逃げられたのです、 屋敷の主人とメイド長も逃げられてしまい
現在現場保全をしております」
「指名手配犯に近しい人物?」
「ヘツブと言うメイドなのですが・・・御存じありませんか?」
「いや、 変な娘だなぁ・・・と思っていましたが・・・」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。


勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる