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第2章 不思議な僧侶と世紀末的砂けむり事件
第37話 機械の正体
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「はぁっ!このっ!……ぐはっ!!」
タクマは、どうにかしてでもメア達も助けようと考えながら剣を振る。
だが、敵の数に圧倒されて、タクマは左太ももに敵のレーザー攻撃を食らってしまった。
ちょっと酷い火傷程度だが、穴を開けられたかのような激痛が走る。
だけどここで、その激痛程度でぎゃーぎゃー騒いでいては殺される。
「こっちは質、あっちは量で攻めているようじゃな……」
「ダメです、私の馬鹿力でも倒れません!」
まずい、このままでは本当に殺される……
考えろ、何かあるはずだ。
タクマは剣を振りながら考えた。
大体コツが掴めたようで、次から次へと襲って来る警備ロボの首を袈裟斬りで切り倒していく。
するとその時、タクマのポケットから何かが落ちた。
石炭みたいな黒い石、水砲石だ。
だが、落としたせいで警備ロボの大群の中に入ってしまった。
「しまった……!」
タクマはその落としたものを拾おうと、自ら大群の中へと潜り込む。
しかし、数が多すぎる。
斬り倒しても斬り倒しても、どっかから増えてきているようでキリがない。
「クソっ、あと少しなのに届かないっ……!」
タクマは必死で腕を伸ばす。
しかし、大群の中に来ていたせいで、頭部に警備ロボのレーザー銃を向けられる。
でもここで死ぬ訳には行かない、ビーグさんの部下を助けるんだ!
「だぁぁぁぁっ!!」
自然と体が動き、敵の足に回転斬りを与えていた。
警備ロボ達は足を失って倒れ、次第にロボ達は機能停止していく。
だが、それでも敵が減る気配は一向にない。
「はぁっ!そこじゃっ!!」
「これでも食らってくださいっ!!」
メアとノエルも、自慢の投げナイフや毒瓶などで応戦していた。
しかし、それらは装甲をちょっと溶かす程度、小さな傷を作ることしかできなかった。
ダメージが通っているのかすら怪しい。
『侵入者、排除スル!』
「されるかっ!!」
メアは、投げナイフを小刀のようにして首に突き刺す。
しかし、警備ロボは特に何事もなかったかのようにそれを引き抜き、床に投げ捨てた。
しかも、そうしている間に、他の四体も剣を持って襲いかかってくる。
「くぅ、こうなれば仕方あるまいっ!!」
「メ、メアさん!?何か思い付いたんですか?」
「あぁ、何だかよく分からぬが、修行の時のビジョンがビビっと来たわい!」
「とにかくノエル、そいつらの目を引きつけといてくれ!」
「はいっ!!」
メアはそう言いながら、《メガ・ドゥンケル》を放ち、一旦警備ロボを吹き飛ばした。
そして、タクマに「水砲石を貸すのじゃっ!!」と叫んだ。
「分かった!受け取れっ!!」
タクマは攻撃して来る警備ロボの攻撃を掻い潜りながら、メア達の居る檻に水砲石を投げた。
「よっ、と」
「一体それでどうするんですか?こっちはもう持ちません!」
ノエルは五体の攻撃を杖で防御しているが、完全に押されている。
そこに、メアは水砲石の力で 《ウォーター》を放った。
その威力で、三体だけは吹き飛び、メアの足元が水浸しになる。
「どっせいっ!!……ですが、これでどうするんですか?」
ノエルは警備ロボを力づくで蹴り飛ばし、これから何をするのか訊いた。
「フッフッフ、まずこっちの方は完璧じゃ」
そう不気味な感じで喋った後、メアはタクマが戦っている方にも《ウォーター》を放った。
それによりタクマも巻き添えをくらい、警備ロボと一緒に吹き飛ばされ、水浸しになる。
「メアお前、何すんだっ!!」
「とにかくノエル、タクマ!妾が3つ数えたと同時に飛んで、天井の糸を掴み、ノエルは水に向かって《サンダー》を撃つのじゃ!」
「成る程、この水はあの時の」
「とにかく時間はない、行くぞ……」
メアはそれだけを言い、ゆっくりと数えた。
1でタクマの方の警備ロボがまた動き出す。
2でメア達の警備ロボが飛びかかり、ノエルが杖に魔力を溜めた。
そして……
「3っ!!今じゃっ!!」
メアの掛け声と同時に、タクマ達は飛び、天井に垂れ下がっている短いケーブルを掴んだ。
そして、ノエルは水浸しになっている床に向けて《サンダー》を放った。
『ガガ……ピー!エネルギー、逆流!キケン!キケン!』
「やりましたか……?」
サンダーによる感電で、すべての警備ロボから煙が上がる。
そして、それと同じようにして、周りの機械的な壁からも煙が上がる。
これはマズい、そんな事は言わなくても分かる。が、特に爆発などを起こす訳でもなく、警備ロボ達はバタバタと倒れていく。
そして、タクマ達を閉じ込めていた檻が上がった。
「ありがとよ、メア」
「全く、もしお主が妾達置いて、一人で背負って行っておったら今頃死んでおったぞ?」
「そうそう、私達はチームなんですからね」
開放されたタクマ達が、そう全てが終わったと思い笑っていると、メア達を閉じ込めていた場所に居た警備ロボ達が立ち上がった。
「まだ生きてたかっ!」
「しつこい野郎は嫌われるぞ」
タクマ達は、一度しまった武器を構え後退する。
すると、タクマ達に近づいて来る警備ロボの装甲が、バラバラと剥がれ落ちていった。
「何じゃと……」
「そんな……」
「どこまでも趣味の悪い事しやがる……」
タクマ達は、その正体に驚いた。
なぜなら、その警備ロボの中から……
ビーグの部下らしき男達が顔を表したのだからだ。
タクマは、どうにかしてでもメア達も助けようと考えながら剣を振る。
だが、敵の数に圧倒されて、タクマは左太ももに敵のレーザー攻撃を食らってしまった。
ちょっと酷い火傷程度だが、穴を開けられたかのような激痛が走る。
だけどここで、その激痛程度でぎゃーぎゃー騒いでいては殺される。
「こっちは質、あっちは量で攻めているようじゃな……」
「ダメです、私の馬鹿力でも倒れません!」
まずい、このままでは本当に殺される……
考えろ、何かあるはずだ。
タクマは剣を振りながら考えた。
大体コツが掴めたようで、次から次へと襲って来る警備ロボの首を袈裟斬りで切り倒していく。
するとその時、タクマのポケットから何かが落ちた。
石炭みたいな黒い石、水砲石だ。
だが、落としたせいで警備ロボの大群の中に入ってしまった。
「しまった……!」
タクマはその落としたものを拾おうと、自ら大群の中へと潜り込む。
しかし、数が多すぎる。
斬り倒しても斬り倒しても、どっかから増えてきているようでキリがない。
「クソっ、あと少しなのに届かないっ……!」
タクマは必死で腕を伸ばす。
しかし、大群の中に来ていたせいで、頭部に警備ロボのレーザー銃を向けられる。
でもここで死ぬ訳には行かない、ビーグさんの部下を助けるんだ!
「だぁぁぁぁっ!!」
自然と体が動き、敵の足に回転斬りを与えていた。
警備ロボ達は足を失って倒れ、次第にロボ達は機能停止していく。
だが、それでも敵が減る気配は一向にない。
「はぁっ!そこじゃっ!!」
「これでも食らってくださいっ!!」
メアとノエルも、自慢の投げナイフや毒瓶などで応戦していた。
しかし、それらは装甲をちょっと溶かす程度、小さな傷を作ることしかできなかった。
ダメージが通っているのかすら怪しい。
『侵入者、排除スル!』
「されるかっ!!」
メアは、投げナイフを小刀のようにして首に突き刺す。
しかし、警備ロボは特に何事もなかったかのようにそれを引き抜き、床に投げ捨てた。
しかも、そうしている間に、他の四体も剣を持って襲いかかってくる。
「くぅ、こうなれば仕方あるまいっ!!」
「メ、メアさん!?何か思い付いたんですか?」
「あぁ、何だかよく分からぬが、修行の時のビジョンがビビっと来たわい!」
「とにかくノエル、そいつらの目を引きつけといてくれ!」
「はいっ!!」
メアはそう言いながら、《メガ・ドゥンケル》を放ち、一旦警備ロボを吹き飛ばした。
そして、タクマに「水砲石を貸すのじゃっ!!」と叫んだ。
「分かった!受け取れっ!!」
タクマは攻撃して来る警備ロボの攻撃を掻い潜りながら、メア達の居る檻に水砲石を投げた。
「よっ、と」
「一体それでどうするんですか?こっちはもう持ちません!」
ノエルは五体の攻撃を杖で防御しているが、完全に押されている。
そこに、メアは水砲石の力で 《ウォーター》を放った。
その威力で、三体だけは吹き飛び、メアの足元が水浸しになる。
「どっせいっ!!……ですが、これでどうするんですか?」
ノエルは警備ロボを力づくで蹴り飛ばし、これから何をするのか訊いた。
「フッフッフ、まずこっちの方は完璧じゃ」
そう不気味な感じで喋った後、メアはタクマが戦っている方にも《ウォーター》を放った。
それによりタクマも巻き添えをくらい、警備ロボと一緒に吹き飛ばされ、水浸しになる。
「メアお前、何すんだっ!!」
「とにかくノエル、タクマ!妾が3つ数えたと同時に飛んで、天井の糸を掴み、ノエルは水に向かって《サンダー》を撃つのじゃ!」
「成る程、この水はあの時の」
「とにかく時間はない、行くぞ……」
メアはそれだけを言い、ゆっくりと数えた。
1でタクマの方の警備ロボがまた動き出す。
2でメア達の警備ロボが飛びかかり、ノエルが杖に魔力を溜めた。
そして……
「3っ!!今じゃっ!!」
メアの掛け声と同時に、タクマ達は飛び、天井に垂れ下がっている短いケーブルを掴んだ。
そして、ノエルは水浸しになっている床に向けて《サンダー》を放った。
『ガガ……ピー!エネルギー、逆流!キケン!キケン!』
「やりましたか……?」
サンダーによる感電で、すべての警備ロボから煙が上がる。
そして、それと同じようにして、周りの機械的な壁からも煙が上がる。
これはマズい、そんな事は言わなくても分かる。が、特に爆発などを起こす訳でもなく、警備ロボ達はバタバタと倒れていく。
そして、タクマ達を閉じ込めていた檻が上がった。
「ありがとよ、メア」
「全く、もしお主が妾達置いて、一人で背負って行っておったら今頃死んでおったぞ?」
「そうそう、私達はチームなんですからね」
開放されたタクマ達が、そう全てが終わったと思い笑っていると、メア達を閉じ込めていた場所に居た警備ロボ達が立ち上がった。
「まだ生きてたかっ!」
「しつこい野郎は嫌われるぞ」
タクマ達は、一度しまった武器を構え後退する。
すると、タクマ達に近づいて来る警備ロボの装甲が、バラバラと剥がれ落ちていった。
「何じゃと……」
「そんな……」
「どこまでも趣味の悪い事しやがる……」
タクマ達は、その正体に驚いた。
なぜなら、その警備ロボの中から……
ビーグの部下らしき男達が顔を表したのだからだ。
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