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5 転生転生
1 花姫の生る木
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唯が命をかけて守った龍之介の体は、すぐに癒えた。霊力もすぐに戻るほどの、凄まじい花姫の治癒能力だった。
「どうしてすべての力を使い切ってしまったのだ?」
唯は龍之介と結婚して龍之介と同じ不死の体を手に入れたはずだった。
龍磨に噛み切られた肩の傷は、抉れるように傷つき、血管が見えるほどの重傷だった。
子宮の中の赤子を引きちぎられた時の、唯の絶望を思うと助けられなかった自分が情けなく、神なのに自分の無力さに打ちのめされた。
血に染まった唯を清め、綺麗な着物を着せた。
唯が宿した赤子は男の子だった。
みのりが赤子を連れて、父の元に瞬間移動をして助けを求めたが、しばらくの間しか延命できなかった。
『この子は目が見えぬ。自力で呼吸もできぬ』と言われて、父は龍之介の前で霊力を送るのを止めた。唯が守ってきた赤子も守れなかった。
唯と赤子を寝室に寝かせ、唯を抱きしめて泣きづけていた。
父に説得されて、唯を火葬した後も、その遺骨に縋り付いて龍之介は泣いていた。
それほど唯は龍之介の大切な妻だった。
蕾を付けた瞬間に、妻にと思えるほどの霊力の強さと咲かせた美しく珍しいピンクの花に魅了された。
『文献によれば、花姫は転生すると書かれている。唯が生まれ変わるまで願ってみてはどうだ?』と父に説得され、子と一緒に亡骸を火葬した。
花を落とした万年桜の隣に植わる花姫の生る木の見える和室で、この頃は過ごしている。
唯の亡骸の近くにいたかった。
唯の亡骸を撒いた直後、「妻を」と願った。
小さな蕾をつけたが、唯の霊気ではない。蕾はすぐに花を付けたが、白い花だ。
「唯ではない」
落胆して、龍之介は唯と抱き合った和室に横になる。
心が癒えない龍之介の代わりに、神事は前青龍神社の生き神様、龍太郎が行っている。
唯が死んで五十年が経った頃、龍太郎に神事を代わるように命じられて、龍之介は神事に戻った。辰巳が龍之介の手伝いを行っている。
辰巳と千鶴には、子供が三人生まれた。女の子が二人と三人目に男の子が生まれたらしいが、辰巳は龍之介には言わない。龍之介も辰巳に何も言わない。
まだ唯の花が咲かない龍之介の心中は、神事を行っていても癒えてはいないからだ。
「龍之介、この願い事。その隣の願い事と反対だ」
「直しておいてくれ」
霊気をなくした龍磨は、山の祠で眠りについたらしい。
今度姿を見せたら、殺してやるつもりでいる龍之介だ。
父の龍太郎に謝られたが、謝罪で終わらせるつもりはない。
唯は龍之介と結婚して神になった。神殺しだ。神殺しの処罰は死刑だ。
今、祠を壊して、殺しに行かないのは、生きたまま殺したいと思っているからだ。
100年後、必ず龍磨を殺す。
復讐のために、龍之介は生きる気力を取り戻した。
80年経っても、唯の花はつけない。
辰巳には、また子供が生まれた。男の子が三人生まれて、先に生まれた子は、花姫を嫁にもらい神のいなくなった祠に移っていった。
90年後龍太郎に「そろそろ諦めて花姫と結婚したらどうだ?」と言われ、龍之介は怒り狂い、その年、地域に大きな災害を起こした。その怒りを見た龍太郎は、龍之介に詫びた。
99年が経ったとき、龍之介は泣きながら花姫の生る木に縋り付き「唯を」と願った。
木に蕾がついたとき、懐かしい霊気がした。
すぐに花が咲いた。ピンクの花だ。
花を付けなくなっていた万年桜が花を付けた。
御嵩家の敷地や近辺の山の木に桜の花がつきだした。
龍之介は、すぐにその花に結界を張った。万年桜の花も山々の花もそのまま散った。
「唯、目覚めたか」
唯の目覚めを誰にも知られたくはない。
秘密に実をならせ、秘密に育てたい。誰にも危害を与えられないように。
「会いたかったぞ、唯。綺麗に実れ」
龍之介は神事が終わると、花姫の生る木の見える座敷で過ごしていた。
「無事に生まれてこい」
100年目に唯の実は龍之介の手でもがれた。
大きなりんごのようなピンクの実を慎重に半分に割ると、100年前に別れた時と同じ顔をした唯が小さな体を丸くさせ眠っていた。
「唯、お帰り。今度こそ守ってみせる」
そっと絹の布に包むと、最初に唯を育てた親鳥を呼び寄せた。ベテランの親鳥だ。いい子に育ててくれるだろう。
親鳥は唯の顔を見て、「唯様」と声を上げた。龍之介は人差し指を唇の上に立てた。親鳥は龍之介に深く頭を下げる。
「どうか唯を頼む」
「大切に育てます」と告げて、親鳥は人間界に下りていった。
龍之介は龍神の目で唯を見守り続けた。
唯が生まれた日、龍磨が祠から出てきて、飛んで逃げた。
その姿を龍太郎は見ていた。
龍之介も我が子、龍磨も我が子だ。龍磨が行ったことは、神としてやってはならない重罪だ。兄の妻と子を殺したのだから。本当は父親として、龍磨を処刑しなくてはならないが、それができずにいた。
祠から出てきた龍磨の鱗は、まだ元には戻っていなかった。血こそ流していなかったが、やっと生きている、そんな状態だった。その姿を見て、龍太郎は我が子を殺すことができなかった。
龍之介がすぐに祠に来たが、出て行った後だった。龍之介は怒り、三日三晩嵐が起きた。
その日から、花姫が突然姿を消す事件が起き始めた。
部屋が足らないほどいた花姫の数は、一気に半分に減った。
龍太郎と姫奈は、心を痛めていた。
花姫の屋敷からは龍磨の霊気を感じた。
「龍磨が花姫を食べている」
龍磨は唯の血肉を口にして、その甘美な甘さとおいしさを知ってしまった。龍磨は神から鬼に変貌しているのかもしれないと思った。
龍之介も同じ事を考えていた。
「父上、花姫が浚われているのをご存じですか?」
「ああ、知っている」
「花姫の屋敷に龍磨の霊気が残っています。あいつの仕業です」
「すまない龍之介。あの子が祠で眠っている間に、殺してしまうべきだった」
「これ以上、花姫を食べられては困る」
「私は、龍磨の捜索をしよう」
龍太郎は青龍の姿に戻ると、日本中に龍磨のことを伝え、捜索を始めた。
日本中に花嫁に行った花姫が浚われる事件も起き出した。
神々が妻を亡くし嘆いている。
日本各地に災害が起き始めた。
妻を殺された神々は、龍磨に復讐をと探し始めている。
(唯が16歳になるまでに、龍磨を始末しなくては)
龍之介は花姫の警護を厳重にさせ、花嫁の屋敷に結界を張り龍磨の襲撃に備えたが、龍磨を探し出すことはできなかった。
唯への結界は何重にもかけた。
すくすくと唯は育っていった。
素直で可愛い、純粋な心を持つ優しい子に育っていた。
顔立ちは、以前のままだ。
今度の唯はお洒落だ。長い髪を自在に結い、愛らしく飾っている。
お茶や華道を習うときは、和服を身につけている。
水泳や舞踊を習っている。
以前のように歌声が聞こえないのは残念だが、それでも熱心に習い事を習い、家事も手伝っているようだ。
母鳥に料理を習い、裁縫も習っている。
文献は正しかった。転生は起きる。
龍之介は姿を消して、何度も唯に会いに行った。
100年経ち、世の中は変わっている。
以前より近代的になり、建物も高いビルが建ち、家も便利になっている。唯が身につけている服も可愛らしい。
「龍之介、あれは唯ではないか?」
「辰巳つけてきたのか?秘密にしていろよ」
「100年か、長かったな」
「今日で110年だ」
二人の龍神は気配を消して唯を観察し、龍道を飛んで帰って行った。
「どうして秘密にしていた?」
「今度こそ、唯を守るためだ」
「自分一人で背負い込むな。何のためにこの私がいると思っている」
「だったら、龍磨の暗殺を手伝ってくれ」
「花姫は、あれから浚われているのか?」
「日本中に花嫁に行った花姫が浚われ食い殺されている」
「鬼になったか?」
「おそらく。あいつは唯の血肉を口にしている」
辰巳は難しい顔をしている。
「他人事ではないな。うちの千鶴も危ないのか?」
「そうだな。結界は厳重に張っておけ。あと6年だ。唯が16歳になるまで。それまでに始末したい」
「どうしてすべての力を使い切ってしまったのだ?」
唯は龍之介と結婚して龍之介と同じ不死の体を手に入れたはずだった。
龍磨に噛み切られた肩の傷は、抉れるように傷つき、血管が見えるほどの重傷だった。
子宮の中の赤子を引きちぎられた時の、唯の絶望を思うと助けられなかった自分が情けなく、神なのに自分の無力さに打ちのめされた。
血に染まった唯を清め、綺麗な着物を着せた。
唯が宿した赤子は男の子だった。
みのりが赤子を連れて、父の元に瞬間移動をして助けを求めたが、しばらくの間しか延命できなかった。
『この子は目が見えぬ。自力で呼吸もできぬ』と言われて、父は龍之介の前で霊力を送るのを止めた。唯が守ってきた赤子も守れなかった。
唯と赤子を寝室に寝かせ、唯を抱きしめて泣きづけていた。
父に説得されて、唯を火葬した後も、その遺骨に縋り付いて龍之介は泣いていた。
それほど唯は龍之介の大切な妻だった。
蕾を付けた瞬間に、妻にと思えるほどの霊力の強さと咲かせた美しく珍しいピンクの花に魅了された。
『文献によれば、花姫は転生すると書かれている。唯が生まれ変わるまで願ってみてはどうだ?』と父に説得され、子と一緒に亡骸を火葬した。
花を落とした万年桜の隣に植わる花姫の生る木の見える和室で、この頃は過ごしている。
唯の亡骸の近くにいたかった。
唯の亡骸を撒いた直後、「妻を」と願った。
小さな蕾をつけたが、唯の霊気ではない。蕾はすぐに花を付けたが、白い花だ。
「唯ではない」
落胆して、龍之介は唯と抱き合った和室に横になる。
心が癒えない龍之介の代わりに、神事は前青龍神社の生き神様、龍太郎が行っている。
唯が死んで五十年が経った頃、龍太郎に神事を代わるように命じられて、龍之介は神事に戻った。辰巳が龍之介の手伝いを行っている。
辰巳と千鶴には、子供が三人生まれた。女の子が二人と三人目に男の子が生まれたらしいが、辰巳は龍之介には言わない。龍之介も辰巳に何も言わない。
まだ唯の花が咲かない龍之介の心中は、神事を行っていても癒えてはいないからだ。
「龍之介、この願い事。その隣の願い事と反対だ」
「直しておいてくれ」
霊気をなくした龍磨は、山の祠で眠りについたらしい。
今度姿を見せたら、殺してやるつもりでいる龍之介だ。
父の龍太郎に謝られたが、謝罪で終わらせるつもりはない。
唯は龍之介と結婚して神になった。神殺しだ。神殺しの処罰は死刑だ。
今、祠を壊して、殺しに行かないのは、生きたまま殺したいと思っているからだ。
100年後、必ず龍磨を殺す。
復讐のために、龍之介は生きる気力を取り戻した。
80年経っても、唯の花はつけない。
辰巳には、また子供が生まれた。男の子が三人生まれて、先に生まれた子は、花姫を嫁にもらい神のいなくなった祠に移っていった。
90年後龍太郎に「そろそろ諦めて花姫と結婚したらどうだ?」と言われ、龍之介は怒り狂い、その年、地域に大きな災害を起こした。その怒りを見た龍太郎は、龍之介に詫びた。
99年が経ったとき、龍之介は泣きながら花姫の生る木に縋り付き「唯を」と願った。
木に蕾がついたとき、懐かしい霊気がした。
すぐに花が咲いた。ピンクの花だ。
花を付けなくなっていた万年桜が花を付けた。
御嵩家の敷地や近辺の山の木に桜の花がつきだした。
龍之介は、すぐにその花に結界を張った。万年桜の花も山々の花もそのまま散った。
「唯、目覚めたか」
唯の目覚めを誰にも知られたくはない。
秘密に実をならせ、秘密に育てたい。誰にも危害を与えられないように。
「会いたかったぞ、唯。綺麗に実れ」
龍之介は神事が終わると、花姫の生る木の見える座敷で過ごしていた。
「無事に生まれてこい」
100年目に唯の実は龍之介の手でもがれた。
大きなりんごのようなピンクの実を慎重に半分に割ると、100年前に別れた時と同じ顔をした唯が小さな体を丸くさせ眠っていた。
「唯、お帰り。今度こそ守ってみせる」
そっと絹の布に包むと、最初に唯を育てた親鳥を呼び寄せた。ベテランの親鳥だ。いい子に育ててくれるだろう。
親鳥は唯の顔を見て、「唯様」と声を上げた。龍之介は人差し指を唇の上に立てた。親鳥は龍之介に深く頭を下げる。
「どうか唯を頼む」
「大切に育てます」と告げて、親鳥は人間界に下りていった。
龍之介は龍神の目で唯を見守り続けた。
唯が生まれた日、龍磨が祠から出てきて、飛んで逃げた。
その姿を龍太郎は見ていた。
龍之介も我が子、龍磨も我が子だ。龍磨が行ったことは、神としてやってはならない重罪だ。兄の妻と子を殺したのだから。本当は父親として、龍磨を処刑しなくてはならないが、それができずにいた。
祠から出てきた龍磨の鱗は、まだ元には戻っていなかった。血こそ流していなかったが、やっと生きている、そんな状態だった。その姿を見て、龍太郎は我が子を殺すことができなかった。
龍之介がすぐに祠に来たが、出て行った後だった。龍之介は怒り、三日三晩嵐が起きた。
その日から、花姫が突然姿を消す事件が起き始めた。
部屋が足らないほどいた花姫の数は、一気に半分に減った。
龍太郎と姫奈は、心を痛めていた。
花姫の屋敷からは龍磨の霊気を感じた。
「龍磨が花姫を食べている」
龍磨は唯の血肉を口にして、その甘美な甘さとおいしさを知ってしまった。龍磨は神から鬼に変貌しているのかもしれないと思った。
龍之介も同じ事を考えていた。
「父上、花姫が浚われているのをご存じですか?」
「ああ、知っている」
「花姫の屋敷に龍磨の霊気が残っています。あいつの仕業です」
「すまない龍之介。あの子が祠で眠っている間に、殺してしまうべきだった」
「これ以上、花姫を食べられては困る」
「私は、龍磨の捜索をしよう」
龍太郎は青龍の姿に戻ると、日本中に龍磨のことを伝え、捜索を始めた。
日本中に花嫁に行った花姫が浚われる事件も起き出した。
神々が妻を亡くし嘆いている。
日本各地に災害が起き始めた。
妻を殺された神々は、龍磨に復讐をと探し始めている。
(唯が16歳になるまでに、龍磨を始末しなくては)
龍之介は花姫の警護を厳重にさせ、花嫁の屋敷に結界を張り龍磨の襲撃に備えたが、龍磨を探し出すことはできなかった。
唯への結界は何重にもかけた。
すくすくと唯は育っていった。
素直で可愛い、純粋な心を持つ優しい子に育っていた。
顔立ちは、以前のままだ。
今度の唯はお洒落だ。長い髪を自在に結い、愛らしく飾っている。
お茶や華道を習うときは、和服を身につけている。
水泳や舞踊を習っている。
以前のように歌声が聞こえないのは残念だが、それでも熱心に習い事を習い、家事も手伝っているようだ。
母鳥に料理を習い、裁縫も習っている。
文献は正しかった。転生は起きる。
龍之介は姿を消して、何度も唯に会いに行った。
100年経ち、世の中は変わっている。
以前より近代的になり、建物も高いビルが建ち、家も便利になっている。唯が身につけている服も可愛らしい。
「龍之介、あれは唯ではないか?」
「辰巳つけてきたのか?秘密にしていろよ」
「100年か、長かったな」
「今日で110年だ」
二人の龍神は気配を消して唯を観察し、龍道を飛んで帰って行った。
「どうして秘密にしていた?」
「今度こそ、唯を守るためだ」
「自分一人で背負い込むな。何のためにこの私がいると思っている」
「だったら、龍磨の暗殺を手伝ってくれ」
「花姫は、あれから浚われているのか?」
「日本中に花嫁に行った花姫が浚われ食い殺されている」
「鬼になったか?」
「おそらく。あいつは唯の血肉を口にしている」
辰巳は難しい顔をしている。
「他人事ではないな。うちの千鶴も危ないのか?」
「そうだな。結界は厳重に張っておけ。あと6年だ。唯が16歳になるまで。それまでに始末したい」
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