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彼氏との生活が甘すぎる

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腕を引かれてベッドに近付くと、トーマスが腰を屈めてキスした。もちろん、朝にするようなフレンチキスなどではない。可愛げのない本気ガチプロレスの方である。

心臓の音が近い。下半身に血液が溜まっていく。離れた唇はてらてらとぬめっていて、トーマスはその唇の端をくいと引き上げる。

「『あんなキス』はどう?」
「ま、う……」

さっき聞いたようなセリフに、からかうなよと声を上げる余裕すらない。ただ、トーマスの首筋にすがって、応えるように彼がハイネの体を抱きしめる。柔らかいバスローブの毛立ちとボディーソープの香り、溶けあうように共有する体温に、ハイネは大きく息を吸い込んだ。

「きもちい」
「うん?」

聞き取れない言葉もあるようで、トーマスは口元を引き上げたまま首を傾げるが、説明を求めている様子はない。

「うわぁ!!」

まぶしい金髪が胸元に潜り込んだかと思えば、膝の下を掬われて、そのままベッドへ仰向けで倒れこむ。ベッドのスプリングの抗議を聞きながら、天井のLED照明に目を白黒させていると、ぬっとトーマスが顔を覗き込む。さりげなくバスローブの結び目が解かれて、隙間から彼の指先が忍び込み、横隔膜の薄皮を撫でる。呼吸が浅くなる。

「緊張してるね、リラックスして」
「む、無茶言うなよ……きみに触れられて、緊張しないわけない」

ハイネの薄い体毛をトーマスの節くれ立った指がかき分ける。生々しさと紙一重の愛情を伴った愛撫にハイネは気恥ずかしくてたまらない気持ちになって、覆いかぶさってくるトーマスの方を見ないようにした。その行動が彼のスイッチをかえって刺激したのか、トーマスは弄ぶように5本の指の先端でハイネの上半身を上から下へ撫でおろした。

「んっ」

くすぐったさに喉奥から声が漏れる。
それを聞いて笑みをこらえきれないようで、口の端を歪ませるトーマスにハイネは苛立つ。
いくら手慣れているとはいえ、自分ばかりが醜態を晒すなんてどういった了見なんだ?
そして体をまさぐられる違和感を極力無いものとしながら、トーマスの下半身へ手を伸ばす。そこは乱れ始めている彼のバスローブをぐいと押し上げて控えめな主張をしていた。手の甲ですりと撫でると、驚いたトーマスが一拍手を止める。それからハイネの意図を読み取ったのか、意地の悪い笑みを浮かべると、まるでストリップショーのようにバスローブを肩からはだけさせた。もちろん、トーマスの素肌と下半身の主張とが露わになるわけだが。
凹凸のはっきりした身体はムダ毛無くアーマーのような筋肉に覆われ、割れた腹筋のその下。鎌首をもたげた赤黒いペニスに、そのサイズにハイネは目を剥いた。大きいことは予想で来ていたが、いざ目前にしてみると、仰向けながら自然と及び腰になってしまう。

「わぁ……うわ、わぁ……」

トーマスの手がハイネのうなじを撫でて引き寄せ、そのままキスする。当然プロレスの方。
ハイネが下半身の違和感に気付いたのはすぐで、トーマスの大きな手のひらが熱の溜まった自身に触れていた。

「き、きもち」
「ん?」

余裕の表情が悔しくて、ハイネもトーマスの下半身に触れる。
まさか男の下半身に触れる日が来るとは……。
兆しかけた凶器を優しく包み込んで、おっかなびっくり控えめに、自分でするように手を上下運動させると、トーマスの動きが止まった。

「と」

驚かせちゃったかなと顔を上げようとすると、ハイネの手に握られたペニスがびくびく脈打って主張する。

「っわ……なんだか、急に……」
「私の愛する作品たちが、この手で創りだされているんだと考えると、どうしようもない気分になるね」
「やりづらいこと言うなよ」

彼のとんでもない発言にドン引きして手を引っ込めると、反対に彼の手が伸びてきて、ハイネの尻にぬるりとした感触が滑る。

「うっ、トーマス?」
「広げないと。今の状態だと大変だよ」
「だ、だろうね」

ローションでも垂らしたのか滑り良くトーマスの指先が沈み込む。『練習』の成果が出ているのか、ハイネのそこはトーマスの指を易々と受け入れる。余裕があると察したのか、トーマスの指はハイネの体内を容赦なく探る。
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