3 / 4
交換日記
しおりを挟む
夏休み......先生が突然の出張で
先生が見る筈のクラスで
飼育していた金魚の世話が出来なくなり
飼育係りの私と一ノ瀬くんに急遽
先生の代わりに一週間お世話する事に
「水!汲んでくる来るから、
金魚バケツに、入れといて!」
一ノ瀬くんに言われるまま私は......
手元が狂い、金魚が床に......
ちょうど水汲みから、戻って来た
一ノ瀬くん
「あっ!死んじゃう、死んじゃう!」
と咄嗟に素手で金魚を掴むとバケツの中に
私は......
「ごっ......ごめんなさい!」
「でも、一ノ瀬くん......」
「智也で、いいよ!」
「えっ?」
「僕も......茜ちゃんって!呼んでるし!」
また少し頬を赤らめ俯き加減に頷くと
「とっ 智也くん」
胸の鼓動と共に一段と赤さが増して
でも......もっと......もっと
智也くんと......おしゃべりしたい
私は大きく息を吸い込むと
「すっ......凄いね!素手で掴んで......」
「これくらい......どうて事ないよ!」
はにかんだ笑顔が教室の窓から差し込む
日差しに照らされてキラキラしながら
「カエルも掴めるよ!」
私は必死で首を横に振りながら
「えっ!むり!むり!」
突然、私の目を見ながら......
「茜ちゃんと やっと会話が出来た!」
「茜ちゃんの事!もっと......知りたい!」
「わっ......私......もっ」
私は、ふとクラスで流行っている
交換日記を思い出して
「とっ、智也くん」
「よかったら......こっ......交換日記......
してくれませんか?」
いっ言えた!
ドキドキして気が......遠くなりそう!
「いいね!日記なら言いづらい事も
書けそうだし......やろう!」
「お互いの机の中に入れっこして」
「うん!」
私は大きく頷きました!
山登りで大きな声を出した経験が
私にほんの少し勇気をくれた......
私は心の底から嬉しくて......
こうして新学期から交換日記をする約束を
した私たち!
色んなことを、知りたい!
私の、わくわくした気持ちと、
綺麗になった水槽で気持ち良さそうに
泳ぐ金魚が尾びれをフリフリしながら
楽しそうに泳いでいるのを見て
私もウキウキした気分になりました。
新学期!真新しい日記帳!
誕生日は?星座は?好きなアイドルは?
好きな色は......
私は、赤...... 赤が好き!
直ぐに赤くなる顔は嫌いだけど......
色は......好き!だから、いつも
赤いリボンを身に着けてる!
私も......智也くんのこと......知りたい
好きなスポーツは何ですか?
好きな食べ物はなんですか?
好きなタイプは?
「明るくて!可愛い子!」
私は......明るい?......可愛い?
直ぐに赤くなって!
言葉も少ない私を......
一ノ瀬くんは......気に入ってくれてるの?
不安ばかりが......
交換日記を始めて幾日か経った頃
いつもの様に日記を入れようとした時
あっ!
昨日 席替えをしたのを忘れてた!
確か......私の斜め後ろの...... 横?
私は机の中を覗き何も入って無い机!
「智也くんは、置き教科書とかし無いし」
そっと日記を入れました。
皆んなが登校して来た頃、事件が......
「うん?なんだコレ!
コレって交換日記か?」
声をあげたのは大森 徹くん
やがて男の子たちの人集りが出来!
悪ふざけが!始まった!
「おいイニシャルが書いてあるぜ!」
「A.K & T.I」
「A.Kって、茜ちんじゃね!」
「じゃT.I は一ノ瀬......転校生か!」
「ヒューヒュー」
もう大騒ぎ......
騒ぎを聞き付け、なっちんが
「人の日記 読むなんて、サイテー」
「返してやんなよー」
つかみ合いになり
やがて日記は台紙からノートの糸が
ほつれ日記がバラバラに......
足跡が無数につき......ボロボロに......
「お前が、引っ張るからだぞ!
夏美のせいだからな!知らねからな!」
そう言って男の子たちは消えて行った。
教室に戻った私は......
「茜ちん取り返したけど......
ごめん、ごめんね!」
私は溢れる涙が抑えられず......
間違えて机に入れたから......
なっちんは悪くない......
でも!
どうコントロールしていいか、
わからない、感情が堪えきれず......
独特な雰囲気の中、
智也くんが教室に入ってきた!
ただならぬ様子に、気付き
智也くんが泣いてる私に駆け寄った!
私は......
「智也くん!ごめん!ごめんなさい!
智也くんの書いてくれた事
全部...... こんな事に......
私が間違えて違う子の机に入れたから......
ごめん!ごめんなさい」
私は涙で顔があげられず、教室全体も
異様な雰囲気に......
でも、智也くんの落ち着いた声が
不安な空気を変えてくれました。
「大丈夫!日記は無くならないよ!」
「茜ちゃんが書いてくれた事
全部! 僕の中に......」
そう言と指先を頭と......そして......
ゆっくり手のひらを胸に当て
「ここに...... あるから」
どれだけ智也くんの言葉に救われたか
少し背伸びした
乙女心に
敏感に
伝わりました。
先生が見る筈のクラスで
飼育していた金魚の世話が出来なくなり
飼育係りの私と一ノ瀬くんに急遽
先生の代わりに一週間お世話する事に
「水!汲んでくる来るから、
金魚バケツに、入れといて!」
一ノ瀬くんに言われるまま私は......
手元が狂い、金魚が床に......
ちょうど水汲みから、戻って来た
一ノ瀬くん
「あっ!死んじゃう、死んじゃう!」
と咄嗟に素手で金魚を掴むとバケツの中に
私は......
「ごっ......ごめんなさい!」
「でも、一ノ瀬くん......」
「智也で、いいよ!」
「えっ?」
「僕も......茜ちゃんって!呼んでるし!」
また少し頬を赤らめ俯き加減に頷くと
「とっ 智也くん」
胸の鼓動と共に一段と赤さが増して
でも......もっと......もっと
智也くんと......おしゃべりしたい
私は大きく息を吸い込むと
「すっ......凄いね!素手で掴んで......」
「これくらい......どうて事ないよ!」
はにかんだ笑顔が教室の窓から差し込む
日差しに照らされてキラキラしながら
「カエルも掴めるよ!」
私は必死で首を横に振りながら
「えっ!むり!むり!」
突然、私の目を見ながら......
「茜ちゃんと やっと会話が出来た!」
「茜ちゃんの事!もっと......知りたい!」
「わっ......私......もっ」
私は、ふとクラスで流行っている
交換日記を思い出して
「とっ、智也くん」
「よかったら......こっ......交換日記......
してくれませんか?」
いっ言えた!
ドキドキして気が......遠くなりそう!
「いいね!日記なら言いづらい事も
書けそうだし......やろう!」
「お互いの机の中に入れっこして」
「うん!」
私は大きく頷きました!
山登りで大きな声を出した経験が
私にほんの少し勇気をくれた......
私は心の底から嬉しくて......
こうして新学期から交換日記をする約束を
した私たち!
色んなことを、知りたい!
私の、わくわくした気持ちと、
綺麗になった水槽で気持ち良さそうに
泳ぐ金魚が尾びれをフリフリしながら
楽しそうに泳いでいるのを見て
私もウキウキした気分になりました。
新学期!真新しい日記帳!
誕生日は?星座は?好きなアイドルは?
好きな色は......
私は、赤...... 赤が好き!
直ぐに赤くなる顔は嫌いだけど......
色は......好き!だから、いつも
赤いリボンを身に着けてる!
私も......智也くんのこと......知りたい
好きなスポーツは何ですか?
好きな食べ物はなんですか?
好きなタイプは?
「明るくて!可愛い子!」
私は......明るい?......可愛い?
直ぐに赤くなって!
言葉も少ない私を......
一ノ瀬くんは......気に入ってくれてるの?
不安ばかりが......
交換日記を始めて幾日か経った頃
いつもの様に日記を入れようとした時
あっ!
昨日 席替えをしたのを忘れてた!
確か......私の斜め後ろの...... 横?
私は机の中を覗き何も入って無い机!
「智也くんは、置き教科書とかし無いし」
そっと日記を入れました。
皆んなが登校して来た頃、事件が......
「うん?なんだコレ!
コレって交換日記か?」
声をあげたのは大森 徹くん
やがて男の子たちの人集りが出来!
悪ふざけが!始まった!
「おいイニシャルが書いてあるぜ!」
「A.K & T.I」
「A.Kって、茜ちんじゃね!」
「じゃT.I は一ノ瀬......転校生か!」
「ヒューヒュー」
もう大騒ぎ......
騒ぎを聞き付け、なっちんが
「人の日記 読むなんて、サイテー」
「返してやんなよー」
つかみ合いになり
やがて日記は台紙からノートの糸が
ほつれ日記がバラバラに......
足跡が無数につき......ボロボロに......
「お前が、引っ張るからだぞ!
夏美のせいだからな!知らねからな!」
そう言って男の子たちは消えて行った。
教室に戻った私は......
「茜ちん取り返したけど......
ごめん、ごめんね!」
私は溢れる涙が抑えられず......
間違えて机に入れたから......
なっちんは悪くない......
でも!
どうコントロールしていいか、
わからない、感情が堪えきれず......
独特な雰囲気の中、
智也くんが教室に入ってきた!
ただならぬ様子に、気付き
智也くんが泣いてる私に駆け寄った!
私は......
「智也くん!ごめん!ごめんなさい!
智也くんの書いてくれた事
全部...... こんな事に......
私が間違えて違う子の机に入れたから......
ごめん!ごめんなさい」
私は涙で顔があげられず、教室全体も
異様な雰囲気に......
でも、智也くんの落ち着いた声が
不安な空気を変えてくれました。
「大丈夫!日記は無くならないよ!」
「茜ちゃんが書いてくれた事
全部! 僕の中に......」
そう言と指先を頭と......そして......
ゆっくり手のひらを胸に当て
「ここに...... あるから」
どれだけ智也くんの言葉に救われたか
少し背伸びした
乙女心に
敏感に
伝わりました。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
偽りの フェイス
ひじり つかさ
恋愛
容姿に自信が無い少女の、つかさは 学年王子と
呼ばれる少年 ハルトに 恋をしました。
しかし ハルトは一年前に想い人を亡くし
心に深い哀しみを 負ってしまいました。
不思議な体験で知り合った少女 つばさに 出会い その後押しで 告白をする決心をした つかさ
しかし つばさは 一年前にハルトに告白しようとして
亡くなった ハルトの想い人でした。
この物語は、心の選択肢「容姿か内面か」で、
偽りの容姿を選んだ少女が、苦悩し傷付きながらも
友情や哀情に触れ、やがて内なる心を信じ
真実の愛情を紡ぐ少女の、お話しです。
〜登場人物〜
主要人物
天城つかさ 本作のヒロイン
高校二年生 身長155cm 優しいく明るい性格ですが
容姿に自信が無く告白に勇気が持てないでいた
天宮つばさ 本作のもう1人のヒロイン
学年クイーンと呼ばれる程の容姿端麗の持ち主
身長158cm 亡くなった時は高校一年の2月
青山ハルト
学年王子と呼ばれる程の眉目秀麗な持ち主
高校三年生 身長178cm つばさを亡くして以後
その瞳から輝きを失った
学校同級生
小町夏希 つかさの友人 人懐っこい性格
学校上級生
小町五月 夏希の姉 姉御肌でサバサバした性格
芹沢純奈 学年準クイーンでスタイル抜群と素晴らしい美貌の持ち主ですが、お嬢様気質で、プライドも高い
つばさの母
主人とは死別、最愛の娘を不慮の事故で亡くし
失意の中、娘にそっくりのつかさに出会い
周囲が一変する
世話好きで、つかさを娘の様に気にかけてくれる
【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~
蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。
なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?!
アイドル顔負けのルックス
庶務課 蜂谷あすか(24)
×
社内人気NO.1のイケメンエリート
企画部エース 天野翔(31)
「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」
女子社員から妬まれるのは面倒。
イケメンには関わりたくないのに。
「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」
イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって
人を思いやれる優しい人。
そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。
「私、…役に立ちました?」
それなら…もっと……。
「褒めて下さい」
もっともっと、彼に認められたい。
「もっと、褒めて下さ…っん!」
首の後ろを掬いあげられるように掴まれて
重ねた唇は煙草の匂いがした。
「なぁ。褒めて欲しい?」
それは甘いキスの誘惑…。
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる