Re:incarnation

Mr.後困る

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Chapter5: Shorthanded

第82話【Lookout】

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「とりあえずロダン、 勝手に治療しないでね」
「・・・・・」

ロダンに追い付いた花子がロダンと並んで歩く。

「見つからなきゃ大丈夫でしょ」
「見てるよ」
「?」

花子が指差した先にはでぶ妖精が座っていた。

「? でぶ妖精が如何したの?」
「さっきから付けられてる」
「でぶ妖精に?」
「でぶ妖精に」
「気にし過ぎじゃない?」
「気にし過ぎじゃないにょ」

ロダンの頭の上にでぶ妖精が乗る。

「われわれはカレーの街警備でぶ妖精
何か怪しい動きをする人を見張るでぶ妖精にょ」
「怪しい動き? 花子か」
「何で私?」
「ぶっちゃけ女の子の方に付いてましたにょ」
「何で!?」
「何でって・・・二階から飛び降りてたじゃない」
「ぐうの音も出ない不審人物じゃない!! 私!!」
「でも話からするとこっちの男の子の方が怪しいかも
勝手に人の治療をしようとするし」
「何で勝手に人の治療をしたら駄目なの?」
「にょ、 なら簡単に説明するにょ」

警備でぶ妖精のなぜなに講座―何で勝手に治療行為をしちゃいけないにょ?―

「モグリの医者や未熟な医師、 治療師等の横行を防ぐ為の決まりなんだけど
その他にも理由が有るにょ」
「他に理由?」
「経済的な問題にょ、 例えば善意でどんな怪我でも無料で治してくれる人が来たら
この街の医療従事者は商売あがったりなにょ」
「お金の問題なの?」
「分かり易く言うと、 治療行為=お金と考えるとわかりが良いにょ
お金をばら撒く人が居たら経済が混乱するでしょ?」
「確かに・・・」
「まず間違いなく事件になるな・・・」
「でも治療したいしたいー」
「その場合はちゃんと申請出せばOKなにょ」
「申請出そう」
「本来の目的を忘れている!?」
「本来の目的・・・警備をしてカレーを食べるにょ」
「でぶちゃんの目的じゃなくて」
「そういえばお腹空いたなぁ・・・」
「この先に入浴しながら御飯食べられるお店あるにょ」
「意味不明な需要!!」
「うーん、 お酒飲みながらお風呂なら分かるけど
御飯食べながらお風呂はちょっと・・・」
「じゃあカレー屋さん行くにょ」
「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」
「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」「行くにょ」

わらわらと警備でぶ妖精が湧いて出て来た。

「行っても良いけど君達に奢らないよ」

でぶ妖精達に9999の精神的ダメージ!!

「いや、 そこまでは喰らわないだろ」
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