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第九章:混沌会談

赤い草原

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夕焼けより赤い空が広がる原野に立っているバルド。

「ここは・・・何処だ?」

原野を彷徨うバルド。

『こっちだ』

振り返るバルド。
そこに居るのは輝かしい男。

「誰だ?」
『私だ、 エッグ・ヴィーナスだ』
「エッグ・ヴィーナス? え? 一体何がどうなっているの?」
『お前は寿司と振れ合い、 寿司の声を聴くに至った
しかしアポビオーシス、 あの巨大なスシの声を聴いてお前の精神は
この赤色の原野まで飛ばされてしまったのだ』
「ここは・・・一体何なんだ?」
『ここは阿頼耶識の中、 詳しい説明をする暇は無い、 行くぞ』

空を飛ぶエッグ・ヴィーナス。

「行くぞって・・・」
『お前も飛べる』
「え・・・・・」

自身が空を飛べることに気が付くバルド、 根拠は分からないが空を飛ぶ。

『行くぞ、 奴が来る』
「奴?」
『この阿頼耶識を飛ぶ認識の鳥だ、 急げ、 追い付かれれば死よりも酷い事になる』
「?」
『知らない方が良い事も有る』
「分かった」

飛び続けるバルドとエッグ・ヴィーナス。
次第に風景がぶれて来た。

『そろそろ現実空間に出る・・・さぁ行け
レーアとついでに三崎が待っている』
「・・・それなら行かないといけないね、 君は如何する?」
『私はお前の傍に居る』
「これからもよろしくね」
『否』

否定するエッグ・ヴィーナス。

「なんで?」
『まだまだ卵巻きのスシは強くなれる、 もっと精進するんだ』
「え・・・・・」

そこで意識は覚醒した。






目が覚めると、 そこはファウンデーション教国の病室の一つだった。

「ここは・・・」
「目が覚めたかい」

三崎が声をかける。

「三崎さん・・・僕は一体、 アポビオーシスは・・・?」
「無事に破壊できたよ、 君には勲章が授けられる予定らしい」
「そうですか・・・」

ちらり、 とスシブレード【エッグ・ヴィーナス】を見るバルド。

「・・・・・聞いたのかい?」
「え?」
「スシブレードの声を聞いたのかい?」
「・・・・・」

頷くバルド。

「そうか・・・君は選ばれしスシブレーダーかもしれないな」
「選ばれた、 ですか・・・確かにそうかもしれません
でも戦おうと決めたのは僕です、 それは譲りません」

禁じられた山に向かって寿司の知識を手に入れたのは
天上に存在する誰かの意思だったかもしれない
だが禁じられた山に向かうのを決めたのは自分。
プライドを持つバルドだった。

「そうだな、 僕もそうだよ、 僕も寿司の才能が有った
でも寿司を握ろうとしたのは僕の意志だった」
「三崎さん・・・」

固い握手を握り締め合うバルドと三崎だった。
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