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オブシディアン領で労働中

鑑定具が欲しい2

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 教会から鑑定具を上手く入手することが出来た。
 横流しとかじゃないからね!
 約束通り新しい鑑定具は、必要経費ってことでユーフェリア教会の総本山に連絡入れて金を出させる算段です。
 用意するとは言ったが、いつまでに用意するとは明言していない。
 購入するだけのお金が下りたら、買い付けに行こう。
 正体を隠せば、早々バレることはないでしょう。
 手の中にある鑑定具を眺めながらニヤニヤが止まらない。
「フリック、フェディーラ、二人とも急ぎの案件が無い限りわたくしの部屋には入らないで下さいませ。少し、やることが出来ましたの」
 フリックは慣れた様子で是と答えたが、フェディーラは納得がいかないのか不服そうな顔をしている。
「リリアン様、王妃様から領地を任された以上は、しっかりと働いて頂きたいのですが」
「馬車馬のように働いているのに、これ以上働けと? 貴方もフリックも優秀な人材ですわ。運営方法までは、王妃様も口を出されておりませんでしょう? わたくしのやり方で良いと暗黙の了解だと認知してますの。有能な部下に出来る仕事を割り振るのも、上に立つ者の仕事でしてよ。わたくしは、わたくしでやらなければならないことがありますの」
 やるのは、魔法具の解体と分析。
 そして、改良品を作ることだ。
 構造が分かれば、材料さえあれば作るには然程問題はないだろう。
「これでも期待しているんですのよ」
 思ってもみないことを吐きながら、フェディーラをヨイショする。
 フリックに言ったところで、私の考えていることなどお見通しなのだろう。
 髪の毛一本も引かれてくれることはないと断言できる。
「……期待に沿えるように精進します」
「そう、宜しくね」
 納得はしていないが、悪い気はしないと言ったところだろうか。
 フリックとフェディーラを部屋から追い出して手に入れた鑑定具を机の上に置き見分する。
 幾何学模様に日本語がみっちりと書かれている。
 印象としては、日本語のプログラミングを立体図にした感じである。
 とは言っても、漢字は殆ど使われていないので読み辛いったらありゃしない。
 コアになる部分には、漢字で『鑑定』と刻まれている。
 刻まれた魔法陣の所々に、何を鑑定するのか指定されてある。
 それも片仮名で。
 具体的な文言や漢字を多用すれば、高品質の鑑定具が出来るのではないだろうか。
「個人的に持つなら眼鏡タイプが良いわね。自然に見えるし、お洒落の一環として楽しめる」
 まずは、どんな機能を搭載するか書き出すか。
 私は、前世の記憶を引っ張り出して一心不乱に机に向き直り書き出し作業に勤しんだ。
 書いていたら結構な量になりました。
 人間て強欲だね。
 あれもこれも欲しくなっちゃうんだもの。
 刻める場所は限られているし、コアも小さいので本当に欲しい機能だけ絞った。
 まず、全ステータスの強制開示。
 年齢・性別・スキル・称号・犯罪履歴の有無など、ここまでは教会で使用している鑑定具と同じだ。
 更に、鑑定対象の秘密の強制開示。
 性癖から悪事までマルッと丸裸にしてやるぜ。
 最後に、これは鑑定とは関係ないが映像記録・音声録音機能付き。
 映像記録と音声録音機能は、任意にONとOFFが出来るようにする。
 収集したデータは、眼鏡に搭載する雷の魔石を使って電気信号を送り、長期データを保存できる魔法具を構築する予定だ。
 まずは、ノームに素材の提供をして貰おう。
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