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幼少期
教会の財政を確認する前に整理が必要になってしまった
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ユーフェリアの財務室は、腐海の森だった。
難易度を下げて四桁の計算をさせたが、何時まで経っても答えが返ってこないので、四則演算を一週間以内に覚えて貰うことにした。
財務にいる席を置いている神官や巫女だけでなく、ゆくゆくは教会に仕える者全てを対象にすると宣言した。
一週間後に成果が出せない者は配置換えすると発表したら、これまで財務部で働いていた者からクレームが来た。
「今の体制のままでも、やってこれました。いくら聖女様でも横暴が過ぎます」
「どなたかしら? わたくし、意見して良いとは申し上げておりませんでしてよ」
「それは……」
「まず、お名前を教えて下さらない?」
「ショーン・シェリーです」
「ありがとう御座います。ショーン殿、わたくしは無能が大嫌いなのです。この散乱した書類の中から大切な契約書や帳簿を見つけられるのですか? 探す労力の方が、大変だという事くらい分かってますでしょう。それとも、書類を偽造するおつもりで? このまま働きたいなら、わたくしが教える四則演算を覚えて頂かなくてはなりません。強制ではありませんが、優秀な人材と入れ替えるのはトップとして至極まともな考えですわ」
私に噛みついた神官の顔は覚えた。
一週間後に残っていられるかは、ショーンの努力次第だろう。
「法王様、計算の指南役はアングロサクソン家から派遣致しますわ。平等に勉強が出来るように時間を調整をお願いしますわ。わたくしは、出来るだけこの書類の山を片付けます」
精霊を通して計算ができる者とソロバン・帳簿用の紙を持ってくるようにお願いした。
派遣された人に関しては、四則演算が出来るようになった人数分だけ大銀貨一枚支給する旨も付け加えると意外と乗ってくれる人が多くて助かった。
直ぐに動けるのが五人なので、本部までご足労願った。
その間、私は空き箱を用意して貰い分別を行った。
まずは必要か不要かの二択で行う。
不要なものの中から、契約書や必要な書類が紛れてないか確認して処分させる。
必要なものから、契約書だけ抜き出して別の箱に入れる。
「貴方は、契約書を古い順番から重ねて一年毎に分けてこの箱に入れて頂戴」
「この仕切りは何でしょうか?」
「出っ張っているところに神聖年号を書くの。箱の表面に『契約書何年~何年分』と書いておけば探すのに苦労しないでしょう」
「成るほど。確かに分かりやすいし、探しやすいです」
仕分け作業で丸一日潰れた。
我が家の従事者たちが、書類の束を持って教会の門を叩いたと連絡が来たので出迎えに行った。
「ユリア、貴女も来ていたのね」
「旦那様より暴走しないかも兼ねてのみは……お手伝いです」
お前、今見張りって言いそうになったよな?
ジト目でユリアを見ると、目を泳がせている。
「それより、帳簿用紙をありったけ持ってきましたが何をなさるんですか?」
「ああ、教会の財務を覗かせて貰ったらグチャグチャだったからテコ入れしようと思って」
そう答えると、ユリアの目が死んだ魚のように変貌した。
「私、帰って良いですか?」
「駄目よ。来たなら手伝いなさい。財務に携わっていた者達に、四則演算を覚えさせた人数分だけ大銀貨一枚特別給付されるわよ。ここで働いている間も給金は発生するし、稼ぐチャンスだと思うのだけど」
「やります!」
相変わらず現金な奴だ。
「帳簿用紙は、そこの机の上に置いておいて頂戴。足りなくなる前に連絡を入れるわ。貴方達は一週間、教会で泊って彼らに付きっ切りで教えてあげて。6桁の計算が出来るようになったら者から、戻ってきて良いわ」
「聖女様は、その間はどうなさるのですか?」
「わたくし? わたくしは、この部屋に泊まり込んで書類を片付けるわ。ソファーもあるし」
私の答えにアングロサクソン家の従事者以外は、大層驚いている。
「いけません。身体に触ります」
「ちゃんと寝るわよ。見張りは付けてくれれば良いから。さっさと、ここを片付けないと収支が分からないじゃない。それに変な契約とか交わしていたりしたら、わたくしに迷惑がかかるのよ。分かったら、さっさと出て行きなさい。仕事の邪魔よ」
財務室に居た人間を全員追い出して、精霊に入って来れない様に見張りを頼んだ。
「さあ、チート無双の時間よ」
索敵魔法の応用で対象物を契約書のみに絞ると、情報量が半端なかった。
流れてくる情報に頭に鈍痛が走るが、我慢して書類の山から契約書のみをより分けた。
「ノーム、これくらいの箱を作って欲しいんだけど」
「呼んだか? その程度なら下級精霊でも作れるだろう」
「下級精霊達には、他にやって貰いたいことがあるからノームに頼んでいるの。仕切り板も作れる? こんな感じで薄い板」
「出来るぞ。強度はどうする?」
「軽くて硬いやつでお願い。出っ張りの部分は年号を入れてくれる?」
「了解した」
私は、精霊達に手伝って貰いながら書類整理を片っ端から行った。
難易度を下げて四桁の計算をさせたが、何時まで経っても答えが返ってこないので、四則演算を一週間以内に覚えて貰うことにした。
財務にいる席を置いている神官や巫女だけでなく、ゆくゆくは教会に仕える者全てを対象にすると宣言した。
一週間後に成果が出せない者は配置換えすると発表したら、これまで財務部で働いていた者からクレームが来た。
「今の体制のままでも、やってこれました。いくら聖女様でも横暴が過ぎます」
「どなたかしら? わたくし、意見して良いとは申し上げておりませんでしてよ」
「それは……」
「まず、お名前を教えて下さらない?」
「ショーン・シェリーです」
「ありがとう御座います。ショーン殿、わたくしは無能が大嫌いなのです。この散乱した書類の中から大切な契約書や帳簿を見つけられるのですか? 探す労力の方が、大変だという事くらい分かってますでしょう。それとも、書類を偽造するおつもりで? このまま働きたいなら、わたくしが教える四則演算を覚えて頂かなくてはなりません。強制ではありませんが、優秀な人材と入れ替えるのはトップとして至極まともな考えですわ」
私に噛みついた神官の顔は覚えた。
一週間後に残っていられるかは、ショーンの努力次第だろう。
「法王様、計算の指南役はアングロサクソン家から派遣致しますわ。平等に勉強が出来るように時間を調整をお願いしますわ。わたくしは、出来るだけこの書類の山を片付けます」
精霊を通して計算ができる者とソロバン・帳簿用の紙を持ってくるようにお願いした。
派遣された人に関しては、四則演算が出来るようになった人数分だけ大銀貨一枚支給する旨も付け加えると意外と乗ってくれる人が多くて助かった。
直ぐに動けるのが五人なので、本部までご足労願った。
その間、私は空き箱を用意して貰い分別を行った。
まずは必要か不要かの二択で行う。
不要なものの中から、契約書や必要な書類が紛れてないか確認して処分させる。
必要なものから、契約書だけ抜き出して別の箱に入れる。
「貴方は、契約書を古い順番から重ねて一年毎に分けてこの箱に入れて頂戴」
「この仕切りは何でしょうか?」
「出っ張っているところに神聖年号を書くの。箱の表面に『契約書何年~何年分』と書いておけば探すのに苦労しないでしょう」
「成るほど。確かに分かりやすいし、探しやすいです」
仕分け作業で丸一日潰れた。
我が家の従事者たちが、書類の束を持って教会の門を叩いたと連絡が来たので出迎えに行った。
「ユリア、貴女も来ていたのね」
「旦那様より暴走しないかも兼ねてのみは……お手伝いです」
お前、今見張りって言いそうになったよな?
ジト目でユリアを見ると、目を泳がせている。
「それより、帳簿用紙をありったけ持ってきましたが何をなさるんですか?」
「ああ、教会の財務を覗かせて貰ったらグチャグチャだったからテコ入れしようと思って」
そう答えると、ユリアの目が死んだ魚のように変貌した。
「私、帰って良いですか?」
「駄目よ。来たなら手伝いなさい。財務に携わっていた者達に、四則演算を覚えさせた人数分だけ大銀貨一枚特別給付されるわよ。ここで働いている間も給金は発生するし、稼ぐチャンスだと思うのだけど」
「やります!」
相変わらず現金な奴だ。
「帳簿用紙は、そこの机の上に置いておいて頂戴。足りなくなる前に連絡を入れるわ。貴方達は一週間、教会で泊って彼らに付きっ切りで教えてあげて。6桁の計算が出来るようになったら者から、戻ってきて良いわ」
「聖女様は、その間はどうなさるのですか?」
「わたくし? わたくしは、この部屋に泊まり込んで書類を片付けるわ。ソファーもあるし」
私の答えにアングロサクソン家の従事者以外は、大層驚いている。
「いけません。身体に触ります」
「ちゃんと寝るわよ。見張りは付けてくれれば良いから。さっさと、ここを片付けないと収支が分からないじゃない。それに変な契約とか交わしていたりしたら、わたくしに迷惑がかかるのよ。分かったら、さっさと出て行きなさい。仕事の邪魔よ」
財務室に居た人間を全員追い出して、精霊に入って来れない様に見張りを頼んだ。
「さあ、チート無双の時間よ」
索敵魔法の応用で対象物を契約書のみに絞ると、情報量が半端なかった。
流れてくる情報に頭に鈍痛が走るが、我慢して書類の山から契約書のみをより分けた。
「ノーム、これくらいの箱を作って欲しいんだけど」
「呼んだか? その程度なら下級精霊でも作れるだろう」
「下級精霊達には、他にやって貰いたいことがあるからノームに頼んでいるの。仕切り板も作れる? こんな感じで薄い板」
「出来るぞ。強度はどうする?」
「軽くて硬いやつでお願い。出っ張りの部分は年号を入れてくれる?」
「了解した」
私は、精霊達に手伝って貰いながら書類整理を片っ端から行った。
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