Re:incarnation

Mr.後困る

文字の大きさ

大中小

121 / 367

Chapter5: Shorthanded

第98話【Residence】

しおりを挟む

アモールの屋敷に行ってから数日後。
アモールの屋敷の住人全てがアンデッドになっていた事を受けて
高級住宅区は見回りを慣行、　その結果、　幾つかの邸宅は
アンデッドに占拠されていた状態だという事が判明した。
ロダン達もアンデッド討伐に協力した。

「プライバシーを重視し過ぎたんだね・・・」

宿屋でロダンがアンデッドの記事を見る。

「そうなるかな、　しかしフギットさん、　大丈夫かな」

カリエが呟く。

「あれから如何なったの?」
「自分の工房に戻ったよ・・・しかし貴方の記憶喪失の件
思ったより厄介そうね」
「そうだね・・・」

ロダンの記憶喪失の事についてアッサンブラージュ医院が行った検査結果は
原因不明、　要経過観察との事だった。
この世界のメンタルヘルスの権威であるアッサンブラージュ医院でも
ロダンの記憶喪失の原因は分からないのだった。

「困ったなぁ・・・如何しよう・・・」
「要検査観察だから暫く通っていたら?」
「そうですね」

コンコンとドアがノックされる。

「はい、　どうぞー」
「お邪魔しますー」

ドアの外から現れたのはビジネススーツの女性だった。
気弱そうな印象を受ける。

「貴女は?」
「私はゾラと言います、　このカレーの街の役人です」
「はぁ・・・何か御用ですか?」
「えぇ、　ロダンさん、　貴方は記憶喪失でアッサンブラージュ医院に
通院する事になっていますよね?」
「まぁ・・・そうなりますけど・・・」
「それでしたら我がカレーの街は貴方のアンデッド討伐の功績を称えて
貴方に住居を進呈したいと思います」
「住居を進呈?」
「えぇ、　これで宿代を払わずに済みます、　如何でしょうか?」
「うーん・・・」
「ロダン、　これはいい話だと思うよ?」

カリエが口を挟む。

「家をくれるとか普通あり得ないから」
「それもそうだけど・・・」
「出来たら御案内したいのですが・・・」
「住居って言っても何処にあるの?」
「高級住宅区です」
「えー、　あんないい所に住んでいいの?」
「はい、　もう是非住んで欲しいとの希望もあります」
「希望って?」
「えぇ」
「・・・・・」

カリエは兵力として囲っておきたいのだと気が付いた。
しかしかなりの厚遇なので黙っておこうと思った。

「うーん、　他の人達も一緒なら・・・」
「決まりですね」

しおりを挟む