11 / 18
ミズガルズ ー貿易都市ミストハレー
第11話 異世界飯は不味かった。
しおりを挟む
冒険者ギルドを出て、私達はイリスお勧めの宿屋へ向かった。
「すみません、人数は二人で1週間の宿泊をお願いします。」
「一日一人銀貨8枚になります。」
「金貨11枚に銀貨2枚だね。」
私は空間魔法からお金を取り出し宿屋の娘にお金を支払った。
「す、凄いです!計算を一瞬でするなんて!もしかして商人さんなんですか?」
キラキラした瞳をする娘さんに
「まあ、そうかな(商業ギルドに登録して塩・胡椒などを売る予定だし…間違ってないよね?)」
肯定しておく。
鍵を受け取って案内された部屋に入った。6畳ぐらいの部屋にベットが二つ並んでいて狭いなと感じるも異世界だからと納得する。
「布団が薄っぺらいね。」
寝辛そうと漏らす一二三に
「ここで泊まらないよ。自宅に帰って寝るに決まってるじゃない。」
薄汚れたベットで寝たくないと答えれば
「そっかーじゃあ、食事はこっちの食べてみたいな!異世界飯が楽しみ♡」
物凄くご飯に対して期待を寄せていた。
「お昼にしては遅いけどご飯食べに行くか…」
私達は宿屋が経営している食堂に向かった。
食堂は中々繁盛しているようだ。味も期待出来ると思って
「ご飯でお勧めありますか?」
キッチンにいた主人にお勧めメニューを訪ねる。
「見かけない顔だな。お勧めなら日替わり定食が良いんじゃないか?」
店主の言葉に
「じゃあ、日替わり定食2つと水をお願いします。」
注文をすると
「おう!しかし本当に水で良いのかい?銅貨7枚するぜ。エールなら銅貨3枚だが?」
水が高額だと教えてくれた。そういえば外国でも飲料水は高かったな。
「じゃあ、エールでお願いします。」
「はいよっ!ミリア、日替わり定食2、エール2だ。会計してくれや!」
店主の呼びかけにミリアと呼ばれた女性がこっちにやってきた。
「はーい!銀貨2枚になるよ。席は自由席だ。好きな所に座りな。この札と交換でご飯が出てくるから番号呼ばれたら取りにくるんだよ。」
私は彼女に銀貨2枚と札を交換して空いてる席に着いた。
席に着いて数分、番号が呼ばれたので私達はご飯を取りに行った。
「見た目は普通だね。」
今日のメニューはロックベアのじゃじゃ焼きだそうだ。黒パンとロックベアのじゃじゃ焼きに具の少ないスープとエールである。
「まあ、異世界飯だし食べてみようか…」
私はじゃじゃ焼きを、一二三はパンを口に運んだ。
「っ固いっ!!」
「…まっずぅ……」
二人揃って悶絶した。
味が薄く肉が固い上に臭みが酷い。スープも飲んだがお湯を飲んでいる感覚だ。パンも一二三が言ったように固く嚙み切れる物じゃなかった。
「パンはスープに付けてふやかして食べよう。あとは…うん、残さず食べよう。」
もそもそと不味いご飯を食べていると一二三が
「七五三姉ちゃんって魔物使いなんだよね?何で獣魔がいないの?」
言われたくない部分を指摘してきた。
「黙示録で契約していた獣魔はユグドラシルには存在しなかったんじゃないかと思う。私が願ったのはアバターの継承で詳しくは経験値・アイテム・スキルはそのまま引き継ぐことだから獣魔までは引き継がれなかったんじゃないかな。魔物使いの補助系魔法は使えるけど、他の魔法を習得した方が良いかもしれない。」
魔物使いの魔法は捕縛系の光の茨、補助系の敵のステータスを5割減にする愚者の烙印、味方のステータスを5割増しにする聖者の福音、攻撃魔法である合奏と大まかに四つ存在する。
魔物使いなだけあって獣魔に対し援護する魔法ばかりなのだ。私単体での攻撃魔法は片手に数えるほどである。
「なら神聖魔法と水と火と土魔法を取得したら?」
一二三のラインナップに
「その心は?」
胡散臭そうに見つめると
「神聖魔法はポーションが切れた時に備えとして、水は飲み水になるし、火は火起こししなくて良いし、土魔法だったら火と土の複合魔法を使えるんじゃないかと思って♡」
意外と考えていた。
「それは悪くないね。」
その方向でスキル取得しようと話を進めるが、料理を食べる手は完全に止まっている。
「うぅ…不味いよぉ……」
涙目になりながらご飯を食べる一二三に
「今日だけの我慢だよ。」
エールで流しながらご飯を食べた。
異世界飯がこんなに不味いとは思わなかった。調味料をケチっているのだろうか?出汁の概念が無いのか味に旨味が無い上に薄い。肉も臭みがあって固い上に酒も不味い。日本で培われた舌は完全に異世界飯を拒絶したのだった。
ご飯が終わり私達は部屋に戻って自宅へ転移した。ユグドラシルでは午後15時だったので、向こうでの朝9時までは地球で化粧品の詰め替え作業をしなければならない。ついでに商業ギルドに卸す塩、砂糖、胡椒と基礎化粧品一式と洗髪剤一式を全て業務用スーパーと100均で揃える予定だ。
ゴミに関しては冒険者ギルドで魔物使いを雇い契約しているスライムに処理をさせているとイリスが言っていた。汚水に関しても契約されているスライムが浄化してくれるので清潔なんだとか…
私は一二三に化粧水などに必要な素材を渡して買い出しに出かけるのであった。
「すみません、人数は二人で1週間の宿泊をお願いします。」
「一日一人銀貨8枚になります。」
「金貨11枚に銀貨2枚だね。」
私は空間魔法からお金を取り出し宿屋の娘にお金を支払った。
「す、凄いです!計算を一瞬でするなんて!もしかして商人さんなんですか?」
キラキラした瞳をする娘さんに
「まあ、そうかな(商業ギルドに登録して塩・胡椒などを売る予定だし…間違ってないよね?)」
肯定しておく。
鍵を受け取って案内された部屋に入った。6畳ぐらいの部屋にベットが二つ並んでいて狭いなと感じるも異世界だからと納得する。
「布団が薄っぺらいね。」
寝辛そうと漏らす一二三に
「ここで泊まらないよ。自宅に帰って寝るに決まってるじゃない。」
薄汚れたベットで寝たくないと答えれば
「そっかーじゃあ、食事はこっちの食べてみたいな!異世界飯が楽しみ♡」
物凄くご飯に対して期待を寄せていた。
「お昼にしては遅いけどご飯食べに行くか…」
私達は宿屋が経営している食堂に向かった。
食堂は中々繁盛しているようだ。味も期待出来ると思って
「ご飯でお勧めありますか?」
キッチンにいた主人にお勧めメニューを訪ねる。
「見かけない顔だな。お勧めなら日替わり定食が良いんじゃないか?」
店主の言葉に
「じゃあ、日替わり定食2つと水をお願いします。」
注文をすると
「おう!しかし本当に水で良いのかい?銅貨7枚するぜ。エールなら銅貨3枚だが?」
水が高額だと教えてくれた。そういえば外国でも飲料水は高かったな。
「じゃあ、エールでお願いします。」
「はいよっ!ミリア、日替わり定食2、エール2だ。会計してくれや!」
店主の呼びかけにミリアと呼ばれた女性がこっちにやってきた。
「はーい!銀貨2枚になるよ。席は自由席だ。好きな所に座りな。この札と交換でご飯が出てくるから番号呼ばれたら取りにくるんだよ。」
私は彼女に銀貨2枚と札を交換して空いてる席に着いた。
席に着いて数分、番号が呼ばれたので私達はご飯を取りに行った。
「見た目は普通だね。」
今日のメニューはロックベアのじゃじゃ焼きだそうだ。黒パンとロックベアのじゃじゃ焼きに具の少ないスープとエールである。
「まあ、異世界飯だし食べてみようか…」
私はじゃじゃ焼きを、一二三はパンを口に運んだ。
「っ固いっ!!」
「…まっずぅ……」
二人揃って悶絶した。
味が薄く肉が固い上に臭みが酷い。スープも飲んだがお湯を飲んでいる感覚だ。パンも一二三が言ったように固く嚙み切れる物じゃなかった。
「パンはスープに付けてふやかして食べよう。あとは…うん、残さず食べよう。」
もそもそと不味いご飯を食べていると一二三が
「七五三姉ちゃんって魔物使いなんだよね?何で獣魔がいないの?」
言われたくない部分を指摘してきた。
「黙示録で契約していた獣魔はユグドラシルには存在しなかったんじゃないかと思う。私が願ったのはアバターの継承で詳しくは経験値・アイテム・スキルはそのまま引き継ぐことだから獣魔までは引き継がれなかったんじゃないかな。魔物使いの補助系魔法は使えるけど、他の魔法を習得した方が良いかもしれない。」
魔物使いの魔法は捕縛系の光の茨、補助系の敵のステータスを5割減にする愚者の烙印、味方のステータスを5割増しにする聖者の福音、攻撃魔法である合奏と大まかに四つ存在する。
魔物使いなだけあって獣魔に対し援護する魔法ばかりなのだ。私単体での攻撃魔法は片手に数えるほどである。
「なら神聖魔法と水と火と土魔法を取得したら?」
一二三のラインナップに
「その心は?」
胡散臭そうに見つめると
「神聖魔法はポーションが切れた時に備えとして、水は飲み水になるし、火は火起こししなくて良いし、土魔法だったら火と土の複合魔法を使えるんじゃないかと思って♡」
意外と考えていた。
「それは悪くないね。」
その方向でスキル取得しようと話を進めるが、料理を食べる手は完全に止まっている。
「うぅ…不味いよぉ……」
涙目になりながらご飯を食べる一二三に
「今日だけの我慢だよ。」
エールで流しながらご飯を食べた。
異世界飯がこんなに不味いとは思わなかった。調味料をケチっているのだろうか?出汁の概念が無いのか味に旨味が無い上に薄い。肉も臭みがあって固い上に酒も不味い。日本で培われた舌は完全に異世界飯を拒絶したのだった。
ご飯が終わり私達は部屋に戻って自宅へ転移した。ユグドラシルでは午後15時だったので、向こうでの朝9時までは地球で化粧品の詰め替え作業をしなければならない。ついでに商業ギルドに卸す塩、砂糖、胡椒と基礎化粧品一式と洗髪剤一式を全て業務用スーパーと100均で揃える予定だ。
ゴミに関しては冒険者ギルドで魔物使いを雇い契約しているスライムに処理をさせているとイリスが言っていた。汚水に関しても契約されているスライムが浄化してくれるので清潔なんだとか…
私は一二三に化粧水などに必要な素材を渡して買い出しに出かけるのであった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【書籍化決定】神様お願い!〜神様のトバッチリを受けた定年おっさんは異世界に転生して心穏やかにスローライフを送りたい〜
きのこのこ
ファンタジー
突然白い発光体の強い光を浴びせられ異世界転移?した俺事、石原那由多(55)は安住の地を求めて異世界を冒険する…?
え?謎の子供の体?謎の都市?魔法?剣?魔獣??何それ美味しいの??
俺は心穏やかに過ごしたいだけなんだ!
____________________________________________
突然謎の白い発光体の強い光を浴びせられ強制的に魂だけで異世界転移した石原那由多(55)は、よちよち捨て子幼児の身体に入っちゃった!
那由多は左眼に居座っている神様のカケラのツクヨミを頼りに異世界で生きていく。
しかし左眼の相棒、ツクヨミの暴走を阻止できず、チート?な棲家を得て、チート?能力を次々開花させ異世界をイージーモードで過ごす那由多。「こいつ《ツクヨミ》は勝手に俺の記憶を見るプライバシークラッシャーな奴なんだ!」
そんな異世界は優しさで満ち溢れていた(え?本当に?)
呪われてもっふもふになっちゃったママン(産みの親)と御親戚一行様(やっとこ呪いがどうにか出来そう?!)に、異世界のめくるめくグルメ(やっと片鱗が見えて作者も安心)でも突然真夜中に食べたくなっちゃう日本食も完全完備(どこに?!)!異世界日本発福利厚生は完璧(ばっちり)です!(うまい話ほど裏がある!)
謎のアイテム御朱印帳を胸に(え?)今日も平穏?無事に那由多は異世界で日々を暮らします。
※一つの目的にどんどん事を突っ込むのでスローな展開が大丈夫な方向けです。
※他サイト先行にて配信してますが、他サイトと気が付かない程度に微妙に変えてます。
※昭和〜平成の頭ら辺のアレコレ入ってます。わかる方だけアハ体験⭐︎
⭐︎第16回ファンタジー小説大賞にて奨励賞受賞を頂きました!読んで投票して下さった読者様、並びに選考してくださったスタッフ様に御礼申し上げますm(_ _)m今後とも宜しくお願い致します。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる