92 / 181
幼少期
キッズ用通信具完成とリズベット襲来事件
しおりを挟む
アルベルトの案を参考に、ボタン一つの携帯電話が誕生した。
名刺サイズの携帯電話が出来た時は、私も純粋に驚いた。
ただし、王家の家紋をデフォルメして入れるのはタブーなので、アイビーの花に差し替えた。
アルベルト主催のパーティーで名刺に押した花押だ。
アイビーにしたのは、王妃が愛妾を薔薇の宮から追い出しアイビーの宮へ移した経緯を込めた皮肉である。
花言葉までアルベルトは知らないだろ。
ワンボタン携帯には、『所有者の名前←→受発信する相手』となっている。
五家に関しては、紋章を可愛くデフォルメしておいた。
細部まで再現すると時間と金と労力がかかるので低コストで高利益を生むには仕方のないことだ。
是非、スピネル、カルセドニー、カエサル、ルーク、ロンギヌスで宣伝して来て欲しい。
それぞれ、親と通話が出来るように作ったさ。
事前にそれとなく、親御さんにコンタクトを取って試験的に使えないかって相談した上でね。
勝手に高価な物を与えたら、それはそれで色々と問題が浮上するから、その辺りは慎重にならざる得ない。
中身だけ渡しても良かったのだが、プレゼントと言った手前、それはナンセンス。
きちんと化粧箱も用意し、対になった通信具が鎮座している。
プライベート用の3つボタンの付いた通信具は、父を通して王妃様へご機嫌伺いの品として渡しておいた。
教会の不正に関しては怒り心頭だったらしいが、ご機嫌伺いの品で少しだけ緩和されたとのこと。
誤算だったのは、王妃から教会の実権の掌握を急げとの命令が下された事だ。
掌握する気ではいたが、時間をかけてしようと思っていたので、王妃からの横槍に少し…いや。大分イラッとしている。
新体制で動き始めたばかりなので、せっつかれても私の身体は一つしかない。
私は、スーパーウーマンでも未来の猫型ロボットでもない。
本当に無茶を言ってくれる。
内心文句タラタラではあったが、やるしかあるまい。
ユリアをお供に王城へ来ている。
通信具を渡すためだ。
顔馴染みの兵士に護衛され、客間に通されお茶を飲んでいるとアルベルトと側近候補五人と、何故かリズベットがアルベルトにべったりくっついていた。
「あら、婚約者の前で堂々と浮気ですか? 彼女を正妻にしたいなら、わたくしは今すぐ身を引きますわ。これまで殿下に掛けたお金と精神的苦痛を味わった慰謝料はキッチリと請求致しますわね」
コロコロと鈴がなるような声でそう告げると、アルベルトは焦ったように「違う」と連呼している。
「違うも何も、ご令嬢を腕にくっつけて婚約者に会いに来ること自体が失礼でしてよ。少しはマシになったと思ったのに、たった三週間程度会えなかっただけで、尻の軽い女の誘いに乗るなんて男は下半身で生きているって本当なのね」
リズベットを突き飛ばして、私のところに駆け寄り誤解だと喚く姿は駄犬にしては良くやったと褒めるべきだろうか。
「殿下、女性を突き飛ばすのは良くありませんわ」
「あれくらいしないと離れないんだ!」
確かに、リズベットの様子を見る限りではアルベルトの言葉は一理ある。
「それで、オブシディアン嬢はどうしてこちらへ? 王城に上がるのは許された者しか出入りすることは不可能でしてよ」
「お父様が連れて来て下さったのよ! 将来、私がアルベルト様の妻になるんだから当然でしょう」
ほうほう、オブシディアン家はアングロサクソン家に喧嘩を吹っかけて来たと。
上等じゃない。
その喧嘩、買って差し上げましょう。
「婚約者候補なら、その言い訳は通用するかもしれません。ですが、わたくしは正式なアルベルト殿下の婚約者です。愛妾にと殿下が望まれるのであれば吝かではありませんが、その発言はオブシディアン家の総意と取らせて頂いても宜しくて?」
「お父様がそう言っているんだから、そうに決まっているでしょう! 未来の王妃は、私よ! 敬いなさいよ」
子供の癇癪乙!
いいネタをありがとう。
オブシディアン家は、何かと我が家と張り合う割には領地経営も上手く行かず色んな場所から借金していると聞いている。
潰すのは容易いが、時間をかけて真綿で首を絞めるようにジワジワと追い込み出来るだけ金を引っ張ろう。
「分かりました。では、後日その件を交えてお話致しましょう。わたくしと殿下の婚約は国が決めたことですので、当事者である王の代理は王妃様がなさってくれるでしょう。ご自身が、次期王妃に相応しいことを証明して下さいませ。では、御機嫌よう」
パンパンと二回手を馴らすと、外で待機していた護衛が入ってきた。
「オブシディアン嬢を部屋からつまみ出して頂戴。これから殿下達と大切なお話がありますの。ああ、くれぐれも傷は付けない様にお願いしますわ。後から、抗議の手紙が届いても面倒なので」
「ハッ!」
兵は敬礼し、リズベットに「失礼します」と声を掛けて小脇に抱えて退出していった。
いや、お前……そこはお姫様抱っこにしてやろうぜ。
私の時は、普通に抱っこかお姫様抱っこなのに扱いが雲泥の差がある。
「さて、邪魔ものは居なくなりましたわね。あの方が押しかけて来たということは、勉強も捗っていなかったのでは?」
そう問いかけると、神経質な顔を作りながらカルセドニーが同意を示した。
「全くです。いきなり部屋に押しかけて来たかと思うと、殿下にベタベタし始めて訳の分からないことまで言い出して困りました」
「訳の分からないこと?」
「本来なら私がアルベルト様の婚約者になるはずだった、と」
「そう言えば、自分のことはリズと呼べと言ってたな」
ルークが、その時の情景を思い出したように語る。
「愛称は、親しい間でも恋人か婚約者、後家族くらいしか呼ばせない名前ですのに。皆様にも言ったのですか?」
「言われましたね」
スピネルの言葉に、皆嫌そうに同意している。
弱い八歳で尻軽とは、将来はゆる股ビッチの誕生だ。
そんな女に王妃の座を渡したら、私の可愛い天使たちまで害が及んでしまう。
絶対に阻止しなくては!
「皆様、大変でしたね。彼女に関しては、こちらで対処しておきますわ。本日、ここを訪れたのは例の物が出来上がったんですの」
ユリアに目配せをすると、テーブルの上に一つずつ丁寧に化粧箱を置いていく。
化粧箱には、それぞれの家紋が入っているため一目で自分のがどれか分かるだろう。
「リリアン、空けても良いか?」
「どうぞ」
アルベルトの催促に、是と答えると各々が箱を取り中身を空けている。
「……思っていたのと違う」
最初に言葉を発したのは、ロンギヌスだった。
「皆様の家紋は、それぞれ複雑過ぎたので簡略化させて頂きましたわ。とても良い出来だと思いませんか?」
けして可愛いとは言わない。
言ったら作り直しさせられそうだからだ。
「俺よりはマシだと思うぞ」
「あら殿下、わたくしのデザインが気に入らないと言うのですの?」
「い、いや…そんなことはないぞ。ただ、男に花と言うのも不釣り合いだろう」
必死に弁明するアルベルトに笑いを堪えながら、
「その花は、殿下が初めて主催した時のパーティーで名刺に押印されたものですのよ。流石に、王妃様の許可なく家紋を使わせて頂くのは気が引けましたので思い出の花にしたのです。皆様のも、理由の大部分は大体同じですわ」
後半は、大嘘だけどね!
そういうと納得したのか、各々早く使ってみたいのかソワソワしている。
「一つはご自身がお持ち下さい。持ち運べるようにこういう物も用意致しました」
ユリアが、サッとストラップの突いたカードケースと携帯を置けるスタンドを差し出した。
ボタンの部分は繰りぬかれている。
縁と紐は牛の皮を使い、表はスライムの粘液を固めたものを裏は牛の皮を張り合わせて作ったものだ。
現代でいうならICカードケースを模倣したものだ。
スタンドは、ステンド硝子風に作ったので評判が良ければ受注生産したいと考えている。
「これ、どちらも頂いて良いんですか?」
カエサルの言葉に、私は笑みを浮かべて頷いた。
「はい。どうぞお持ち帰り下さいませ。スタンドは、相手の方…この場合は親御様に通信具と一緒にお渡し下さるのが宜しいでしょう。カードケースは、皆様が常に身に付けられるように考慮しました。箱の中に入っている紙は、保証書というもので御座います。一年以内に機械が故障した時に。この保証書を使うことで修理代が安くなります。補償の対象外の事項もあるので、後できちんと確認されることをお勧め致しますわ」
異口同音でありがとうの合唱に悪い気はしない。
アルベルトは、さっそく血を垂らしている。
そして何を思ったのか私に片割れの通信具とスタンドを渡してきた。
「これは?」
「俺は常に城にいるからな。これで使いをやらずに、お前と直接話が出来るだろう」
そう言われて、しまったと心の中で舌打ちした。
「わたくし、多忙な身のため出られないことが多いですよ」
遠回しに渡すんじゃねぇと断るが、グイグイと押し付けてくるので結局受け取る羽目になった。
「……わたくしの用事も終わりましたので帰りますわ。オブシディアン嬢の件もありますので、これで失礼します」
アルベルトが引き止めようとする前に、牽制してさっさと部屋を後にした。
名刺サイズの携帯電話が出来た時は、私も純粋に驚いた。
ただし、王家の家紋をデフォルメして入れるのはタブーなので、アイビーの花に差し替えた。
アルベルト主催のパーティーで名刺に押した花押だ。
アイビーにしたのは、王妃が愛妾を薔薇の宮から追い出しアイビーの宮へ移した経緯を込めた皮肉である。
花言葉までアルベルトは知らないだろ。
ワンボタン携帯には、『所有者の名前←→受発信する相手』となっている。
五家に関しては、紋章を可愛くデフォルメしておいた。
細部まで再現すると時間と金と労力がかかるので低コストで高利益を生むには仕方のないことだ。
是非、スピネル、カルセドニー、カエサル、ルーク、ロンギヌスで宣伝して来て欲しい。
それぞれ、親と通話が出来るように作ったさ。
事前にそれとなく、親御さんにコンタクトを取って試験的に使えないかって相談した上でね。
勝手に高価な物を与えたら、それはそれで色々と問題が浮上するから、その辺りは慎重にならざる得ない。
中身だけ渡しても良かったのだが、プレゼントと言った手前、それはナンセンス。
きちんと化粧箱も用意し、対になった通信具が鎮座している。
プライベート用の3つボタンの付いた通信具は、父を通して王妃様へご機嫌伺いの品として渡しておいた。
教会の不正に関しては怒り心頭だったらしいが、ご機嫌伺いの品で少しだけ緩和されたとのこと。
誤算だったのは、王妃から教会の実権の掌握を急げとの命令が下された事だ。
掌握する気ではいたが、時間をかけてしようと思っていたので、王妃からの横槍に少し…いや。大分イラッとしている。
新体制で動き始めたばかりなので、せっつかれても私の身体は一つしかない。
私は、スーパーウーマンでも未来の猫型ロボットでもない。
本当に無茶を言ってくれる。
内心文句タラタラではあったが、やるしかあるまい。
ユリアをお供に王城へ来ている。
通信具を渡すためだ。
顔馴染みの兵士に護衛され、客間に通されお茶を飲んでいるとアルベルトと側近候補五人と、何故かリズベットがアルベルトにべったりくっついていた。
「あら、婚約者の前で堂々と浮気ですか? 彼女を正妻にしたいなら、わたくしは今すぐ身を引きますわ。これまで殿下に掛けたお金と精神的苦痛を味わった慰謝料はキッチリと請求致しますわね」
コロコロと鈴がなるような声でそう告げると、アルベルトは焦ったように「違う」と連呼している。
「違うも何も、ご令嬢を腕にくっつけて婚約者に会いに来ること自体が失礼でしてよ。少しはマシになったと思ったのに、たった三週間程度会えなかっただけで、尻の軽い女の誘いに乗るなんて男は下半身で生きているって本当なのね」
リズベットを突き飛ばして、私のところに駆け寄り誤解だと喚く姿は駄犬にしては良くやったと褒めるべきだろうか。
「殿下、女性を突き飛ばすのは良くありませんわ」
「あれくらいしないと離れないんだ!」
確かに、リズベットの様子を見る限りではアルベルトの言葉は一理ある。
「それで、オブシディアン嬢はどうしてこちらへ? 王城に上がるのは許された者しか出入りすることは不可能でしてよ」
「お父様が連れて来て下さったのよ! 将来、私がアルベルト様の妻になるんだから当然でしょう」
ほうほう、オブシディアン家はアングロサクソン家に喧嘩を吹っかけて来たと。
上等じゃない。
その喧嘩、買って差し上げましょう。
「婚約者候補なら、その言い訳は通用するかもしれません。ですが、わたくしは正式なアルベルト殿下の婚約者です。愛妾にと殿下が望まれるのであれば吝かではありませんが、その発言はオブシディアン家の総意と取らせて頂いても宜しくて?」
「お父様がそう言っているんだから、そうに決まっているでしょう! 未来の王妃は、私よ! 敬いなさいよ」
子供の癇癪乙!
いいネタをありがとう。
オブシディアン家は、何かと我が家と張り合う割には領地経営も上手く行かず色んな場所から借金していると聞いている。
潰すのは容易いが、時間をかけて真綿で首を絞めるようにジワジワと追い込み出来るだけ金を引っ張ろう。
「分かりました。では、後日その件を交えてお話致しましょう。わたくしと殿下の婚約は国が決めたことですので、当事者である王の代理は王妃様がなさってくれるでしょう。ご自身が、次期王妃に相応しいことを証明して下さいませ。では、御機嫌よう」
パンパンと二回手を馴らすと、外で待機していた護衛が入ってきた。
「オブシディアン嬢を部屋からつまみ出して頂戴。これから殿下達と大切なお話がありますの。ああ、くれぐれも傷は付けない様にお願いしますわ。後から、抗議の手紙が届いても面倒なので」
「ハッ!」
兵は敬礼し、リズベットに「失礼します」と声を掛けて小脇に抱えて退出していった。
いや、お前……そこはお姫様抱っこにしてやろうぜ。
私の時は、普通に抱っこかお姫様抱っこなのに扱いが雲泥の差がある。
「さて、邪魔ものは居なくなりましたわね。あの方が押しかけて来たということは、勉強も捗っていなかったのでは?」
そう問いかけると、神経質な顔を作りながらカルセドニーが同意を示した。
「全くです。いきなり部屋に押しかけて来たかと思うと、殿下にベタベタし始めて訳の分からないことまで言い出して困りました」
「訳の分からないこと?」
「本来なら私がアルベルト様の婚約者になるはずだった、と」
「そう言えば、自分のことはリズと呼べと言ってたな」
ルークが、その時の情景を思い出したように語る。
「愛称は、親しい間でも恋人か婚約者、後家族くらいしか呼ばせない名前ですのに。皆様にも言ったのですか?」
「言われましたね」
スピネルの言葉に、皆嫌そうに同意している。
弱い八歳で尻軽とは、将来はゆる股ビッチの誕生だ。
そんな女に王妃の座を渡したら、私の可愛い天使たちまで害が及んでしまう。
絶対に阻止しなくては!
「皆様、大変でしたね。彼女に関しては、こちらで対処しておきますわ。本日、ここを訪れたのは例の物が出来上がったんですの」
ユリアに目配せをすると、テーブルの上に一つずつ丁寧に化粧箱を置いていく。
化粧箱には、それぞれの家紋が入っているため一目で自分のがどれか分かるだろう。
「リリアン、空けても良いか?」
「どうぞ」
アルベルトの催促に、是と答えると各々が箱を取り中身を空けている。
「……思っていたのと違う」
最初に言葉を発したのは、ロンギヌスだった。
「皆様の家紋は、それぞれ複雑過ぎたので簡略化させて頂きましたわ。とても良い出来だと思いませんか?」
けして可愛いとは言わない。
言ったら作り直しさせられそうだからだ。
「俺よりはマシだと思うぞ」
「あら殿下、わたくしのデザインが気に入らないと言うのですの?」
「い、いや…そんなことはないぞ。ただ、男に花と言うのも不釣り合いだろう」
必死に弁明するアルベルトに笑いを堪えながら、
「その花は、殿下が初めて主催した時のパーティーで名刺に押印されたものですのよ。流石に、王妃様の許可なく家紋を使わせて頂くのは気が引けましたので思い出の花にしたのです。皆様のも、理由の大部分は大体同じですわ」
後半は、大嘘だけどね!
そういうと納得したのか、各々早く使ってみたいのかソワソワしている。
「一つはご自身がお持ち下さい。持ち運べるようにこういう物も用意致しました」
ユリアが、サッとストラップの突いたカードケースと携帯を置けるスタンドを差し出した。
ボタンの部分は繰りぬかれている。
縁と紐は牛の皮を使い、表はスライムの粘液を固めたものを裏は牛の皮を張り合わせて作ったものだ。
現代でいうならICカードケースを模倣したものだ。
スタンドは、ステンド硝子風に作ったので評判が良ければ受注生産したいと考えている。
「これ、どちらも頂いて良いんですか?」
カエサルの言葉に、私は笑みを浮かべて頷いた。
「はい。どうぞお持ち帰り下さいませ。スタンドは、相手の方…この場合は親御様に通信具と一緒にお渡し下さるのが宜しいでしょう。カードケースは、皆様が常に身に付けられるように考慮しました。箱の中に入っている紙は、保証書というもので御座います。一年以内に機械が故障した時に。この保証書を使うことで修理代が安くなります。補償の対象外の事項もあるので、後できちんと確認されることをお勧め致しますわ」
異口同音でありがとうの合唱に悪い気はしない。
アルベルトは、さっそく血を垂らしている。
そして何を思ったのか私に片割れの通信具とスタンドを渡してきた。
「これは?」
「俺は常に城にいるからな。これで使いをやらずに、お前と直接話が出来るだろう」
そう言われて、しまったと心の中で舌打ちした。
「わたくし、多忙な身のため出られないことが多いですよ」
遠回しに渡すんじゃねぇと断るが、グイグイと押し付けてくるので結局受け取る羽目になった。
「……わたくしの用事も終わりましたので帰りますわ。オブシディアン嬢の件もありますので、これで失礼します」
アルベルトが引き止めようとする前に、牽制してさっさと部屋を後にした。
0
お気に入りに追加
2,919
あなたにおすすめの小説
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
言い訳は結構ですよ? 全て見ていましたから。
紗綺
恋愛
私の婚約者は別の女性を好いている。
学園内のこととはいえ、複数の男性を侍らす女性の取り巻きになるなんて名が泣いているわよ?
婚約は破棄します。これは両家でもう決まったことですから。
邪魔な婚約者をサクッと婚約破棄して、かねてから用意していた相手と婚約を結びます。
新しい婚約者は私にとって理想の相手。
私の邪魔をしないという点が素晴らしい。
でもべた惚れしてたとか聞いてないわ。
都合の良い相手でいいなんて……、おかしな人ね。
◆本編 5話
◆番外編 2話
番外編1話はちょっと暗めのお話です。
入学初日の婚約破棄~の原型はこんな感じでした。
もったいないのでこちらも投稿してしまいます。
また少し違う男装(?)令嬢を楽しんでもらえたら嬉しいです。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる