裸足のシンデレラ

綾月百花   

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第四章

11   円城寺の一族、冒険

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「美緒さん、おはよう。起きたって連絡が来たから会いに来たよ」

「おはよう、気分はどう?」

「おはようございます。恵麻さん、卓也さん。寝坊してしまってすみません」

「俺たちも、今日は寝坊した」

「卓也さんと恵麻さんも?」

「さっき、起きたばかりだよ」

「さすがに、昨日はけっこう歩いたからね」



 わたしは頷いた。



「わたしが負ぶさっていたから、卓也さん、余計に疲れましたよね?」

「美緒さんを負ぶって歩くくらいは、たいした事はないよ。むしろ役得?女の子に抱きつかれていたんだから」

「そんな……///」



 わたしは顔に熱が集まってくる。

 こんな貧弱な体のわたしでも女の子って、思ってもらえるんだ……。



「痛くない?」



 卓也さんはわたしの顔を覗き込んで、頭を撫でてきた。



「痛いです」

「そうだろうね」

「髪、跳ねていますか?」



 わたしは、自分で髪に指を通した。

 起きた後、トイレに連れて行ってもらって、顔を拭いてもらったけれど、髪はまだ梳かしていない。



「そんなことないよ」



 卓也さんと恵麻さんの後から、メイド服を着た女性が部屋に入ってきた。ガラガラと見たことのあるスーツケースを引いている。



「あっ……」

「美緒さんのスーツケースだよ」

「どうして?光輝さんが来たの?」



 わたしは扉の方を見た。けれど、扉はもう閉められて、外は見えない。

 会えると思う気持ちとまだ会いたくないという気持ちが、鬩ぎ合う。



「光輝さんは?」

「会いたかった?」

「……分からない。会いたいけど、会いたくない」

「それって、どっちだよ?」



 恵麻さんが呆れた顔をする。

 呆れられても、わたしも自分の気持ちが分からない。



「美緒さんの許可を得ずに申し訳ないけど、実は昨夜、美緒さんを迎えに来たけど帰ってもらったんだ。美緒さんは総帥から逃げてきたんでしょう?今、美緒さんは動けないから、総帥から逃げられない。だから、自分の意思で逃げられるようになるまで、帰さないって断ったんだ」

「……うん」

「駄目だった?すぐに会いたかったら、スーツケースにスマホが入っているって言っていたから、自分で電話して迎えに来てもらってもいいよ」

「駄目じゃないです。ありがとうございます。まだ会えないです」




 どんな顔で、光輝さんに会ったらいいか分からないし、何を話したらいいか分からない。

 光輝さんの所に帰っていいのかも分からない。



「そう言うと思ったんだ」



 卓也さんは、メイドからスーツケースを受け取ると、床に置いた。



「洗い物があるって言っていたけど、自分で出してくれる?洗濯してもらうよ」

「そんな、わたし、自分で」

「今は自分でできないでしょ?ここにいる間は甘えて」



 卓也さんは、わたしを抱き上げると、床に下ろした。



「着替えたら教えて、外で待っているよ」

「はい」



 二人は部屋から出て行って、メイドがスーツケースを開けてくれる。




「お嬢様、今は甘えてください。ここはご実家だと思ってください」

「実家では、こんないい待遇はされたことはないのよ」

「そうでございますか?失礼いたしました」

「いや、謝らないでください」



 わたしを抱き上げてくれるメイドは、ガッチリとした体つきで、丁寧にお辞儀をしてくれた。

 とてもお世話になっている人に、頭を下げさせるわけにいかない。



「頭を上げてください」



 わたしは、メイドの和美さんの足にしがみついた。

 困った顔をした和美さんは、わたしの横に腰を下ろした。



「お嬢様、着替えを出しましょう。洗濯物は多恵に渡してください」



 どうやらスーツケースを持って来てくれたメイドさんは多恵さんと言うらしい。



「多恵さん、お世話になります」



 多恵さんも屈んでくれている。

 こちらは華奢な体つきをしている。大と小という感じだ。



「こちらこそ、よろしくお願いします。お嬢様のお世話を和美と二人で任されました。何でもおっしゃってください」

「はい、お願いします」



 わたしは何度も頭を下げた。



「お洋服、お願いしますね」

「はい」



 わたしは、洗濯物を出して、多恵さんに預けて、今日、着る洋服を出した。



「では、ベッドに上げますよ」




 和美さんは、わたしを持ち上げた。

 レスリングをしていたという和美さんは、元々、この家の奥様の専属メイドらしい。

 警護を兼ねたメイドだと卓也さんが言っていた。

 その昔オリンピック候補で、旦那様がスカウトしたと教えてくれた。



「体も拭いましょうね」

「お願いします」



 わたしが浴衣を脱ぐと、背を背けてくれる。わたしが恥ずかしがるのを、もう知っているから、後ろを向いてくれる。

 自分で拭けるところだけ温かなタオルで拭って、胸元を脱いだ浴衣で隠す。



「お願いします」

「はい」



 和美さんは振り返り、わたしの手からタオルを受け取り、背中を拭いてくれる。



「御御足も拭きますね」

「すみません」



 丁寧に足を拭いてくれる。



「どうぞ、下着をお召しくださいね」

「ありがとうございます」



 多恵さんが新しい下着を渡して、背を向けた。

 足を拭かれている間に下着を着けて、洋服を着る。

 着るのが大変ではないワンピースを選んだ。

 桜子さんと一緒の時は、カットソーとスカートを着ていたけれど、ドレスコートがあるかもしれないかと思って、ありったけのワンピースも入れておいた。

 だから、今、光輝さんのホテルのクローゼットには、桜子さんと被ったワンピース一枚が残されているだけだ。



「お嬢様、ネグリジェはお持ちではないのですね?」

「はい、ホテルの滞在だったので、持っていなくて」

「畏まりました」



 多恵さんはわたしのスーツケースの中を確認したようだ。



「こちらのポシェットはお持ちになりますか?」

「はい」




 ハンカチとティッシュが入っている。それに、スマホとお財布が。

 ポシェットを斜めがけにさせられ、髪も梳かされる。

 長すぎる髪は、ゴムで二つに結ばれた。



「卓也様、恵麻様、ご準備ができました」



 多恵さんが声をかけると、扉が開いた。



「お待たせしました」



 わたしは二人に頭を下げた。



「兄さん、お人形のように可愛らしいね」

「本当に、可愛らしい」



 褒められる事に慣れていないわたしは、どんな顔をしていいのやら?

 散々、体を貶され続けられたわたしは、お世辞にしか聞こえない。

 顔を見せないように俯いていると、顎に指が触れて、すっと顔を上げられた。



「顔は上げていなさい」

「はい」



 卓也さんは、わたしが返事をすると、わたしを持ち上げて膝立ちにさせると、スカートが捲れないように抱き上げてくれた。



「食事をしてから、病院に行こう」

「はい」

「足りない物はなに?」

「ネグリジェがありませんでした。ワンピースは3着です」

「ありがとう」



 多恵さんと和美さんは深く頭を下げている。



「病院の後は、買い物に行こう」

「え、あの、何もいりません」

「足りない物を教えてもらったからね。気分転換にもなると思うよ」

「そうだよ。帰りに、甘い物でも食べてこうよ」



 恵麻さんは、まるで遊園地にでも行くような顔で部屋から出て行った。

 わたしは遊園地にも行ったことはないけれど……。

 恵が、デートで遊園地に行くと言ったときに見せた顔に似ていたから、そう思ってしまった。

 ダイニングに下りて行くと、サンドイッチが作られていた。

 飲み物はオレンジジュースが置かれていた。



「食べられない物とかある?」

「コーヒーが苦くて飲めません」

「他は?」

「ありません」



 卓也さんはわたしをお子様だと笑わなかった。

 恵麻さんは、「伝えてくる」と走って行った。

 二人のお皿には、わたしと同じ量のサンドイッチしか載ってなかった。

 飲み物も同じオレンジジュースだ。



「それだけで、足りるんですか?」

「俺たち、朝食は二度目なんだよ」

「うんうん、これはおやつね」



 卓也さんと恵麻さんは笑顔で、サンドイッチを摘まんでいた。



「いっぱい食べるのね?」

「成長期だからね」



 恵麻さんは、胸を張って答えた。

 わたしは頷いた。

 それから、卓也さんの運転で病院に連れて行かれた。

 消毒とガーゼ交換だ。

 また包帯でクルクル巻きにされて、わたしは卓也さんに抱き上げられ運ばれた。

 百貨店では車椅子に乗せられて、あちこち連れて行かれた。

 恵麻さんが案内図を見ながら、案内している。



「ネグリジェはどこだ?」

「店員に聞いてこいよ」

「いや、探す方が面白いだろう?レディース売り場なんて、そうそう来られないんだから、じっくり見たいじゃないか?」

「恵麻、変態くさいぞ」

「これは、男心だ!ロマンだ!美緒さんがいるから変態にはならない。兄さんだって、来たことないだろう?」

「初めて来たよ」



 卓也さんと恵麻さんには、女の姉妹や従姉妹がいないようだ。

 二人とも興味津々に、見て歩いている。

 光輝さんと来たお店ではなかったので、わたしも初めてだ。

 以前、光輝さんと買い物に来たときは、光輝さんはお店に慣れていた。下着売り場でも恥ずかしがる事もなく選んでいた。

 同じ円城寺家の人間でも、光輝さんと卓也さんや恵麻さんは、ずいぶん違う。

 年齢が違うせいもあるだろうけれど……。

 光輝さんはわたしとひとまわり違うから、ずっと大人だ。

 卓也さんと恵麻さんは同世代だから、とても近く感じる。



「美緒さんは、知らない?」

「わたしも、このお店には初めて来たから分からないです」

「恵麻、やっぱり聞いてこい。選ぶ時間がなくなるぞ」

「それは困る」



 恵麻さんは、店員を捕まえて、場所を聞いている。

 地図を見ながら説明されている。



「なんだか楽しい」

「やっと笑ったな」



 卓也さんがわたしの頭をポンポンと撫でた。

 なんだか懐かしい感じだ。

 光輝さんもよくわたしの頭をポンポンと撫でてくれた。



「俺より年下で学生なのに、総帥の妻にならなきゃならなかったのか?総帥は確か30超えているだろう?」

「うん、助けてもらったの」

「助ける条件が結婚だったのか?」

「結婚することで助けられたの」

「複雑だな?」

「うん、とても複雑なの」

「でも、辛かったら、離婚したって構わないと思うよ。美緒さんはまだ二十歳だよ。成人式だって迎えてないだろう?」

「……うん」



(胸が痛い。どうして?)



「笑っていろよ」


 卓也さんはまたわたしの頭をポンポンと撫でた。



「兄さん、下着売り場の横だってさ、下着売り場に行けるよ」


 恵麻さんは嬉しそうに戻って来た。



「こっちこっち」



 恵麻さんが先導して、車椅子が進んで行く。

 ネグリジェを一緒に選んで、可愛いからと恵麻さんが気に入ったショートパンツの部屋着を選んでくれた。



「美緒さん、ブラジャーのサイズ教えて」



 ずっと下着売り場に入りたがった恵麻さんは、誘惑に負けた。



「笑わないでね」



 わたしは自分のサイズを教えた。

 きっと二人なら、小さいからと笑わないと思えた。

 恵麻さんだけじゃなく卓也さんまで、好みの下着を探して一緒に清算していた。



「「着てくれると嬉しい」」



 リボンまで付けられていたプレゼント仕様なっていた。

 赤いリボンが卓也さんで黄色のリボンが恵麻さんだ。

 帰ってからのお楽しみだと言われた。



「ありがとう」



 きっと遊園地より楽しい場所だと思えた。

 その後、まだ二人の冒険は続いていた。

 二人の笑顔に、わたしはすごく救われた。自然と笑顔になれた。

 いろんなお店を回って、二人が考えたわたしに似合うと思う洋服を買って、最後に足が治った時に病院から履いて帰るための夏のサンダルを買ってくれた。

 二人が相談して決めた物だ。

 たくさんの荷物を見て、わたしは夢から覚めるように、たくさんのお金を使わせてしまった事を詫びた。

 そうしたら、卓也さんは「俺たちの初めてをありがとう。

 こんなに楽しい買い物は初めだった」と反対にお礼を言われた。

 確かに男性が、女性の下着や洋服を買うことはそうそうないと思う。

 恋人がいなければ、まずないと思う。

 わたしも男性物を買ったことはない。



(いつか、わたしも買いたい……誰に?)



 卓也さんと恵麻さんにはお礼をしよう。それから……。

 帰る前に、アイスクリームの入ったクレープを食べさせてくれた。

 ずっと食べたいと思っていた物だった。



「初めて、食べるの」

「クレープ、美緒さんは初めて食べるの?」

「うん」



 二人とも不思議そうな顔をした。



「わたし、幼い頃から家族から虐待を受けていたの、だからいろんな制限があったの……」



 わたしは甘いクレープを食べながら、自分の生い立ちや結婚の事情を説明した。

 二人とも長いわたしの話を聞いてくれた。



「だから、光輝さんが他の女性と抱き合っていても、仕方が無いと思うの。わたしはいつも光輝さんに罪悪感を抱いていたの。わたしはすごく醜くて、野良犬で、光輝さんには相応しくないの。でも、いざ目の前で見たら悲しくて逃げ出していたの」

「美緒さんは美しいよ」



 卓也さんの言葉に、わたしは首を左右に振った。



「慰めないで、悲しくなるから。わたしはもう現実を知っているの」

「ねえ、美緒さん、誰が美緒さんに、そんな酷いことを言わせているの?」

「酷いこと?」



 わたしは酷いことが何か分からなかった。



「すごく醜くて、野良犬って」



 恵麻さんが大きな目をクリクリさせながら、聞いてくる。

 ハンサムなのに愛らしさまである恵麻さんは、きっと学校でも人気者だろうなと思う。



「桜子さんは知っていますか?」



 二人は頷いた。



「桜子さんとホテルに滞在している間中、桜子さんはわたしの事をそう言っていたの。自分で認めて口に出すまで、ずっとわたしの……体を触るの。誰かに触られるのは初めてで、気持ちが悪くて、わたしは止めて欲しくて、その事を認めたの。男性は桜子さんのようなグラマーな女性が好きなのでしょう?桜子さんが言っていたわ。わたしはとても醜くて、野良犬って……」



 わたしはクレープを食べ終えると、ペパーフキンで手と口元を拭った。



「洗脳だな」

「洗脳されたんだよ」



 卓也さんと恵麻さんは、洗脳だと言う。



「もしかして、総帥と結ばれていない?」

「はい」



 卓也さんは納得した顔をした。



「籍を入れただけなの?寝室も別だったりするの?」

「そうよ」



 恵麻さんも納得した顔をした。



「だから、光輝さんに好きな人がいても仕方が無いの」

「もう話さなくていいよ。辛い事を話してくれてありがとう。それ以上、自分を貶める事は言わなくてもいい」

「わたし、本当の事しか話していないわ」

「わかった。美緒さんは今のままでいいから。帰りたくなるまで、うちにいればいい」



 卓也さんはポケットからハンカチを取り出すと、わたしの頬を拭った。わたしは知らない間に泣いていたようだ。



「大丈夫だからな」



 ハンカチを握らせてくれた。

 恵麻さんは、ゴミを集めると、片付けに行ってすぐに戻って来た。



「兄さん、帰ろう」

「そうだな」



 恵麻さんは大量な荷物を持って、卓也さんが歩き出すのを待っている。

 車椅子はゆっくり動き出した。

 全てを話してしまったら、心が軽くなった。


 
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