149 / 367
Chapter7:Martial arts competition
第117話【Fight me】
しおりを挟む
ロダン達のお隣、 高い塀に囲まれた屋敷。
その屋敷の住人達は何処か切羽詰まっている様子だった。
一人のメイド服のおさげの少女が庭で稽古をしていた、 恐らくは武道の類である。
ぽん、 と幾つもボールが投げ込まれる。
少女はそのボールを打ち落とす、 幾つも幾度も。
「凄いじゃないか」
「お褒め頂き恐縮です、 若様」
跪く少女。
「大会へのウォームアップは充分かな?」
「えぇ、 大会に優勝して悲願を叶えたいと思います」
そこに飛び込むテニスボール。
少女はそのテニスボールに拳を打ち込んだ。
テニスボールは壁にぶつかりひしゃげた。
「・・・・・このボールは?」
「投げてない、 もしかして・・・隣から飛んで来た?」
「若様、 御戯れを、 この塀の高さはそう簡単に超えられる物じゃありませんよ」
「じゃあ何処から?」
「・・・・・」
黙る少女。
「すみませーん、 ボール入ったので取らせて下さーい」
モルガナが外から声をかける。
「・・・・・」
少女が門の所に向かう。
「あ、 すみません、 ボールが・・・」
「ボールと言うのはテニスボール?」
「はい」
「如何やってこの塀を超えて来たの?」
「隣でテニスをやっていて」
「隣・・・最近引越して来た人?」
「えぇ・・・」
「・・・・・貴方がボールを中に?」
「はい」
「・・・・・」
門を開ける少女。
「すみませ」
「ハッ!!」
掌底を繰り出す少女。
受け止めるモルガナ。
「急に危ないでしょうが、 何考えている」
「っ!!」
ぱっ、 と離すモルガナ。
「・・・貴女・・・何者ッ!!」
「いや、 ボール返してよ」
「・・・・・え?」
「ボール、 テニスボール、 隣でテニスして飛んで行ったの」
「・・・・・貴女・・・相当の実力者の様ね」
「はぁ? 何言ってんの? そんな事よりもボール返してよ」
「ボールを返して欲しかったら私と一手試合しても良いかしら」
「じゃあ良いよ、 帰ります」
そそくさと帰るモルガナ。
「待ちなさい」
少女が後を追う。
「何よ? そこまで言うならボールはもう良いよ、 たかがボールだし」
「そう言う問題じゃない」
「・・・あ、 窓ガラスを割ってしまった?
それだったら弁償しますよ」
「そういう問題でもない」
「じゃあ如何言う問題よ」
流石にイライラし始めるモルガナであった。
少女もこのまま帰らせる訳には行かないと思った。
その屋敷の住人達は何処か切羽詰まっている様子だった。
一人のメイド服のおさげの少女が庭で稽古をしていた、 恐らくは武道の類である。
ぽん、 と幾つもボールが投げ込まれる。
少女はそのボールを打ち落とす、 幾つも幾度も。
「凄いじゃないか」
「お褒め頂き恐縮です、 若様」
跪く少女。
「大会へのウォームアップは充分かな?」
「えぇ、 大会に優勝して悲願を叶えたいと思います」
そこに飛び込むテニスボール。
少女はそのテニスボールに拳を打ち込んだ。
テニスボールは壁にぶつかりひしゃげた。
「・・・・・このボールは?」
「投げてない、 もしかして・・・隣から飛んで来た?」
「若様、 御戯れを、 この塀の高さはそう簡単に超えられる物じゃありませんよ」
「じゃあ何処から?」
「・・・・・」
黙る少女。
「すみませーん、 ボール入ったので取らせて下さーい」
モルガナが外から声をかける。
「・・・・・」
少女が門の所に向かう。
「あ、 すみません、 ボールが・・・」
「ボールと言うのはテニスボール?」
「はい」
「如何やってこの塀を超えて来たの?」
「隣でテニスをやっていて」
「隣・・・最近引越して来た人?」
「えぇ・・・」
「・・・・・貴方がボールを中に?」
「はい」
「・・・・・」
門を開ける少女。
「すみませ」
「ハッ!!」
掌底を繰り出す少女。
受け止めるモルガナ。
「急に危ないでしょうが、 何考えている」
「っ!!」
ぱっ、 と離すモルガナ。
「・・・貴女・・・何者ッ!!」
「いや、 ボール返してよ」
「・・・・・え?」
「ボール、 テニスボール、 隣でテニスして飛んで行ったの」
「・・・・・貴女・・・相当の実力者の様ね」
「はぁ? 何言ってんの? そんな事よりもボール返してよ」
「ボールを返して欲しかったら私と一手試合しても良いかしら」
「じゃあ良いよ、 帰ります」
そそくさと帰るモルガナ。
「待ちなさい」
少女が後を追う。
「何よ? そこまで言うならボールはもう良いよ、 たかがボールだし」
「そう言う問題じゃない」
「・・・あ、 窓ガラスを割ってしまった?
それだったら弁償しますよ」
「そういう問題でもない」
「じゃあ如何言う問題よ」
流石にイライラし始めるモルガナであった。
少女もこのまま帰らせる訳には行かないと思った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

ハズレ職〈召喚士〉がS級万能職に化けました〜無能と蔑まれた俺、伝説の召喚獣達に懐かれ力が覚醒したので世界最強です~
ヒツキノドカ
ファンタジー
全ての冒険者は職業を持ち、その職業によって強さが決まる。
その中でも<召喚士>はハズレ職と蔑まれていた。
召喚の契約を行うには『召喚スポット』を探し当てる必要があるが、召喚スポットはあまりに発見が困難。
そのためほとんどの召喚士は召喚獣の一匹すら持っていない。
そんな召喚士のロイは依頼さえ受けさせてもらえず、冒険者ギルドの雑用としてこき使われる毎日を過ごしていた。
しかし、ある日を境にロイの人生は一変する。
ギルドに命じられたどぶさらいの途中で、ロイは偶然一つの召喚スポットを見つけたのだ。
そこで手に入ったのは――規格外のサーチ能力を持つ最強クラスの召喚武装、『導ノ剣』。
この『導ノ剣』はあらゆるものを見つけ出せる。
たとえそれまでどんな手段でも探知できないとされていた召喚スポットさえも。
ロイは『導ノ剣』の規格外なサーチ能力によって発見困難な召喚スポットをサクサク見つけ、強力な召喚獣や召喚武装と契約し、急激に成長していく。
これは底辺と蔑まれた『召喚士』が、圧倒的な成長速度で成り上がっていく痛快な物語。
▽
いつも閲覧、感想等ありがとうございます! 執筆のモチベーションになっています!
※2021.4.24追記 更新は毎日12時過ぎにする予定です。調子が良ければ増えるかも?
※2021.4.25追記 お陰様でHOTランキング3位にランクインできました! ご愛読感謝!
※2021.4.25追記 冒頭三話が少し冗長だったので、二話にまとめました。ブクマがずれてしまった方すみません……!


はじまりは初恋の終わりから~
秋吉美寿
ファンタジー
主人公イリューリアは、十二歳の誕生日に大好きだった初恋の人に「わたしに近づくな!おまえなんか、大嫌いだ!」と心無い事を言われ、すっかり自分に自信を無くしてしまう。
心に深い傷を負ったイリューリアはそれ以来、王子の顔もまともに見れなくなってしまった。
生まれながらに王家と公爵家のあいだ、内々に交わされていた婚約もその後のイリューリアの王子に怯える様子に心を痛めた王や公爵は、正式な婚約発表がなされる前に婚約をなかった事とした。
三年後、イリューリアは、見違えるほどに美しく成長し、本人の目立ちたくないという意思とは裏腹に、たちまち社交界の花として名を馳せてしまう。
そして、自分を振ったはずの王子や王弟の将軍がイリューリアを取りあい、イリューリアは戸惑いを隠せない。
「王子殿下は私の事が嫌いな筈なのに…」
「王弟殿下も、私のような冴えない娘にどうして?」
三年もの間、あらゆる努力で自分を磨いてきたにも関わらず自信を持てないイリューリアは自分の想いにすら自信をもてなくて…。
いずれ最強の錬金術師?
小狐丸
ファンタジー
テンプレのごとく勇者召喚に巻き込まれたアラフォーサラリーマン入間 巧。何の因果か、女神様に勇者とは別口で異世界へと送られる事になる。
女神様の過保護なサポートで若返り、外見も日本人とはかけ離れたイケメンとなって異世界へと降り立つ。
けれど男の希望は生産職を営みながらのスローライフ。それを許さない女神特性の身体と能力。
はたして巧は異世界で平穏な生活を送れるのか。
**************
本編終了しました。
只今、暇つぶしに蛇足をツラツラ書き殴っています。
お暇でしたらどうぞ。
書籍版一巻〜七巻発売中です。
コミック版一巻〜二巻発売中です。
よろしくお願いします。
**************

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる