13 / 50
4 共有されてもいいですか?
3 共有
しおりを挟む羽を抜くと精子が吹き出してきた。
予想していたのか、響介はタオルでそれを受け止めた。
「怖かったな」
「僕も悪かったんだ。初めは優しかったんだ。だけど、僕が響ちゃんと比較したから。きっとそれで怒らせた」
「どうして抱かれたんだ?」
「お風呂に入ってたら、亜稀も入ってきて抱きしめられたんだ。平等に愛してって言われた。僕は響ちゃんも亜稀も好きだから、どちらかを切り捨てることはできない。だったら、二人に共有されても仕方ないと思えたんだ。僕は間違ってた?」
「奈都は亜稀も受け入れようとしたのか?」
「響ちゃんは嫌だった?」
「僕は奈都を独り占めにしたい」
「響ちゃんごめん」
奈都はまた泣き出した。
響介の部屋の寝室にあるカウチに、奈都は寝かされていた。
「叩かれた頬は痛くない?」
「少し痛い」
響介の手が頬に触れてくる。
「湿布貼るか?」
「大丈夫」
「手のしびれは取れてきた?」
「うん」
「少し体を見せて、怪我してないか調べたいんだ」
「うん」
奈都は目を閉じて足を開いた。
響介は奈都の男性器を掴んで、手を這わせて、傷がないか見ていく。
「ここは先端に刺されただけ?」
「うん」
響介は奈都のそこを口にくわえた。
「響ちゃん」
飴をなめるように先端に舌があたる。
「あ、あああっ」
先端を突かれて、吸われる。奈都の小さな欲望は、すぐに蜜を溜める。
「響ちゃん、放して。出ちゃう」
奈都の全部が響介の口の中に入ってしまう。
射精を促すように先端を吸われて、亜稀は弾けた。
奈都のものを飲んで、口から出すと、響介は奈都の顔をじっと見た。
「痛くなかったか?」
「うん」
「尿道に傷ができてたらしみると思う。痛かったら早めに言いなさい」
「わかった」
掌が小さな睾丸に触れる。
「ここは何かされた?」
「なにも」
「よかった」
優しい手が小さな睾丸を撫でて、そのまま下に降りていく。
小さな女性器のすべてにキスをした。
「あああっ」
初めに抱かれたときのように舌が襞を捲っていく。
「痛かったら言いなさい」
「うん」
舌先が襞を捲ると、クリトリスに触れる。
体がびくりと震える。
少し痛いが、それ以上に感じる。
「響ちゃん、おかしくなる」
舌先がクリトリスから離れて、小さな穴に触れる」
「響ちゃん、だめ。亜稀の精液洗ってない」
奈都は響介の肩を押した。
「奈都以外の味がする」
「響ちゃん、ごめん。お風呂に入ってくる」
横になっていたカウチから足を下ろす。
身につける服はなかった。
学校から帰ってきてから、ずっと裸だ。
静かに立ち上がると、背後から響介が抱きしめてきた。
掌が小さな胸を包んでいる。
「奈都が亜稀を受け入れるなら、僕も亜稀を受け入れる」
「うん。少し考えたい。あんな抱かれ方は嫌だ。響ちゃんみたいに優しく抱いてくれるなら、受け入れるつもりだったけど」
「亜稀を見捨てるのか?」
「それもできない」
「奈都、お風呂一緒に入ろう。ピンポン球が入ったままなんだろう?」
「自分じゃ取れないかな?」
「僕の指の方が長いし、奈都の体を一番知ってる」
「お風呂は一人で入りたい。あとで取って」
奈都は裸のまま響介の部屋を出て、自分の部屋に戻った。引き出しからパジャマを出すと、お風呂場に向かった。
水風呂だったお風呂が、温かなお湯が溜められていた。
バラの香りの入浴剤が入れられ、お湯が薄いピンク色に変わっていた。
「亜稀」
亜稀なりの謝罪なのだろう。
体を流すと、手首がしみた。
バスチェアーに座って、手鏡で秘部を見る。
いつも小さな粒のようなクリトリスが赤く充血して腫れていた。触れると少し痛い。小さな穴は、いつもより開いていた。指を入れると、白い液体が出てくる。亜稀の精液だ。
一番長い中指を中に入れていく。指先に堅い物があたる。ピンポン球だ。掻き出そうとするが、指先で球が転がるだけで、取れそうもない。
シャワーを出して、亜稀の精液を綺麗に流す。膣の中に温かなお湯が入るのも慣れてしまった。
お尻に指を入れると、やっぱり白い液体が流れてくる。
粘り気のある液体は精液だ。
シャワーをあてて、お尻の中も洗う。
その二カ所を洗った後に、体中を洗っていく。
コンビニで男に襲われかけた時は、泣くほど気持ちが悪く。何度洗っても綺麗になった気がしなかったが、亜稀に抱かれて、あのときのような不快感はない。
ただ、悪戯は怖かったし、あんな抱かれ方は二度と嫌だ。
体を洗ったあと、亜稀がはってくれたお湯に入る。
熱すぎず温すぎない適温だ。
「ピンポン球どうしよう」
響介に取ってもらうのも恥ずかしい。
けれど、このまま放置は体に悪いだろう。
お湯の中で穴に手を入れる。
二本の指を入れて、挟んで出そうと球を掴むが、滑って球は逃げていく。
指が内壁に包まれて動かすこともできない。
「亜稀のばか」
諦めて、指を抜く。
膝を抱えて、お湯に浸かる。
「平等に愛するって、どうしたらいいんだろう」
亜稀は奈都の体を求めている。
たくさんいた彼女と別れて、今は響介に抱かれている奈都を、優しく守ってくれている。
毎日、一緒に登下校するのも楽しいし、亜稀が手を引いてくれるのも嬉しい。
(亜稀の事も好きなんだよ。響ちゃんに抱かれてても)
いい香りのする入浴剤も嬉しい。
(家にはなかった。買いに行ってくれたのかな?)
体から力を抜くと、お風呂のお湯に潜った。
髪がゆらゆら揺れるのも、体に感じる水圧も全部気持ちがいい。
奈都はプールには行ったことがない。
両親が、奈都がプールに行くのを止めていた。
学校の授業も、いつも見学だった。
今ではその理由もわかる。
秘密を暴かれるのを避けたかったのだろう。
頭の傷も水に濡れると、見えてしまう。
人に指摘されるのも嫌だった。
だからお風呂が、奈都のプールだった。
「奈都?お風呂長いよ。ご飯だよ。お風呂開けるよ」
扉が開いた。
「奈都溺れてるのか?」
亜稀の声もお風呂が開いたことに気づかなかった。
お風呂の中に両手が入ってきて、奈都はビックリして、湯船の中で足を滑らせた。
頭が湯船の下まで沈んで、足が浮き上がる
「奈都っ」
両脇に手を入れられ、引き上げられる。
咳き込む奈都を、亜稀が抱きしめてきた。
「お風呂で溺れるなよ。心配でお風呂も見張りたくなる」
「亜稀の手にビックリしたんだよ」
「奈都のばか、溺れてる奈都を見る方がビックリするよ」
「でも溺れたのはほんと。足が滑った。助けてくれてありがとう」
「奈都」
亜稀の唇が奈都の唇に重なる。
触れるだけの、優しいキスだ。
「今日はごめん。奈都を抱いてるうちに悪戯したくなったんだ。もう絶対にしないから」
亜稀の頬は、響介に殴られて赤く腫れていた。
「エッチを?」
「悪戯を。だからまた抱かせて。響介と俺を平等に愛して」
「亜稀」
亜稀の体を押して、体を離す。
「今はしたくない」
「今はご飯だよ。呼びに来たら溺れてるからビックリした」
「着替えたら行くから。先に行っていて」
「また溺れるなよ」
「うん」
亜稀はもう一度触れるだけのキスをして、浴室を出て行った。
「もう、亜稀の服、外着だった。せっかく綺麗に洗ったのに」
キスをした唇に触れて、顔が熱くなる。
奈都はもう一度お風呂に入って、亜稀の優しさを感じていた。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる