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8   花姫たちが襲われています

3   三人の秘め事

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「功美姉様に続いて、湖子姉様、小梅姉様がお戻りなって、火葬されたばかりなのに、今度は「琴美さんまでお戻りになりました」

 琴音が寂しそうに、花姫の屋敷で他の花姫たちと話している。

 今、この屋敷に残っている花姫は3人だ。


「酷い、お姿でした」


 木実が、辛そうに声にした。

 運ばれてきた棺は御嵩家の座敷に置かれて、ひっそりとした葬式が行われた。


「青龍様がお姿を見せて、『今年の花姫は、もう一年人間界で過ごすようする』と申していました」

 木実が青龍様の言葉を復唱した。

「唯は来なかったね?」

 胡桃は不満げに声を上げた。

「妊娠中ですもの。お体に障ると思われたのでしょう。胡桃姉様、唯様と呼ばれた方がいいですよ。青龍様の花嫁ですもの」

 年少の琴音が胡桃をたしなめる。

「小花姉様と古都姉様と小春姉様は元気かしら?」

 琴音は夏に花嫁に行った3人のことを案じていた。

「ここは大丈夫なのかな?」

「以前にここも襲われたとか。それ以来結界が強められているそうですよ」

「胡桃、琴音、今日は琴美さんのお別れの日です。お心残りでしょうから、転生できるように祈りましょう」

 木実は二人に声をかけて、各自の部屋に戻った。

 琴美の姿は、あまりにも酷かった。体のパーツが欠けていた。左の腕がなくなり、両足もなくなっていた。棺の縁に両足と左手が添えられていた。

 まるで逃げているところを襲われたような姿だった。

 着物を着せられた胸は不自然な形になっていた。触れてみると胸の膨らみはなくなっていた。


……
…………
………………


 胡桃は自分の胸に触れる。

 残された3人のうちで、一番胸は大きい。

 手で触れていると、蜜が溢れてくる。

 花姫の力はそれほど強い方ではないが、胸から蜜が溢れて出てくる。胸から蜜が溢れることに気付いたのは、夏に3人の花嫁が旅立った後からだ。

「胡桃、少しお邪魔してもいいかしら?」

 木実と胡桃は仲がよく、よく各自の部屋に行き来をしていた。

 付き人もそのことをよく知っているので、胡桃の付き人は木実がやってくると、部屋を開けてくれる。

「胡桃、ねえ、寝室にいるの?」

 襖を開けて、寝室に入ると、着物を着崩した胡桃が胸を晒していた。

「胡桃、何をしてるの?流れているのは何?」

「木実姉様、これはたぶん花姫の蜜です」

 胡桃が蜜を指で掬って、木実の口の中に入れる。

「あ、甘い」

「でしょう?木実姉様も胸に触れてみて、きっと蜜が出ますよ」

「嫌よ。自分で触るなんて」

「だったら、私がしてあげます」

 胡桃は木実を押し倒すと、胸をはだけた。

「ちょっとやめてよ」

 無理矢理手が忍び込んできて、胸を揉んでくる。

「やだってば」

「木実姉様は胸が小さいから出ないかもしれないわね」

「なんですって」

 コンプレックスを刺激され、木実は胡桃の手を掴むと胸から剥がした。

「自分でしてみるわ」

 木実は着物の中に手を入れて、胸を揉む。

「出ないわ」

「木実姉様、少し胸をみせて」

 木実は嫌そうな顔をしたが、胡桃にできて年上の自分ができないのが不満だった。

 胸元を緩めて、片胸を出した。

「お姉様、少し触りますね」

 胡桃は器用に両手を使って胸を揉むと、そのまま先端を口に含んだ。チュッと勢いよく吸われると、胸から突然蜜があふれ出した。

「お姉様、出ましたよ」

「わあ、ほんとだ」

「もう片方の胸も出してください」

「うん」

 木実は上半身の着物を脱いで胸を曝け出した。

 胡桃が、もう片方の胸を揉み、乳首の先端を勢いよく吸うと、もう片方の胸からも蜜が溢れて出てきた。

「お姉様の蜜はとても甘いです」

「どんな味がするのかしら?」

 木実は流れ出した胸の蜜を指に取ると、それを口に含む。

「蜂蜜みたいに甘いわね。胡桃のも飲ませて」

 木実は胡桃の胸を口に含む。

 口の中に甘い蜜が流れてくる。

「甘い。胡桃の蜜は量が多いのね」

「毎日触っていたら、だんだん増えてきたの。木実姉様も毎日触っていたら、きっとたくさん出てきますよ」

「琴音は知っているのかしら?」

「木実姉様が知らなかったのだから、きっと知らないと思うわ」

「琴音にも教えてあげましょうか?」

「そうよね。せっかく花姫なんだし。甘い物はほとんど口にできない生活をしているのだから、自給自足も大切だと思うの」

 胡桃はタオルを持ってくると、木実にタオルをわたした。

「胸に当てておくと、自然に止まるの」

 胡桃は胸にタオルをあてると、着物を着始めた。

 木実も同じようにして、着物を着直した。

「今から行きましょうか?」

「そうね」

 二人はベタつく手を洗うと、琴音の部屋を訪ねることにした。


……
…………
………………


 琴音の部屋には付き人が、きちんといて、琴音の話し相手になっていた。

「お話があるの。三人になれるかしら?」

 琴音は不安そうな顔をする。

「秘密の話があるの。これはたぶん花姫の体の秘密のこと」

「花姫の体の秘密ですか?」

「少しだけでいいから、三人で話をできない?」


 琴音は少し考えた後、付き人に「外で待っていて」と命じた。

 木実は琴音に「ちょっとこちらへ」と奥の寝室に琴音を誘った。

「少し、見ていて」

 ちょんちょんと胡桃をつつくと、胡桃は着物の上を緩めて、胸を晒した。

「何をなさるんですか?」

「いいから見ていて」

 胡桃が胸を揉み出すと、蜜が溢れてきた。

 両方の胸を揉み、蜜を流す。

「なんですか、これ?」

「たぶん、花姫の蜜よ」


 胡桃は蜜を指で掬うと、琴音の口にそっと入れた。

「あ、甘い」

「琴音はできる?」

「自分で触れたことはありません」

 木実も胸を晒し、胸を揉むと、蜜が溢れてきた。

「木実姉様も出るんですか?」

「さっきまでは出なかったんですけど、胡桃に出し方を教えてもらったの」

「私も出るんでしょうか?」

 琴音が着物の上から胸を揉む。

「そんな揉み方じゃ駄目よ。脱いでご覧なさい。出してあげる」

「でも、いいのかしら?」

「一人だけ、出なくてもいいの?」

 胡桃に言われて、琴音は困ったように「どうしよう」と口にした。

「私、まだ自分で着物が着られないの。脱いだら、着られない」

「そんなこと、私たちが着せてあげますよ」

 木実がクスクスと笑う。

「大丈夫よ、痛くはなかったし。むしろ気持ちがいいわ」

 木実に言われて、琴音は着物の上着を緩めた。

 直に胸に触れて揉んでみるが、やはり出なかった。

「私も自分で出せなかったの。胡桃が上手よ」

「琴音、触ってもいい?」

「うん。痛くしないでね」
「怖かったら目をつむっていてもいいのよ」

 胡桃は琴音の胸に触れる。

 琴音はじっと見ていた。

 緊張している琴音に微笑んで、胡桃は胸を揉む。

 よく解して、先端を口に含むと勢いよく吸った。

「あっ」

 琴音は小さな声を上げて、自分の胸をじっと見つめた。

「蜜が出たわ」

「もう片方の胸も出してあげる」

 胡桃は琴音の胸を揉み、また口に含んで勢いよく吸った。

 甘い蜜の味が美味しい。

「琴音の蜜の味、美味しいわ」

「みんなさんで味が違うの?」

「私、三人の胸を吸ったけど、どれも味が違ったわ」

 胡桃が自慢げに言うと、木実がじっと琴音を見つめる。

「琴音、吸わせてあげるから。吸わせて」

「え?」

「いいじゃない。こぼれているんだし」

「わかりました」

 琴音は正座をして、じっとしている。

 木実は琴音の胸を吸った。

「甘いわ。いい香りもするのね」

 胡桃も琴美の胸を吸う。

「美味しいわ。甘い香り」

 三人は順番に三人の胸を吸い、甘い蜜を飲んだ。

 部屋中に花の香りが満ちていく。

「いい香りね」

 甘い味に飢えていた三人は、何度も蜜を吸った。

 襖の向こうで、「琴音様」と付き人の声がするまで、蜜を吸い続けていた。

「はい。ちょっと待ってください。今、お話に夢中になってしまって」

 三人で急いで蜜で濡れた手を洗い、木実は自分の着物を着ると、琴音の着物も綺麗に着せた。

「木実姉様ありがとうございます。胡桃姉様もありがとうございます」

 琴音は丁寧に頭を下げた。

 木実が言ったように、体が気持ちよくなっていた。

 顔や体が火照る。

 琴音が襖を開けると甘い香りが部屋中に満ちて、付き人がビックリした顔をした。

「ではお邪魔しました」

 二人は出口の襖を開けて出て行った。甘い香りが部屋から外へ流れていった。


……
…………
………………


「なにやら甘い香りがするが?」

 鼻をくんくんさせながら、龍之介は唯の体のにおいをかいだ。

「何か匂いますか?」

「結界が薄くなっておるのか?」

 龍之介は唯への結界を強めると神殿と洞窟の結界も強くする。

 龍磨がまた動き出して、花姫を襲っている。

 今日運ばれた花姫で、連続四人目だ。他でも襲われているかもしれない。

「龍之介、夜分に邪魔をする」

 龍太郎が神殿に現れて声を上げた。

「父上か。洞窟の部屋のおる」

「急用だ。神殿に来てくれ」

 龍之介は唯の頬にキスをすると、「ここで待っておれ」と告げて、神殿に戻っていった。

「急に何か起きたか?」

「山や屋敷に花が咲き出した。唯さんに結界はしてあるな?」

「何重にもしてある。唯にも神殿にも洞窟にも。まだ足らんのか?」

「私の結界も張っておこう」

 龍太郎は神殿に何重にもかけて、洞窟にも結界を張る。

「唯さん、こんばんは。体の具合はどうかな?」

「9ヶ月に入りました」

 唯はにこにこと微笑んでいる。

 不安定になった唯のそばに、龍之介はほとんどつきっきりでいる。そのお陰か唯の精神も落ち着いてきた。神事は唯を連れて行っている。
 
 龍太郎は唯に何重も結界をかけて帰って行った。


……
…………
………………


 花姫の秘め事は、時間を問わず、行われるようになった。

 胡桃の部屋にこもり、三人とも着物を脱いで互いに吸い合った。

 吸えば吸うほどたくさん蜜が出て、甘くなる。花の香りも強くなる。

 その花のにおいに酔いながら、蜜を吸い続ける。
 
下半身が濡れてきて、胡桃は興味本位でそれを舐めた。

「あっ、もっと甘い」

どこがですか?」
 
 琴音が尋ねる。木実もじっと答えを待っている。

「大切な場所から出る蜜よ」

 胡桃は自分の秘所に触れると、垂れてきた蜜を掬って口に運ぶ。

「……そんなところ」

 琴音と木実はさすがに躊躇う。

「舐めないなら、私が舐めてもいい?」

 胡桃の手が伸びてきて、二人は下半身を覆おう。

「舐めるなら自分のものにしなさいよ」

「だって、舐めないんでしょ?捨ててしまうならもらってもいいよね?」

 胡桃はどこまでも貪欲だ。

 木実は躊躇いがちに、指で掬って、それを舐めた。

「あっ、甘い」

「木実姉様、本当ですか?」

「本当よ。胸より甘いわ」

 琴音は躊躇いがちに、指で蜜を掬った。

 口にして、そのまま「おいしい」と呟いた。

 下半身の蜜は、胸ほど出ない。

 結局三人は互いに胸を吸い合った。

 体中を蜜だらけにして、時間を忘れて淫蕩に耽った。

 御嵩家の屋敷も隣接する山々に花が咲き出した。

 花姫の屋敷は絶えず花の香りに満ちていた。


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