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第八章:新たなる希望

心労で倒れる男

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同時刻、 マナ法国でファウンデーション教国に移動中の【アポビオーシス】。

現在トラブルが起きて一旦停止中である。



「グラニート殿が倒れたらしい」

「最近強い酒を飲み続けていたからなぁ・・・」

「幾ら名声を上げたとはいえ呑み過ぎだ」

「はしゃぎすぎたかなぁ・・・」



グラニートが倒れたのだ、 同伴する医者の診察の結果は・・・



「強い精神的な疲弊が見られますな」

「強い精神的な疲弊・・・精神攻撃を受けている、 と?」

「それは分かりませんが・・・」

「うぅ・・・うぅ・・・」



魘されるグラニート。



「許してくれ・・・・・許してくれ・・・」

「何を魘されているのか・・・」

「・・・・・よもやこの間殺した連中の亡霊達が居るのか?」



部下のサイクロプスやジャイアントが訝しむ。

彼等はあまり賢くない、 その上に共感力も欠けている。

彼等にグラニートの心情は理解出来ないだろう。



「早急に回復して指揮能力を取り戻して貰わないと

俺達が困る、 早急に何とかしろ」

「うーむ、 ならば陛下から預かったこれを使いましょうか」



医者はそう言うと巨大な箱を取り出した。

サイクロプスのグラニートよりも大きい箱である。



「これは?」

「中を見れば分かりますよ」



その箱の中に詰められていたのは大量の酢飯だった。



「これは・・・一体?」

「精神酢飯漬けにします」

「お、 おい!! どういう事だ!?」



ジャイアントが医者の襟首を持ち上げる。

医者は人間なので高く持ち上げられる。



「ぐあ!! お、 落ち着いて!! グラニート殿は明らかに精神的な疲弊!!

正規の治療方法では時間がかかり過ぎる!!」

「だからって精神酢飯漬けにするこたぁねぇだろうが!!」

「し、 しかしこのまま留まり続けるのは!!」

「・・・・・・・」



部下のサイクロプスがジャイアントを止める。



「お、 おい!! 良いのかよ!! 俺達の指揮官が精神酢飯漬けにされるんだぞ!!」

「このまま留まり続けて何か致命的な事が起こった後では遅い・・・

我々には戦って勝つ事しか許されないんだ、 魔王の下でも

シャリーラ13世の下でもだ」

「・・・・・・・・・・畜生」



ジャイアントが医者を話した。

医者はげっほげっほと咳き込んだ。



「はぁ・・・はぁ・・・御理解いただけたら箱の中にグラニート殿を入れて貰って良いですか?」

「っ・・・・・すまねぇ・・・」

「・・・・・」



ジャイアントとサイクロプスは申し訳なさそうにグラニートを持ち上げて

酢飯が詰まった箱の中にグラニートを押し込めたのだった。
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