3 / 4
3話
アダルト バレンタイン
しおりを挟む
アダルト バレンタイン
入社して数年
デスクのカレンダーに目を向ける
2月14日...... バレンタインデー
今日は浮かれリア充の日かぁ~
モテない歴十数年の俺には忌むべき日だ
今日は定時で帰れるかなぁ......
○○くん ちょっと
あまり聞き慣れたくない上司の声
「悪いけど今日中に この資料まとめ
といてくれるかな」
断れるはずもなく
ズシリと重い書類を持って
デスクに戻ると腐れ縁の同僚
「悪りぃ!今日デートなんだよ!
コレ頼むよ」
手には数枚の書類
シングルな俺は格好のカモかぁ?
「今度 埋め合わせすぅから」
そう言うとドアの向こうに消えて行った
ため息混じりに、こなす仕事
どのくらい時間が経っただろう
ぼーっとした頭と重い目頭
トントン
突然 肩を叩かれ 振り返ると
そこには......
この部署で一二を争う美人の先輩
「ねっ!一息しない?」
オフィスの隅のスタンドで
重い目頭を指でマッサージ
首をゆっくり回しながら
珈琲を入れてくれる先輩を横目に
その胸元には小さなネックレス
その奥は......見ては...... ......
突然顔を上げた先輩に
慌てて目線を逸らす俺
「あと どのくらい?」
「あぁ~ あと
小一時間くらいですかねぇ」
「じゃ!珈琲と甘い物で
ラストスパートだね」
今日はバレンタイン
ふと頭をよぎった......思い
「先輩みたいに美人な人から
バレンタインチョコ貰える彼氏さんは
幸せだろうなぁ~ なんて」
「彼氏なんて いないよ!」
「えっ」
心の声が...もっ もれてた
「チョコは渡したけどね」
なん なんだ 渡す人
いるんじゃないですか
一瞬 喜んで 一気に落とされた
「でも まだ 食べてもらって無いけど
...... ...... それ」
白く細い指先の...
その先を...
目で追うと......
さっき先輩が入れてくれた珈琲と......
あまいチョコ
「こっ コレ バレンタイン?」
慌てふためく俺の顔を 覗き込む先輩
「あらっ 不満」
「じゃ......その包み紙
大事に持っててよ」
「来年 本気のチョコの交換チケット
それなら......どう?」
「あざます」 即答の俺!
「じゃ!ラストスパート頑張ってね」
ほのかな香りだけを残し......
腕まくりをして
次の瞬間 心の中で
ガッツポーズ
「よっしゃゃゃゃ」
まだ寒いオフィス
モテないくんに訪れた
一足早い 春の訪れ
ハッピー ハッピー バレンタイン
入社して数年
デスクのカレンダーに目を向ける
2月14日...... バレンタインデー
今日は浮かれリア充の日かぁ~
モテない歴十数年の俺には忌むべき日だ
今日は定時で帰れるかなぁ......
○○くん ちょっと
あまり聞き慣れたくない上司の声
「悪いけど今日中に この資料まとめ
といてくれるかな」
断れるはずもなく
ズシリと重い書類を持って
デスクに戻ると腐れ縁の同僚
「悪りぃ!今日デートなんだよ!
コレ頼むよ」
手には数枚の書類
シングルな俺は格好のカモかぁ?
「今度 埋め合わせすぅから」
そう言うとドアの向こうに消えて行った
ため息混じりに、こなす仕事
どのくらい時間が経っただろう
ぼーっとした頭と重い目頭
トントン
突然 肩を叩かれ 振り返ると
そこには......
この部署で一二を争う美人の先輩
「ねっ!一息しない?」
オフィスの隅のスタンドで
重い目頭を指でマッサージ
首をゆっくり回しながら
珈琲を入れてくれる先輩を横目に
その胸元には小さなネックレス
その奥は......見ては...... ......
突然顔を上げた先輩に
慌てて目線を逸らす俺
「あと どのくらい?」
「あぁ~ あと
小一時間くらいですかねぇ」
「じゃ!珈琲と甘い物で
ラストスパートだね」
今日はバレンタイン
ふと頭をよぎった......思い
「先輩みたいに美人な人から
バレンタインチョコ貰える彼氏さんは
幸せだろうなぁ~ なんて」
「彼氏なんて いないよ!」
「えっ」
心の声が...もっ もれてた
「チョコは渡したけどね」
なん なんだ 渡す人
いるんじゃないですか
一瞬 喜んで 一気に落とされた
「でも まだ 食べてもらって無いけど
...... ...... それ」
白く細い指先の...
その先を...
目で追うと......
さっき先輩が入れてくれた珈琲と......
あまいチョコ
「こっ コレ バレンタイン?」
慌てふためく俺の顔を 覗き込む先輩
「あらっ 不満」
「じゃ......その包み紙
大事に持っててよ」
「来年 本気のチョコの交換チケット
それなら......どう?」
「あざます」 即答の俺!
「じゃ!ラストスパート頑張ってね」
ほのかな香りだけを残し......
腕まくりをして
次の瞬間 心の中で
ガッツポーズ
「よっしゃゃゃゃ」
まだ寒いオフィス
モテないくんに訪れた
一足早い 春の訪れ
ハッピー ハッピー バレンタイン
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる