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第8章 復讐の死神
第206話 決着と絆
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「ぐぉあああああ!!」
爆発の反動で、オニキスは遠くへ投げ飛ばされる。タクマはオニキスに勝利した。
そしてタクマは、もう戦う必要ないと判断し、クリムゾンを解除した。しかし、クリムゾンを解除した瞬間、貧血で一瞬気絶しそうになった。するとその時、誰かの呼ぶ声が聞こえてきた。
「タクマ殿~!」
「タクロー、無事か~?」
特徴的な武士語、相変わらず名前を間違う奴。吾朗とアリーナだ。つまりあっちも、戦いが終わったらしい。
振り返ると、ボロボロになってはいるが、何事もなかったように再会を喜ぶ皆が立っていた。
「うっ、うう……」
「あれ?オニキスさんが倒れてる?」
「と言う事はまさか、タっくんが勝ったん?」
そんな話をしていると、オニキスはゆっくりと立ち上がろうとした。しかし、力が入らず、後ろにパタリと倒れる。
──ったく、こんな時に晴れるのかよ。折角雨の音にかき消されると思って断末魔でも上げてやろうと思ったのに。
「おめでとう、言い値の首はテメェの物だ。持っていけ」
剣を失った俺に、もう戦う事はできない。アレが手足と同じだったから、折られたって事は手足を失ったのと同じ。それに、どうせ生きてたって、俺はじきに死ぬ。
それに、アナザーを騙った上にフォーデン転覆を狙った。処刑は免れない。
だったらせめて、最強狩りとして最後に、認めた奴に賞品を渡してやろう。それが元最強の、責務だ。
そう思い、オニキスはタクマの斬首を待った。タクマはうんともすんとも言わず、剣を持ってゆっくり近付いていく。
「タクマ、お主分かっておるのか!?」
「そ、そうでありんすよ!例え賞金首だったとしても、斬ったら貴方は人殺しでありんす!」
「……そうだな」
後ろからの怒鳴り声に、タクマは暗い口調で答えた。
「おいタクロー!何とか言えよ!」
「タっくん!嘘……?」
二人が叫ぼうとした時、女子陣の前でリュウヤが道を塞いだ。それを抜けて止めに走ったメアの腕も掴み、首を横に振った。
「コイツは奴とタクマ、漢と漢の事情だ。部外者の干渉は許されない」
「いやしかしだなリュウヤ君」
「まあ見ていてください。皆さんも、信頼していない訳じゃないでしょう?」
ノエルの言葉に打たれた5人は、山ほどある言いたい事を喉に留まらせ、タクマとオニキスのやり取りを見守った。
その頃、タクマはオニキスの足元に立ち、彼の顔を見下ろしていた。もう全てやり切った、後悔はないと感じ取れるような清々しい顔をしている。
「早くしろ!今すぐ首を斬れ!」
オニキスは叫んだ。その声は避難所の方まで響き渡り、そこで戦いが終わるのを待っていたワトソンの耳にも入ってきた。
すると、叫び声を聞いたワトソンは、荷物を父親のロックに託し、走り出した。
「ワト!どこに行く!」
「ごめん父さん!俺行かなきゃ!」
──オニキスが叫んでから3分が経過した。だが、一向にタクマは足元に立ったまま動かなかった。
そうなって来ると、そろそろ止めていたリュウヤも心配し始める。まさか金に目が眩んだんじゃあないだろうかと。
するとその時、タクマはレンガとレンガの間に剣を突き立てた。そして、オニキスの前に左手を差し伸べた。
「そんな物騒なものはいらない」
「……え?」
「ごめん。俺、人の首を斬る覚悟だけは持ち合わせてないんだ」
「ふざけるな!だったらいい、俺がこの手で斬る!」
そう言うと、オニキスはタクマの手を払い除け、突き刺さった剣を引き抜こうと手を伸ばした。
だが、それに勘付いたタクマは剣を抜き、そっと鞘に戻した。
そして、オニキスに向かって「聞け!」と怒鳴った。
「アンタ、言ってくれたろ?“お前は強くなれる”って。俺、そう言われてすっごく嬉しかったんだよ」
「知るか!だからどうした!」
「だから今度は、俺がアンタを信じる番だ。アンタはまた優しくなれる。なんて」
タクマはあの日オニキスが言ったように言い、しゃがみ込んでからもう一度手を差し伸べた。
「いいのか?ここで殺さなかったら、いつか後悔するぞ?それでも──」
「それでもいい。その時は、また今日みたいに本気でぶつかり合って、必ず止めるから」
「ったく、とんでもねぇバカだな、お前」
「よく言われる」
タクマは嘘偽りのない笑顔を見せながら言った。その顔を見て、オニキスは全てを思い出した。
(そうだ、全部思い出した。どうして俺が、こんなバカを気にしていたのか、どうしてタクマに拘っていたのか。それは、羨ましかったからだ)
(そして、俺が欲しかったのは、最強の力でも、ましてやα一味でもなかった。本当に欲しかったのは、タクマやそのおまけみたいな、大勢でバカをやれる、自由な“野郎共”の友情だったんだ。それが羨ましくて俺は……)
「ったく、くだらねぇよ。クソが」
オニキスは言いながらタクマの手を使って立ち上がり、目を見せずに手を降り払った。
そして、道を塞いでいたメア達にわざと肩をぶつけ、9人に背中を向けた状態で足を止めた。
「俺は迷惑な存在だ!だからテメェの仲間になる気はこれっぽっちもねぇ!」
背中を向けたまま、オニキスは叫ぶ。絶対に、表情は見せたくないから。止めたくても、涙が止まらないから。
それを聞いたタクマは、そう言うだろうと予測していたかのように、大きく息を吸い込んだ。そして、小指を天に掲げた。
「じゃあ約束!やる事全部終わらせたら、コピーもクリムゾンも無しで、どっちが最強かガチンコ勝負だ!それまで、俺は誰にも負けない!だからオニキスも、勝ち続けてくれ!」
タクマはオニキスの背中に向かって大声で約束した。いい加減な約束にならないよう、絶対忘れないよう、仲間に聞こえるように。そして、ワトソンにも聞こえるように。
するとオニキスは、その約束にYESともNOとも答えず、右手の人差し指と中指を合わせて2回振った。そして最後に「ばーか」と罵倒し、影の中へと消えていった。
「全く、相変わらず素直じゃないですね」
「まあでも、もうアイツからは悪い気配を感じなくなったと思うなぁ。知らんけど」
「はぁ?リョーマ、知らねぇのにいい加減な事言ってんなよ!」
「何はともあれ、一件落着に変わりはない。暫くは……おろ?」
騒がしい中、吾朗は優しい顔を崩さず言う。そして、彼らの中でメアだけが消えている事に気付いた。
人数確認をしても、メアだけが居なかった。
「じぃじ?どうかしたん?」
「ああ、メア殿の姿が見当たらなくて」
「メアちゃんなら、タクマさんが約束した後“お花摘み行きたい”と」
「お花?あぁ、もしかしてそれはト──」
「はいダメー!おっさんは黙ってろ!」
メアの行方を伝えたところ、デンジは納得したように手を叩き言おうとした。折角オブラートに包んでいたものが台無しになるため、アリーナからのチョップを食らい黙らされた。
「こらアリーナ、殴っちゃダメでしょうが!」
「ハハハ、やはり君達は本当に面白いよ」
「マジですか?いや~、照れちゃいますね。ね、タクマさん」
「んだな」
タクマは、そっと剣を鞘に戻し、影に笑いかけた。もう居ないと分かっていても、そこにオニキスが居たような気がしたから。
爆発の反動で、オニキスは遠くへ投げ飛ばされる。タクマはオニキスに勝利した。
そしてタクマは、もう戦う必要ないと判断し、クリムゾンを解除した。しかし、クリムゾンを解除した瞬間、貧血で一瞬気絶しそうになった。するとその時、誰かの呼ぶ声が聞こえてきた。
「タクマ殿~!」
「タクロー、無事か~?」
特徴的な武士語、相変わらず名前を間違う奴。吾朗とアリーナだ。つまりあっちも、戦いが終わったらしい。
振り返ると、ボロボロになってはいるが、何事もなかったように再会を喜ぶ皆が立っていた。
「うっ、うう……」
「あれ?オニキスさんが倒れてる?」
「と言う事はまさか、タっくんが勝ったん?」
そんな話をしていると、オニキスはゆっくりと立ち上がろうとした。しかし、力が入らず、後ろにパタリと倒れる。
──ったく、こんな時に晴れるのかよ。折角雨の音にかき消されると思って断末魔でも上げてやろうと思ったのに。
「おめでとう、言い値の首はテメェの物だ。持っていけ」
剣を失った俺に、もう戦う事はできない。アレが手足と同じだったから、折られたって事は手足を失ったのと同じ。それに、どうせ生きてたって、俺はじきに死ぬ。
それに、アナザーを騙った上にフォーデン転覆を狙った。処刑は免れない。
だったらせめて、最強狩りとして最後に、認めた奴に賞品を渡してやろう。それが元最強の、責務だ。
そう思い、オニキスはタクマの斬首を待った。タクマはうんともすんとも言わず、剣を持ってゆっくり近付いていく。
「タクマ、お主分かっておるのか!?」
「そ、そうでありんすよ!例え賞金首だったとしても、斬ったら貴方は人殺しでありんす!」
「……そうだな」
後ろからの怒鳴り声に、タクマは暗い口調で答えた。
「おいタクロー!何とか言えよ!」
「タっくん!嘘……?」
二人が叫ぼうとした時、女子陣の前でリュウヤが道を塞いだ。それを抜けて止めに走ったメアの腕も掴み、首を横に振った。
「コイツは奴とタクマ、漢と漢の事情だ。部外者の干渉は許されない」
「いやしかしだなリュウヤ君」
「まあ見ていてください。皆さんも、信頼していない訳じゃないでしょう?」
ノエルの言葉に打たれた5人は、山ほどある言いたい事を喉に留まらせ、タクマとオニキスのやり取りを見守った。
その頃、タクマはオニキスの足元に立ち、彼の顔を見下ろしていた。もう全てやり切った、後悔はないと感じ取れるような清々しい顔をしている。
「早くしろ!今すぐ首を斬れ!」
オニキスは叫んだ。その声は避難所の方まで響き渡り、そこで戦いが終わるのを待っていたワトソンの耳にも入ってきた。
すると、叫び声を聞いたワトソンは、荷物を父親のロックに託し、走り出した。
「ワト!どこに行く!」
「ごめん父さん!俺行かなきゃ!」
──オニキスが叫んでから3分が経過した。だが、一向にタクマは足元に立ったまま動かなかった。
そうなって来ると、そろそろ止めていたリュウヤも心配し始める。まさか金に目が眩んだんじゃあないだろうかと。
するとその時、タクマはレンガとレンガの間に剣を突き立てた。そして、オニキスの前に左手を差し伸べた。
「そんな物騒なものはいらない」
「……え?」
「ごめん。俺、人の首を斬る覚悟だけは持ち合わせてないんだ」
「ふざけるな!だったらいい、俺がこの手で斬る!」
そう言うと、オニキスはタクマの手を払い除け、突き刺さった剣を引き抜こうと手を伸ばした。
だが、それに勘付いたタクマは剣を抜き、そっと鞘に戻した。
そして、オニキスに向かって「聞け!」と怒鳴った。
「アンタ、言ってくれたろ?“お前は強くなれる”って。俺、そう言われてすっごく嬉しかったんだよ」
「知るか!だからどうした!」
「だから今度は、俺がアンタを信じる番だ。アンタはまた優しくなれる。なんて」
タクマはあの日オニキスが言ったように言い、しゃがみ込んでからもう一度手を差し伸べた。
「いいのか?ここで殺さなかったら、いつか後悔するぞ?それでも──」
「それでもいい。その時は、また今日みたいに本気でぶつかり合って、必ず止めるから」
「ったく、とんでもねぇバカだな、お前」
「よく言われる」
タクマは嘘偽りのない笑顔を見せながら言った。その顔を見て、オニキスは全てを思い出した。
(そうだ、全部思い出した。どうして俺が、こんなバカを気にしていたのか、どうしてタクマに拘っていたのか。それは、羨ましかったからだ)
(そして、俺が欲しかったのは、最強の力でも、ましてやα一味でもなかった。本当に欲しかったのは、タクマやそのおまけみたいな、大勢でバカをやれる、自由な“野郎共”の友情だったんだ。それが羨ましくて俺は……)
「ったく、くだらねぇよ。クソが」
オニキスは言いながらタクマの手を使って立ち上がり、目を見せずに手を降り払った。
そして、道を塞いでいたメア達にわざと肩をぶつけ、9人に背中を向けた状態で足を止めた。
「俺は迷惑な存在だ!だからテメェの仲間になる気はこれっぽっちもねぇ!」
背中を向けたまま、オニキスは叫ぶ。絶対に、表情は見せたくないから。止めたくても、涙が止まらないから。
それを聞いたタクマは、そう言うだろうと予測していたかのように、大きく息を吸い込んだ。そして、小指を天に掲げた。
「じゃあ約束!やる事全部終わらせたら、コピーもクリムゾンも無しで、どっちが最強かガチンコ勝負だ!それまで、俺は誰にも負けない!だからオニキスも、勝ち続けてくれ!」
タクマはオニキスの背中に向かって大声で約束した。いい加減な約束にならないよう、絶対忘れないよう、仲間に聞こえるように。そして、ワトソンにも聞こえるように。
するとオニキスは、その約束にYESともNOとも答えず、右手の人差し指と中指を合わせて2回振った。そして最後に「ばーか」と罵倒し、影の中へと消えていった。
「全く、相変わらず素直じゃないですね」
「まあでも、もうアイツからは悪い気配を感じなくなったと思うなぁ。知らんけど」
「はぁ?リョーマ、知らねぇのにいい加減な事言ってんなよ!」
「何はともあれ、一件落着に変わりはない。暫くは……おろ?」
騒がしい中、吾朗は優しい顔を崩さず言う。そして、彼らの中でメアだけが消えている事に気付いた。
人数確認をしても、メアだけが居なかった。
「じぃじ?どうかしたん?」
「ああ、メア殿の姿が見当たらなくて」
「メアちゃんなら、タクマさんが約束した後“お花摘み行きたい”と」
「お花?あぁ、もしかしてそれはト──」
「はいダメー!おっさんは黙ってろ!」
メアの行方を伝えたところ、デンジは納得したように手を叩き言おうとした。折角オブラートに包んでいたものが台無しになるため、アリーナからのチョップを食らい黙らされた。
「こらアリーナ、殴っちゃダメでしょうが!」
「ハハハ、やはり君達は本当に面白いよ」
「マジですか?いや~、照れちゃいますね。ね、タクマさん」
「んだな」
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