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最終章 セイギの在り方
第286話 明かす真実
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「あ、αさん!?」
『やあ皆、Zを止めてくれたこと、本当に感謝しているよ。本当に』
「どういうつもりでござるかッ! 貴殿は、拙者達の味方だったのではござらぬか!」
「おっちゃん、信じてはったんに、どうして」
突然の来訪に、タクマ達は驚き、そして戸惑った。今まで邪魔をしながらも、なんだかんだで協力をしてくれていたαが、今こうして現れ、そして襲いかかってきた。
αの手にはレイピアが握られ、先をこちらに向けている。
「α、どうしてこんなことを!」
『頃合いだからだよ。全てを、終わらせるためのね』
「終わらせるじゃと?どういうことじゃ!」
「冗談キツいぜ鎧のおっさん。そういうのは、終わる終わる詐欺で留めとけって」
『残念だが、私は本気だ。本気で、この旧世界を終わらせるつもりさ』
そう言って、αが取り出したのは水色のオーブだった。それは既に解放されたオーブで、罪源の嫌な気配は感じられなかった。
皮肉にも、これで8つのオーブが全て揃った。
そして、罪源も8体討伐したことになる。すると、水色のオーブが輝き出した。
それに呼応するように、タクマの鞄から凄まじい光が溢れ出す。
「タクマさん、もしかしてこれって……!」
「させるかッ! 世界を終わらせるなんて、そんなことッ!」
『無駄だよ。君程度の力では、オーブを制御できない』
αは言いながら、タクマにオーブを向ける。するとオーブは鞄ごと引き寄せられ、生き別れた兄弟と再会するような勢いで暴れ出した。タクマはそれを必死で抑え込み、続いてメアにノエル、オニキスら全員が引っ張る。
しかしそんな抵抗も虚しく、オーブ達は鞄を突き破り、αのもとへ行ってしまった。
「オッサン、アタシらを騙してたってのか?」
「報われない人の救済って言うのは、嘘だったんですか?」
アリーナとノエルは訊く。するとαは、それに対してゆっくりと肯いた。
『嘘ではない。報われない人達を新世界の住人とし、生きる価値のない旧人類には消えてもらう。それこそが、私の真の目的というわけだ』
「真の、目的? そんなもの、ウチは認めないでありんす!」
「なんで、なんでそんな酷いことするんや!」
『何故? それは、君がよく知っているはずだよ、ナノ君』
その瞬間、ナノの方に視線が向く。
「ナノ殿が?」
『ああ、奴隷は特にそうだ。人でありながら人として見られず、人に酷使されて死んでいく。罪のない子供も、例外ではない』
「だからなんだ! 確かにナノは奴隷だった。でも、ナノは──」
タクマは叫んだ。しかし、彼の言葉がαに届くはずもなく、αは目の前に紫のオーブを出すと、そこからエンヴォスの骨の腕を召喚させた。
「ぐはぁっ!」
「タクマッ!」
刹那、オニキスはタクマの背後に回り、彼のクッションの代わりとなった。今ので何本か折れただろうに、それでもオニキスは剣を離さなかった。
そんな惨状に耐えきれなくなったのか、ナノは泣き出してしまった。
「もうやめておっちゃん! ウチの、ウチの大事な仲間に、手は出さんといて!」
『残念だが、そういうわけにも行かないんだよ、ナノ君』
すると今度は、緑のオーブから暴風が吹き荒れ、ナノを突き飛ばした。その瞬間、この場にいた全員が察した。
αには、これまで持っていた優しさはない。本気で、殺しにかかってきていると。
『これまで、私のためにオーブを集め回ってくれたこと。そして、罪源を解放し倒してくれたこと。実に、感謝しているよ』
「待て! 誰がお主なんかのために! だって妾達は、魔王を封印するために、そのオーブを──」
その時、αは魔王と呟いたかと思うと、衝撃的なことを言い出した。
『魔王なんて、存在しない』
『やあ皆、Zを止めてくれたこと、本当に感謝しているよ。本当に』
「どういうつもりでござるかッ! 貴殿は、拙者達の味方だったのではござらぬか!」
「おっちゃん、信じてはったんに、どうして」
突然の来訪に、タクマ達は驚き、そして戸惑った。今まで邪魔をしながらも、なんだかんだで協力をしてくれていたαが、今こうして現れ、そして襲いかかってきた。
αの手にはレイピアが握られ、先をこちらに向けている。
「α、どうしてこんなことを!」
『頃合いだからだよ。全てを、終わらせるためのね』
「終わらせるじゃと?どういうことじゃ!」
「冗談キツいぜ鎧のおっさん。そういうのは、終わる終わる詐欺で留めとけって」
『残念だが、私は本気だ。本気で、この旧世界を終わらせるつもりさ』
そう言って、αが取り出したのは水色のオーブだった。それは既に解放されたオーブで、罪源の嫌な気配は感じられなかった。
皮肉にも、これで8つのオーブが全て揃った。
そして、罪源も8体討伐したことになる。すると、水色のオーブが輝き出した。
それに呼応するように、タクマの鞄から凄まじい光が溢れ出す。
「タクマさん、もしかしてこれって……!」
「させるかッ! 世界を終わらせるなんて、そんなことッ!」
『無駄だよ。君程度の力では、オーブを制御できない』
αは言いながら、タクマにオーブを向ける。するとオーブは鞄ごと引き寄せられ、生き別れた兄弟と再会するような勢いで暴れ出した。タクマはそれを必死で抑え込み、続いてメアにノエル、オニキスら全員が引っ張る。
しかしそんな抵抗も虚しく、オーブ達は鞄を突き破り、αのもとへ行ってしまった。
「オッサン、アタシらを騙してたってのか?」
「報われない人の救済って言うのは、嘘だったんですか?」
アリーナとノエルは訊く。するとαは、それに対してゆっくりと肯いた。
『嘘ではない。報われない人達を新世界の住人とし、生きる価値のない旧人類には消えてもらう。それこそが、私の真の目的というわけだ』
「真の、目的? そんなもの、ウチは認めないでありんす!」
「なんで、なんでそんな酷いことするんや!」
『何故? それは、君がよく知っているはずだよ、ナノ君』
その瞬間、ナノの方に視線が向く。
「ナノ殿が?」
『ああ、奴隷は特にそうだ。人でありながら人として見られず、人に酷使されて死んでいく。罪のない子供も、例外ではない』
「だからなんだ! 確かにナノは奴隷だった。でも、ナノは──」
タクマは叫んだ。しかし、彼の言葉がαに届くはずもなく、αは目の前に紫のオーブを出すと、そこからエンヴォスの骨の腕を召喚させた。
「ぐはぁっ!」
「タクマッ!」
刹那、オニキスはタクマの背後に回り、彼のクッションの代わりとなった。今ので何本か折れただろうに、それでもオニキスは剣を離さなかった。
そんな惨状に耐えきれなくなったのか、ナノは泣き出してしまった。
「もうやめておっちゃん! ウチの、ウチの大事な仲間に、手は出さんといて!」
『残念だが、そういうわけにも行かないんだよ、ナノ君』
すると今度は、緑のオーブから暴風が吹き荒れ、ナノを突き飛ばした。その瞬間、この場にいた全員が察した。
αには、これまで持っていた優しさはない。本気で、殺しにかかってきていると。
『これまで、私のためにオーブを集め回ってくれたこと。そして、罪源を解放し倒してくれたこと。実に、感謝しているよ』
「待て! 誰がお主なんかのために! だって妾達は、魔王を封印するために、そのオーブを──」
その時、αは魔王と呟いたかと思うと、衝撃的なことを言い出した。
『魔王なんて、存在しない』
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