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Chapter2:Light of life
第37話【Horseshoes】
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「あのさぁ、 この質問はね
『ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?』と言う問題だ」
「???」
首を傾げるロダン。
「お前が飛び降りて如何するよ、 死が怖くないのか?」
「自分が嫌な事を人に押し付けるのは人間として如何かと思う」
「何もかもが可笑しい」
「こいつはこういう奴なんだ、 諦めろ」
デッドが騎士に諭す。
「・・・じゃあこう考え直してみるのは如何だろうか
君が死ねば、 君がこれから助けるであろう数多くの人々を助けられなくなる
それでも君は飛び降りるのかい?」
「飛び降りるよ」
「何で? 明らかに計算可笑しいだろ・・・」
「何でって人助けって損得じゃないじゃない」
話は平行線である。
「質問に答えたし、 もう良いかな?」
「待て、 お前、 その考え方を改めないと破滅するぞ」
騎士はロダンに告げる。
「うーん、 でもなぁ・・・」
「良いから聞け、 お前は人を助ける事に意識を向けすぎて可笑しくなっている」
「人を助けるのが可笑しいなら僕は可笑しい人で良いよ
そもそも普通じゃないと駄目なの?」
「駄目って事は無いだろうが・・・生き難いと思うぞ」
「生き難くて結構、 楽に生きるつもりは最初から無いよ
そもそも楽に、 普通に生きて魔王を倒せていないじゃ無いか」
ロダンが反論する。
「・・・じゃあ好きにしろい、 最後に私から大馬鹿野郎のお前に選別をやろう」
「選別?」
「そう、 ほら」
ロダンは蹄鉄を手に入れた。
「これは・・・馬の脚の奴だね?」
「蹄鉄な、 魔除けになるから持っておくと後々便利だ
それもタダの蹄鉄じゃない」
「高価な物なんですか?」
「そう言う意味じゃないが売れば高値にはなるな、 金に困ったら売るのも良いだろう」
「幾らぐらいですかね」
「100万以上は確実だろう」
「えぇ!?」
「だがしかしこれはとても凄い魔除けの蹄鉄だ、 邪なる者にはかなりのダメージが期待できる」
「そうなんですか・・・ありがとうございます」
「どういたしまして、 では行け」
「はい」
ロダンは先に進んだ。
ロダンが居なくなった後に騎士は一人呟いた。
「さて、 これでお膳立ては全て整った、 と言う所か?
私もそろそろお暇するかね」
蒼褪めた馬に鞭を入れると騎士は何処かに立ち去って行った。
騎士は馬の足跡すら残さずに居なくなった。
『ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?』と言う問題だ」
「???」
首を傾げるロダン。
「お前が飛び降りて如何するよ、 死が怖くないのか?」
「自分が嫌な事を人に押し付けるのは人間として如何かと思う」
「何もかもが可笑しい」
「こいつはこういう奴なんだ、 諦めろ」
デッドが騎士に諭す。
「・・・じゃあこう考え直してみるのは如何だろうか
君が死ねば、 君がこれから助けるであろう数多くの人々を助けられなくなる
それでも君は飛び降りるのかい?」
「飛び降りるよ」
「何で? 明らかに計算可笑しいだろ・・・」
「何でって人助けって損得じゃないじゃない」
話は平行線である。
「質問に答えたし、 もう良いかな?」
「待て、 お前、 その考え方を改めないと破滅するぞ」
騎士はロダンに告げる。
「うーん、 でもなぁ・・・」
「良いから聞け、 お前は人を助ける事に意識を向けすぎて可笑しくなっている」
「人を助けるのが可笑しいなら僕は可笑しい人で良いよ
そもそも普通じゃないと駄目なの?」
「駄目って事は無いだろうが・・・生き難いと思うぞ」
「生き難くて結構、 楽に生きるつもりは最初から無いよ
そもそも楽に、 普通に生きて魔王を倒せていないじゃ無いか」
ロダンが反論する。
「・・・じゃあ好きにしろい、 最後に私から大馬鹿野郎のお前に選別をやろう」
「選別?」
「そう、 ほら」
ロダンは蹄鉄を手に入れた。
「これは・・・馬の脚の奴だね?」
「蹄鉄な、 魔除けになるから持っておくと後々便利だ
それもタダの蹄鉄じゃない」
「高価な物なんですか?」
「そう言う意味じゃないが売れば高値にはなるな、 金に困ったら売るのも良いだろう」
「幾らぐらいですかね」
「100万以上は確実だろう」
「えぇ!?」
「だがしかしこれはとても凄い魔除けの蹄鉄だ、 邪なる者にはかなりのダメージが期待できる」
「そうなんですか・・・ありがとうございます」
「どういたしまして、 では行け」
「はい」
ロダンは先に進んだ。
ロダンが居なくなった後に騎士は一人呟いた。
「さて、 これでお膳立ては全て整った、 と言う所か?
私もそろそろお暇するかね」
蒼褪めた馬に鞭を入れると騎士は何処かに立ち去って行った。
騎士は馬の足跡すら残さずに居なくなった。
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