161 / 295
第7章 アイム ア キャプテン!
第160話 荒野 な 帝国
しおりを挟む
【ゴルド帝国】
メルサバを旅立ってから約12時間、タクマ達が昼食を食べていると、突然ずっと走り続けていた馬が足を止めた。
そして、着いた事を告げるかのように、ヒヒーンと大きく鳴いた。
「おぉ、ここがゴルド帝国か。何か想像してたのと違うなぁ」
外の様子見がてら降りたタクマは、その先に広がる新世界を見て驚いた。
そこは帝国にしては何だか古いようで、小さな村にしては小さすぎた。
ギルドの看板がかけられた施設には、ウエスタン映画で見るようなスイングドアが付けられ、武器屋と思しき店の看板には、銃の絵が描かれていた。
そこまで聞けば、ぱっと見城と何ら関係なさそうに見えるが、街の奥側には、なんとも場違い感のある漆黒の城が建っていた。まさに、無理矢理そこに西武開拓時代の舞台を縫い付けたような、そんな世界が広がっていた。
おまけに、その近くには崖を切り崩して作った船着場まで完備されている。
「すんげぇなぁ、城に港にウェスタンとは。なんて言うか、マジめにカオスだな」
「何を騒いでおる、そんなに面白いもの見つけ……な、何じゃありゃあ!」
「なんと、これが帝国という奴でありんすか」
騒ぎを聞いたメア、おタツ、リュウヤの3人は目を丸くして驚いた。しかしナノは、まるでもう見たとでも言うように、普通の目で帝国を見つめた。
「ナノナノはあまり驚きませんね」
「なんと、何でも興味を示すナノが何も思わないとは、これまた珍しいでござる」
「だってこの景色、パパの好きな絵画でよう見てたし、パパから嫌と言う程どないな街か聞かされたで」
ナノはまさに、かつての父親代わりだった人物の絵と本物の街を比較する様に見て、全く違和感ありありなこの景色に驚く事はしなかった。
「さて、ギルドに入って御目当てのクエスト探しますか!」
ノエルは他6人に声をかけ、いつも以上の元気さでギルドの中に入っていった。
「ノエル、いつにも増してやる気あるなぁ」
「ノエルが仕入れた情報だから、気合が入ってるんだな。俺達も行こうぜ」
タクマはリュウヤと話し、ギルドへと足を踏み入れた。
【ギルド】
スイングドアを開けると、そこに付けられたドアベルが入った事を知らせるために鳴く。
中の施設はそこまで変わらず、右側から食堂、受付、そして停留所の所謂テンプレと言うもので仕上がっている。
ただ、馬車は箱型の車ではなく、ド○クエのように白い布のようなもので骨組みを覆う形をしていた。
更に食堂にはタグの付けられた瓶がマスターの後ろに並んでおり、ガンマン姿の男達はそこで昼なのにも関わらず酒を飲んでいる。
「何か、お酒臭いでありんすなぁ」
「この臭い、ワインとウィスキー、それとビールだな」
「リュウヤ、お主は何故そこまで詳しいのじゃ?」
「爺ちゃんが夜になると酒定期するし、それに日本食でもワイン使うから、いつの間にか酒の匂い覚えちゃってさ」
リュウヤは頭を掻きつつ、嬉しそうに言った。そう言えば、剣崎の方でも「キープ」と言って後ろにタグ付き瓶を置いてたっけか。
タクマがあちら側の世界の事を思い出していると、受付がざわつき出した。
「皆さんボードを見て、何か面白いのがあるのでしょうか?」
「うーん、人の頭が邪魔で全く見えへんわ」
「祭りでありんすかね?」
「とにかく、行って損はないでござるよ」「だね。ちょっと見てくか」
タクマは言い、ボードの前に近付いてみた。しかし、人が多すぎて、結局何も見えなかった。
そして、人混みの一番奥側から出てきたため、その人に何が書いてあったのか、タクマは訊ねようとした。すると男は、見えない人の為なのか、大声でそこに書かれていた事を発表した。
「お前ら聞いてくれ!またクロフル地下牢深層調査の報酬金が増えたぞ!今度はなんと、60万ゼルンだ!先週の2倍だぞ!」
「2倍と言うと、さささ、30万ゼルンじゃと!?」
「こんな大金の出るクエスト、なかなかねぇぞ?こりゃあ人気沸騰……ありゃ?」
だが、男の演説のような宣伝を聞いた瞬間、さっきまで興味津々で集まっていた冒険者達は白けたようにはけてしまった。
言われてみれば、他のクエストは強そうな魔物討伐でも、最大10万ゼルンくらい。この大金クエストだけは、一際目立つ。
「どうして皆取ろうとしないんやろか?」
「これは、妙でありんすな」
「でも、誰も手をつけないってんなら、今しか無いでしょ!」
大金で人気がなくとも、いつかは誰かがそのクエストを受けるかもしれない。そう思ったタクマは、そこに貼られていたクエスト用紙を剥がした。
すると、隣にいた魔法使いのお姉さんが、ヤバい人を見るような目でこちらを見てきた。
「やっぱり変ですよここ、何か怖いです」
「ウチの服装のせいでありんしょうか?」
「いや、確かに俺らの和風コーデは珍しいけど、流石にヤバい人見る目はないでしょ。俺ちゃん傷付く」
リュウヤは不安になっている仲間のため、大袈裟に某セ○のモノマネをして倒れた。
そして、元気が出た7人は、周りの目を気にせずに、クエスト用紙を受付に出した。その瞬間、食堂に居たガンマン姿の男がギルドを飛び出し、厳つい男がこちらに近付いてきた。
「おい小僧共、まさかそれ受けるってんじゃあないだろうな?」
「え、そうですけど?」
「ウチらなら簡単にこなせるで!馬鹿にされちゃあ困るで!」
タクマは何を今更当たり前のことを、と言うように首を捻る。すると、男は指を差し、タクマ達をゲラゲラと笑った。
「ちょっと、いきなり笑うなんて失礼ですよ!」
「冷やかしなら、ウチが熱い手裏剣、かまりたりますえ?」
2人が怒りを露わにしていると、厳つい男の仲間が「やめてやれ」と止めに入った。
その男は背中に大剣を背負っており、両目が髪で隠れていた。
「あらまぁ、イイ兄ちゃんが来たもんだ」
「拙者、何かおかしなことしたでござるか?」
「いや、そんなんじゃ無い。とにかく、俺らはこのクエスト引き受けた奴を皇帝様の下へ連れて来いって言われてるからね。来てもらうぜ」
「ここ、皇帝!?」
「あぁ。とにかく黙ってついて来い。話は皇帝様からでも聞け」
メルサバを旅立ってから約12時間、タクマ達が昼食を食べていると、突然ずっと走り続けていた馬が足を止めた。
そして、着いた事を告げるかのように、ヒヒーンと大きく鳴いた。
「おぉ、ここがゴルド帝国か。何か想像してたのと違うなぁ」
外の様子見がてら降りたタクマは、その先に広がる新世界を見て驚いた。
そこは帝国にしては何だか古いようで、小さな村にしては小さすぎた。
ギルドの看板がかけられた施設には、ウエスタン映画で見るようなスイングドアが付けられ、武器屋と思しき店の看板には、銃の絵が描かれていた。
そこまで聞けば、ぱっと見城と何ら関係なさそうに見えるが、街の奥側には、なんとも場違い感のある漆黒の城が建っていた。まさに、無理矢理そこに西武開拓時代の舞台を縫い付けたような、そんな世界が広がっていた。
おまけに、その近くには崖を切り崩して作った船着場まで完備されている。
「すんげぇなぁ、城に港にウェスタンとは。なんて言うか、マジめにカオスだな」
「何を騒いでおる、そんなに面白いもの見つけ……な、何じゃありゃあ!」
「なんと、これが帝国という奴でありんすか」
騒ぎを聞いたメア、おタツ、リュウヤの3人は目を丸くして驚いた。しかしナノは、まるでもう見たとでも言うように、普通の目で帝国を見つめた。
「ナノナノはあまり驚きませんね」
「なんと、何でも興味を示すナノが何も思わないとは、これまた珍しいでござる」
「だってこの景色、パパの好きな絵画でよう見てたし、パパから嫌と言う程どないな街か聞かされたで」
ナノはまさに、かつての父親代わりだった人物の絵と本物の街を比較する様に見て、全く違和感ありありなこの景色に驚く事はしなかった。
「さて、ギルドに入って御目当てのクエスト探しますか!」
ノエルは他6人に声をかけ、いつも以上の元気さでギルドの中に入っていった。
「ノエル、いつにも増してやる気あるなぁ」
「ノエルが仕入れた情報だから、気合が入ってるんだな。俺達も行こうぜ」
タクマはリュウヤと話し、ギルドへと足を踏み入れた。
【ギルド】
スイングドアを開けると、そこに付けられたドアベルが入った事を知らせるために鳴く。
中の施設はそこまで変わらず、右側から食堂、受付、そして停留所の所謂テンプレと言うもので仕上がっている。
ただ、馬車は箱型の車ではなく、ド○クエのように白い布のようなもので骨組みを覆う形をしていた。
更に食堂にはタグの付けられた瓶がマスターの後ろに並んでおり、ガンマン姿の男達はそこで昼なのにも関わらず酒を飲んでいる。
「何か、お酒臭いでありんすなぁ」
「この臭い、ワインとウィスキー、それとビールだな」
「リュウヤ、お主は何故そこまで詳しいのじゃ?」
「爺ちゃんが夜になると酒定期するし、それに日本食でもワイン使うから、いつの間にか酒の匂い覚えちゃってさ」
リュウヤは頭を掻きつつ、嬉しそうに言った。そう言えば、剣崎の方でも「キープ」と言って後ろにタグ付き瓶を置いてたっけか。
タクマがあちら側の世界の事を思い出していると、受付がざわつき出した。
「皆さんボードを見て、何か面白いのがあるのでしょうか?」
「うーん、人の頭が邪魔で全く見えへんわ」
「祭りでありんすかね?」
「とにかく、行って損はないでござるよ」「だね。ちょっと見てくか」
タクマは言い、ボードの前に近付いてみた。しかし、人が多すぎて、結局何も見えなかった。
そして、人混みの一番奥側から出てきたため、その人に何が書いてあったのか、タクマは訊ねようとした。すると男は、見えない人の為なのか、大声でそこに書かれていた事を発表した。
「お前ら聞いてくれ!またクロフル地下牢深層調査の報酬金が増えたぞ!今度はなんと、60万ゼルンだ!先週の2倍だぞ!」
「2倍と言うと、さささ、30万ゼルンじゃと!?」
「こんな大金の出るクエスト、なかなかねぇぞ?こりゃあ人気沸騰……ありゃ?」
だが、男の演説のような宣伝を聞いた瞬間、さっきまで興味津々で集まっていた冒険者達は白けたようにはけてしまった。
言われてみれば、他のクエストは強そうな魔物討伐でも、最大10万ゼルンくらい。この大金クエストだけは、一際目立つ。
「どうして皆取ろうとしないんやろか?」
「これは、妙でありんすな」
「でも、誰も手をつけないってんなら、今しか無いでしょ!」
大金で人気がなくとも、いつかは誰かがそのクエストを受けるかもしれない。そう思ったタクマは、そこに貼られていたクエスト用紙を剥がした。
すると、隣にいた魔法使いのお姉さんが、ヤバい人を見るような目でこちらを見てきた。
「やっぱり変ですよここ、何か怖いです」
「ウチの服装のせいでありんしょうか?」
「いや、確かに俺らの和風コーデは珍しいけど、流石にヤバい人見る目はないでしょ。俺ちゃん傷付く」
リュウヤは不安になっている仲間のため、大袈裟に某セ○のモノマネをして倒れた。
そして、元気が出た7人は、周りの目を気にせずに、クエスト用紙を受付に出した。その瞬間、食堂に居たガンマン姿の男がギルドを飛び出し、厳つい男がこちらに近付いてきた。
「おい小僧共、まさかそれ受けるってんじゃあないだろうな?」
「え、そうですけど?」
「ウチらなら簡単にこなせるで!馬鹿にされちゃあ困るで!」
タクマは何を今更当たり前のことを、と言うように首を捻る。すると、男は指を差し、タクマ達をゲラゲラと笑った。
「ちょっと、いきなり笑うなんて失礼ですよ!」
「冷やかしなら、ウチが熱い手裏剣、かまりたりますえ?」
2人が怒りを露わにしていると、厳つい男の仲間が「やめてやれ」と止めに入った。
その男は背中に大剣を背負っており、両目が髪で隠れていた。
「あらまぁ、イイ兄ちゃんが来たもんだ」
「拙者、何かおかしなことしたでござるか?」
「いや、そんなんじゃ無い。とにかく、俺らはこのクエスト引き受けた奴を皇帝様の下へ連れて来いって言われてるからね。来てもらうぜ」
「ここ、皇帝!?」
「あぁ。とにかく黙ってついて来い。話は皇帝様からでも聞け」
0
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる