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Chapter5: Shorthanded
第90話【Crying】
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フギットが連れて来た治療院はかなり大きな治療院だった。
何でも貴族の屋敷を改装した物らしい。
そして内部もぎゅうぎゅうの箱詰めで待合室にも怪我人が運ばれている状態である。
「大変だぁ、 直ぐに治療しなきゃ」
「待て」
フギットが制止する。
「僕の魔法の腕が見たいんじゃ無いの?」
「考え無しに治療するな、 死んだら如何する」
「どういう事? 治療しないと不味いんじゃないの?」
「確かにそうだがな、 体に異物が食い込んだ怪我人も居る
そんな状態で治療したら如何なる?」
「!!」
よろめくロダン。
そして膝から崩れ落ち滂沱の涙を流す。
「いや、 そこまでショックを受けなくても」
「自分の浅はかさに反吐が出る!!」
「えぇ・・・」
困惑するロダン以外の一同。
「もっとスキルを磨いて怪我人の容態も見分けられる様にならないと・・・」
「何だか良く分からんが・・・とりあえず院長に話しつけるから・・・」
移動するロダン一行。
院長に話を付けて体の欠損を含む、 数名の怪我人を連れて来て貰った。
「ではこの人達の治療をお願いします、 体に異物は無いので問題無いかと」
「マルチ・ハイ・ヒール」
院長が言うや否や、 複数回復の強力な治癒魔法で怪我人達を回復させるロダン。
「!?」
「複数回復の魔法!? しかも高位!?」
「・・・確かに驚くべき事だが・・・如何だ? 体調は?」
フギットが怪我人達に問う。
「問題無く動く!! スゲェ!!」
「期待して無かったが・・・ここまでとは・・・」
怪我人達は賞賛の声を上げる。
「・・・ロダン、 だったな? アンタヤバい薬とかやってる?」
「唐突に何?」
「全然堪えている様子が無いじゃないか
これ程の魔法を使って全然疲れないってどれだけの魔力だ」
「いやスキルの影響かもしれないぞ」
「如何でも良い、 現実的にこれ程の魔法を操れるのは大したもんだ」
テンションが上がっているのかリルムードの言葉を一蹴するフギット。
「これだけの技があるのならば少し依頼した事が有る
金は言い値で払おう」
「どういう事?」
「長い話になるが、 良いか?」
「良いよ」
「あの・・・とりあえず外でやって貰って良いかな?」
院長が言う。
「それもそうだな、 何処かの喫茶店でゆっくり話そう」
「何だか変な展開になって来たなぁ・・・」
何でも貴族の屋敷を改装した物らしい。
そして内部もぎゅうぎゅうの箱詰めで待合室にも怪我人が運ばれている状態である。
「大変だぁ、 直ぐに治療しなきゃ」
「待て」
フギットが制止する。
「僕の魔法の腕が見たいんじゃ無いの?」
「考え無しに治療するな、 死んだら如何する」
「どういう事? 治療しないと不味いんじゃないの?」
「確かにそうだがな、 体に異物が食い込んだ怪我人も居る
そんな状態で治療したら如何なる?」
「!!」
よろめくロダン。
そして膝から崩れ落ち滂沱の涙を流す。
「いや、 そこまでショックを受けなくても」
「自分の浅はかさに反吐が出る!!」
「えぇ・・・」
困惑するロダン以外の一同。
「もっとスキルを磨いて怪我人の容態も見分けられる様にならないと・・・」
「何だか良く分からんが・・・とりあえず院長に話しつけるから・・・」
移動するロダン一行。
院長に話を付けて体の欠損を含む、 数名の怪我人を連れて来て貰った。
「ではこの人達の治療をお願いします、 体に異物は無いので問題無いかと」
「マルチ・ハイ・ヒール」
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「!?」
「複数回復の魔法!? しかも高位!?」
「・・・確かに驚くべき事だが・・・如何だ? 体調は?」
フギットが怪我人達に問う。
「問題無く動く!! スゲェ!!」
「期待して無かったが・・・ここまでとは・・・」
怪我人達は賞賛の声を上げる。
「・・・ロダン、 だったな? アンタヤバい薬とかやってる?」
「唐突に何?」
「全然堪えている様子が無いじゃないか
これ程の魔法を使って全然疲れないってどれだけの魔力だ」
「いやスキルの影響かもしれないぞ」
「如何でも良い、 現実的にこれ程の魔法を操れるのは大したもんだ」
テンションが上がっているのかリルムードの言葉を一蹴するフギット。
「これだけの技があるのならば少し依頼した事が有る
金は言い値で払おう」
「どういう事?」
「長い話になるが、 良いか?」
「良いよ」
「あの・・・とりあえず外でやって貰って良いかな?」
院長が言う。
「それもそうだな、 何処かの喫茶店でゆっくり話そう」
「何だか変な展開になって来たなぁ・・・」
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