Re:incarnation

Mr.後困る

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Chapter5: Shorthanded

第86話【Carbohydrate】

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一夜明けて宿屋の食堂で朝食を食べるロダン一行。
でぶ妖精達は夜中の内に名残惜しそうに帰って行ったらしい。

「おでぶ枕は気持ちいいんだけどなぁ」

残念そうなモルガナ。

「そうですか・・・」

もぐもぐと朝食バイキングで取って来たベーコンを大量に食べるロダン。

「それでカリエさん、 今日診察に行くお医者さんは
カリエさんが良く知って居る人らしいですね」
「えぇ、 何度か相談に乗って貰っています、 名医ですね」
「疑問なんですけど、 記憶喪失って何科になるんですか?」
「何科?」
「例えば内科とか外科とか有るじゃ無いですか」
「精神科になるのでは? 記憶と言うのは精神と密接に関わる物よ」

ぱくりと食パンを食べながら話すカリエ。

「なるほど・・・ちょっと不安だなぁ」
「何が?」
「精神と言うのは僕でも治せない物です、 だからどうなるか不安で・・・」
「大丈夫よ、 幾ら名医でも記憶喪失は直ぐに治せる物じゃない
ゆっくり治して行けば大丈夫よ」

食後のコーヒーを飲むカリエ。

「ふぅ・・・久々の炭水化物が体内に溢れる・・・満ちる・・・
炭水化物が体中を駆け回る・・・」
「炭水化物が体中を駆け回るってどういう事?」
「カリエ様の御父上は炭水化物抜きダイエットをしていたので
それで久々の炭水化物なんです」

ベルーズが答える。

「ダイエット?」
「何か?」
「ダイエットって何?」
「!!?」

ジェスター特別区ではダイエットに類する言葉は無い。

「痩せる為に運動したり食事制限したりする事ですよ」
「ふむふむなるほど」
「ダイエットと言う言葉は無いのに食事制限は有るんですね」
「あぁ、 食事を制限すると言う概念は有る
体を大きくする為に肉だけ食べるとか」
「そういうのとはちょっと違うかな・・・」
「そうなのか・・・」

そんな雑談をしている内に朝から昼前に時間が過ぎて行った。

「じゃあそろそろお医者様の所に行きましょうか」
「それが良いわね、 じゃあ私が案内するから」

カリエの案内で医者の所に連れられるロダン達。

「ここよ」

カリエがやって来たのは綺麗な門構えに立派な建物。
そして屈強な人間の警備員が守るその病院の名前はアッサンブラージュ医院。

「さぁここよ、 入りましょう」

紹介状を見せて医院の中に入るロダン達であった。
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