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第七章
10 密告
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☆
ラクイナミューネがこの国を去った数ヶ月後、一人の男が謁見を申し込んできた。
その男は乳児の遺骨を持って来た。
「この遺骨はシャルロット王女の物です」と男は言った。
俺は慎重に話を聞いた。
「国王陛下と王妃が守ろうとした姫は、あの時、一緒に亡くなったのです。その遺体を私が動かしました。そうして、ボシシオン王国の娘を置き去りにしたのです。盗賊の娘です」
信じがたい言葉だった。
国王陛下崩御の報せを聞いたとき、すぐに兵を引き、押し寄せるボシシオン王国の兵士を倒しに行った。
そうして、助けたのがシャルロットだった。
倒れている両親の隣に、赤子が眠っていた。
その子がシャルロットだと思って連れ帰った。
だが、しかし違和感はあったのは確かだった。
シャルロットが着ていた肌着ではなかった。
着ていたはずのドレスを身につけていなかった。
顔が同じか誰も判断できなかった。
まだ生まれたばかりの赤子で、乳母も首を傾げていた。
けれど、両親の亡骸の側に横たわっていたのならば、我が妹だと思ったのだ。
シャルロットはすくすく育っていった。
「何故それを今になって報告に来たのだ?」
「私の妻がボシシオン王国の王宮に捕らわれていたのです。妻の命と引き換えに、私は王家の指示に従い赤子の入れ替えをしました。妻が病気になった事でやっと王家から妻を取り戻す事ができましたので、こうして懺悔に参りました」
男はひれ伏していた。
どんな罪も受けようと覚悟してきているのが分かる。
俺は男を解放した。
男の行方は、影に探らせた。
男の家には、窶れた妻が床に臥せっていたという。
帰ってきた男を見た妻は、しゃくり上げ謝罪をしていたと報告があった。
疑う事ができなくなった。
シャルロットが10歳を迎える前から、異国の影が、シャルロットに接触していると、俺の影が報告してきた。
異国の影は、俺を殺せと指示を出しているようだった。
けれど、シャルロットは俺に懐いていた。
もし、異国の娘であったとしても、素直でいい子に育ってくれたら、それでいいと思った。
両親が命をかけて助けたと思えば、愛せた。
だが、しかし、影との接触は一度や二度ではなかったようだ。
俺の影の一人が、異国の影を追いかけた。
その影は、ボシシオン王国の王家の宮殿に入っていったと言う。
異国の影は、シャルロットの寝室に現れ、出自の事も教えたらしい。
けれど、幼いから理解できていないと信じていた。
影からの報告を聞く度に、愛おしいシャルロットが悪に染まっていくような、嫌な予感していた。
俺の影には異国の影が現れたら、接触させるなと指示を出した。
だが、しかし、とうとうシャルロットは、俺に刃物を振り下ろしてしまった。
俺は信じていたかったのだ。
悔しさが湧き上がる。
それでも、万が一の事を考えて、俺は洋服の下に鉄板が仕込まれた洋服を身につけていた。
それを提案したのが、弟のエグジスタンスだ。
弟は、シャルロットを信頼していなかった。
10歳はもう幼子ではないと言い放った。
男が訪ねてきたときに、話された内容を信じて、遺骨を受け取っていた。
それを慎重に調べていった。
小さな遺骨が包まれていたのは、血が変色して染みついたベビードレスと下着で、ドレスと下着にはシャルロットの名前が刺繍されていた。
疑いようもない状態だった。
そうして、人知れず、両親の墓の隣に埋葬したのだ。
石碑にはシャルロットと書かれている。
ただ、俺は妹としている、シャルロットを信じたかったのだ。
ラクイナミューネがこの国を去った数ヶ月後、一人の男が謁見を申し込んできた。
その男は乳児の遺骨を持って来た。
「この遺骨はシャルロット王女の物です」と男は言った。
俺は慎重に話を聞いた。
「国王陛下と王妃が守ろうとした姫は、あの時、一緒に亡くなったのです。その遺体を私が動かしました。そうして、ボシシオン王国の娘を置き去りにしたのです。盗賊の娘です」
信じがたい言葉だった。
国王陛下崩御の報せを聞いたとき、すぐに兵を引き、押し寄せるボシシオン王国の兵士を倒しに行った。
そうして、助けたのがシャルロットだった。
倒れている両親の隣に、赤子が眠っていた。
その子がシャルロットだと思って連れ帰った。
だが、しかし違和感はあったのは確かだった。
シャルロットが着ていた肌着ではなかった。
着ていたはずのドレスを身につけていなかった。
顔が同じか誰も判断できなかった。
まだ生まれたばかりの赤子で、乳母も首を傾げていた。
けれど、両親の亡骸の側に横たわっていたのならば、我が妹だと思ったのだ。
シャルロットはすくすく育っていった。
「何故それを今になって報告に来たのだ?」
「私の妻がボシシオン王国の王宮に捕らわれていたのです。妻の命と引き換えに、私は王家の指示に従い赤子の入れ替えをしました。妻が病気になった事でやっと王家から妻を取り戻す事ができましたので、こうして懺悔に参りました」
男はひれ伏していた。
どんな罪も受けようと覚悟してきているのが分かる。
俺は男を解放した。
男の行方は、影に探らせた。
男の家には、窶れた妻が床に臥せっていたという。
帰ってきた男を見た妻は、しゃくり上げ謝罪をしていたと報告があった。
疑う事ができなくなった。
シャルロットが10歳を迎える前から、異国の影が、シャルロットに接触していると、俺の影が報告してきた。
異国の影は、俺を殺せと指示を出しているようだった。
けれど、シャルロットは俺に懐いていた。
もし、異国の娘であったとしても、素直でいい子に育ってくれたら、それでいいと思った。
両親が命をかけて助けたと思えば、愛せた。
だが、しかし、影との接触は一度や二度ではなかったようだ。
俺の影の一人が、異国の影を追いかけた。
その影は、ボシシオン王国の王家の宮殿に入っていったと言う。
異国の影は、シャルロットの寝室に現れ、出自の事も教えたらしい。
けれど、幼いから理解できていないと信じていた。
影からの報告を聞く度に、愛おしいシャルロットが悪に染まっていくような、嫌な予感していた。
俺の影には異国の影が現れたら、接触させるなと指示を出した。
だが、しかし、とうとうシャルロットは、俺に刃物を振り下ろしてしまった。
俺は信じていたかったのだ。
悔しさが湧き上がる。
それでも、万が一の事を考えて、俺は洋服の下に鉄板が仕込まれた洋服を身につけていた。
それを提案したのが、弟のエグジスタンスだ。
弟は、シャルロットを信頼していなかった。
10歳はもう幼子ではないと言い放った。
男が訪ねてきたときに、話された内容を信じて、遺骨を受け取っていた。
それを慎重に調べていった。
小さな遺骨が包まれていたのは、血が変色して染みついたベビードレスと下着で、ドレスと下着にはシャルロットの名前が刺繍されていた。
疑いようもない状態だった。
そうして、人知れず、両親の墓の隣に埋葬したのだ。
石碑にはシャルロットと書かれている。
ただ、俺は妹としている、シャルロットを信じたかったのだ。
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