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エルブンガルド魔法学園 中等部
違法奴隷商会から大量に買い付けました
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金持ちの令嬢ではあるが、フレデリック商会にとって私は一見さんであることには変わりない。
VIP待遇は端から期待していない。
奴隷達がいる部屋に案内され、精霊魔法で鑑定を使いながら一人一人チェックしていく。
殆どが借金奴隷だが、ギャンブルで破産した者も少なからずいるようだ。
借金奴隷は一通り見終わり、次に高級奴隷を見せて貰うことにした。
高級奴隷は、扱いも借金奴隷とは異なり綺麗な身形と良い部屋を与えられている。
見目麗しい者が多いが、やはりと言うべきかエルフ族が居た。
幼子から妙年齢まで幅広い。
「珍しい種族も扱っていらっしゃるのですね」
「ええ、当店は色んな種族を幅広く扱っておりますからね。気になる奴隷はいましたか?」
「どの奴隷も興味深いわ。あの子は、幾らするのかしら?」
「耳長族は、希少種ですので大金貨三枚です」
耳長族なんて種族はいない。
エルフの俗称だ。
他種族の売買は、この国では違法である。
あくまで人間と言い張るために、俗称を使って売り捌いているのだろう。
「わたくしのお小遣いでも買えるわね。他にも見せて貰えるかしら?」
ポケットマネーで買えると言い放った瞬間、エドワーズの顔色が変わった。
エルフを買えるだけの金など持ち合わせていないと思っていたのだろう。
「この店にいる奴隷達、全て見せて頂戴。欲しいものが居たら、全部買うわ」
「相当な金額になりますよ?」
「払える自信がなかったら言わないわ」
フンッと鼻で嗤うと、私のハッタリが効いたのか、エドワーズは喜々として奴隷達を片っ端から見せてくれた。
借金奴隷と高級奴隷は全員確認した。
勿論、確認した時に鑑定でステータスチェックするのも忘れていない。
後は、犯罪者奴隷だけだ。
「ねえ、ここには犯罪者奴隷もいるのかしら?」
「お嬢様は、犯罪者奴隷を買われるのですか?」
「犯罪者になるくらいだから、何か悪い事でもしたんでしょう? 色々と使い道があるじゃない」
ニッコリと笑みを浮かべると、エドワーズは何を勘違いしたのか悪い笑みを浮かべて、地下へと案内した。
カビ臭さに一瞬顔を顰めたが、直ぐに作り笑いを顔に張り付けた。
衛生面は最悪、鉄格子の中に入っている者は主に獣人族が多かった。
鑑定で彼等の状態を見ると、病気にかかっている者が殆どだ。
「あまり良い状態ではないようだけど、売り物なのかしら?」
「一応、売り物ではありますよ。犯罪奴隷の上に、健康状態も悪い。二束三文にもなりません」
彼等一人一人を鑑定していると、気になる称号を持った女の子がいた。
「買う奴隷達が決まったわ。沢山買うから、犯罪奴隷は全ておまけして欲しいのだけど良いかしら?」
その言葉に、エドワーズの顔が崩れる。
「……沢山買うと言われても、金額が赤字だと彼等を無償で譲ることは出来ませんよ」
「確実に黒字になるわよ。彼等の食事代だけでも相当な赤字でしょう。高級奴隷は全部買い取るとして、借金奴隷で要らないものだけ言うから弾いて頂戴。それ以外は、全て買うわ」
その言葉を聞いて信じられないと言わんばかりに私の顔を見ている。
「ああ、足元を見て売り渋るなら交渉は決裂ということで何も買わないわよ。私の気が変わる前に、売り払った方が良くなくて?」
吹っ掛けられる前に牽制をしておく。
エドワーズは、私の牽制に気付き損得を計算して売った方が利益になると考えたようだ。
「では、借金奴隷のところへ戻りましょう。要らない奴隷達を教えて下さい」
鑑定で名前は判明しているが、私が口に出せば鑑定持ちとして警戒されてしまう。
私は、何事もなかったかのようにエドワーズの言葉に頷き借金奴隷達のいる階まで戻り、要らない者を指さしていく作業を繰り返した。
高級奴隷三名、借金奴隷が十七名、犯罪奴隷が二十一名と結構な人数になった。
借金奴隷の平均が金貨五~八枚。高級奴隷三名は、一番安くて大金貨二枚から大金貨五枚と結構なお値段になっている。
まさか、高級奴隷全員を買おうとする奴が現れるとは思いもよらなかったのだろう。
エドワーズの顔は緩みっぱなしだ。
「全て合わせて大金貨十一枚、中金貨二枚になります」
日本円にしたら一億千二百万円といったところか。
流石に、この金額を一括で払うのは懐が痛いが、後から回収すれば問題はない。
「即金で払うわ」
ポシェットから大金貨十一枚と中金貨二枚を取り出してベロア調のコイントレイの上に置いた。
ポシェットは、精霊魔法の応用でアイテムバッグになっている。
私以外は、今のところ取り出し不可になっているので鞄を取られたとしても使うことは出来ない。
「……このような大金を即金で支払われるとは、一体何者なのですか?」
「客の素性を詮索するのは宜しくなくてよ。この奴隷達は、オブシディアン家の献上品なの。少しでも見た目を綺麗にして、屋敷に送り届けて頂戴。犯罪奴隷達もよ」
そう言いながら、追加で中金貨一枚渡した。
これで身形を整えろ、体調が悪い奴は教会で直して貰えという意図が込められた金だ。
それを目の前の男はどこまで理解しているかは定かではないが、ホクホク顔でその中金貨を受け取っている。
「また、珍しいものが入ったら教えて頂戴。オブシディアン家の家令に言えば、私の方に伝わるわ」
「はい。その時は、また一番にお声がけさせて頂きます」
「そう。なら、宜しくてよ。わたくし達は、これで失礼させて頂くわ。くれぐれも粗相のないようにお願いね」
私は、そう言ってフェディーラを連れてフレデリック商会を後にした。
VIP待遇は端から期待していない。
奴隷達がいる部屋に案内され、精霊魔法で鑑定を使いながら一人一人チェックしていく。
殆どが借金奴隷だが、ギャンブルで破産した者も少なからずいるようだ。
借金奴隷は一通り見終わり、次に高級奴隷を見せて貰うことにした。
高級奴隷は、扱いも借金奴隷とは異なり綺麗な身形と良い部屋を与えられている。
見目麗しい者が多いが、やはりと言うべきかエルフ族が居た。
幼子から妙年齢まで幅広い。
「珍しい種族も扱っていらっしゃるのですね」
「ええ、当店は色んな種族を幅広く扱っておりますからね。気になる奴隷はいましたか?」
「どの奴隷も興味深いわ。あの子は、幾らするのかしら?」
「耳長族は、希少種ですので大金貨三枚です」
耳長族なんて種族はいない。
エルフの俗称だ。
他種族の売買は、この国では違法である。
あくまで人間と言い張るために、俗称を使って売り捌いているのだろう。
「わたくしのお小遣いでも買えるわね。他にも見せて貰えるかしら?」
ポケットマネーで買えると言い放った瞬間、エドワーズの顔色が変わった。
エルフを買えるだけの金など持ち合わせていないと思っていたのだろう。
「この店にいる奴隷達、全て見せて頂戴。欲しいものが居たら、全部買うわ」
「相当な金額になりますよ?」
「払える自信がなかったら言わないわ」
フンッと鼻で嗤うと、私のハッタリが効いたのか、エドワーズは喜々として奴隷達を片っ端から見せてくれた。
借金奴隷と高級奴隷は全員確認した。
勿論、確認した時に鑑定でステータスチェックするのも忘れていない。
後は、犯罪者奴隷だけだ。
「ねえ、ここには犯罪者奴隷もいるのかしら?」
「お嬢様は、犯罪者奴隷を買われるのですか?」
「犯罪者になるくらいだから、何か悪い事でもしたんでしょう? 色々と使い道があるじゃない」
ニッコリと笑みを浮かべると、エドワーズは何を勘違いしたのか悪い笑みを浮かべて、地下へと案内した。
カビ臭さに一瞬顔を顰めたが、直ぐに作り笑いを顔に張り付けた。
衛生面は最悪、鉄格子の中に入っている者は主に獣人族が多かった。
鑑定で彼等の状態を見ると、病気にかかっている者が殆どだ。
「あまり良い状態ではないようだけど、売り物なのかしら?」
「一応、売り物ではありますよ。犯罪奴隷の上に、健康状態も悪い。二束三文にもなりません」
彼等一人一人を鑑定していると、気になる称号を持った女の子がいた。
「買う奴隷達が決まったわ。沢山買うから、犯罪奴隷は全ておまけして欲しいのだけど良いかしら?」
その言葉に、エドワーズの顔が崩れる。
「……沢山買うと言われても、金額が赤字だと彼等を無償で譲ることは出来ませんよ」
「確実に黒字になるわよ。彼等の食事代だけでも相当な赤字でしょう。高級奴隷は全部買い取るとして、借金奴隷で要らないものだけ言うから弾いて頂戴。それ以外は、全て買うわ」
その言葉を聞いて信じられないと言わんばかりに私の顔を見ている。
「ああ、足元を見て売り渋るなら交渉は決裂ということで何も買わないわよ。私の気が変わる前に、売り払った方が良くなくて?」
吹っ掛けられる前に牽制をしておく。
エドワーズは、私の牽制に気付き損得を計算して売った方が利益になると考えたようだ。
「では、借金奴隷のところへ戻りましょう。要らない奴隷達を教えて下さい」
鑑定で名前は判明しているが、私が口に出せば鑑定持ちとして警戒されてしまう。
私は、何事もなかったかのようにエドワーズの言葉に頷き借金奴隷達のいる階まで戻り、要らない者を指さしていく作業を繰り返した。
高級奴隷三名、借金奴隷が十七名、犯罪奴隷が二十一名と結構な人数になった。
借金奴隷の平均が金貨五~八枚。高級奴隷三名は、一番安くて大金貨二枚から大金貨五枚と結構なお値段になっている。
まさか、高級奴隷全員を買おうとする奴が現れるとは思いもよらなかったのだろう。
エドワーズの顔は緩みっぱなしだ。
「全て合わせて大金貨十一枚、中金貨二枚になります」
日本円にしたら一億千二百万円といったところか。
流石に、この金額を一括で払うのは懐が痛いが、後から回収すれば問題はない。
「即金で払うわ」
ポシェットから大金貨十一枚と中金貨二枚を取り出してベロア調のコイントレイの上に置いた。
ポシェットは、精霊魔法の応用でアイテムバッグになっている。
私以外は、今のところ取り出し不可になっているので鞄を取られたとしても使うことは出来ない。
「……このような大金を即金で支払われるとは、一体何者なのですか?」
「客の素性を詮索するのは宜しくなくてよ。この奴隷達は、オブシディアン家の献上品なの。少しでも見た目を綺麗にして、屋敷に送り届けて頂戴。犯罪奴隷達もよ」
そう言いながら、追加で中金貨一枚渡した。
これで身形を整えろ、体調が悪い奴は教会で直して貰えという意図が込められた金だ。
それを目の前の男はどこまで理解しているかは定かではないが、ホクホク顔でその中金貨を受け取っている。
「また、珍しいものが入ったら教えて頂戴。オブシディアン家の家令に言えば、私の方に伝わるわ」
「はい。その時は、また一番にお声がけさせて頂きます」
「そう。なら、宜しくてよ。わたくし達は、これで失礼させて頂くわ。くれぐれも粗相のないようにお願いね」
私は、そう言ってフェディーラを連れてフレデリック商会を後にした。
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