料理人がいく!

八神

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番外編『魔法使いがいく!』

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「ほ、報告!せ、聖騎士殿が…どうやら敗北したようです!」

「なんだと!?あの、聖騎士が…あの化物が、敗けただと!?」

「し、司令官…!ここは撤退した方が…!」

「敵が王都を包囲する前に、どうぞご決断を…!」


聖騎士が敗れ去ってから数分後。


A国の王都内、要人達が集まる会議室内は混乱に包まれていた。


「…くっ…!どこだ!どこで作戦が狂った!?完璧だったはず!あと港町一つを残すのみだったはずでは…!!」

「司令官!少しでも早く英断を!」


悔しがるおじさんを急かすように周りの人達が指示を求める。


その頃、王都の外では…


「北より王都包囲作戦の部隊が到着した。と報告がありました」

「同じく西より、部隊が到着したとの報告が!」

「東側はあと一時間もしない内に到着するようです!」


敵の陣営の捕縛作戦を見ながら彼は兵士達から次の作戦への準備状況の報告を受けていた。


「残るは南か…人数は?」

「北より1800名、東より3300名、西より3100名、南より800名…我々を合わせて計9005名となります」


彼の問いに兵士は捕虜の運搬時の人数を差し引いた数字で報告する。


「敵の数の推測は?」

「はっ!王都内の兵数はおよそ3000から5000ほどだと思われます!」

「…そうか、部隊は到着次第待機。これより第二作戦、降伏の勧告を始める」

「…分かりました」


彼は兵士の報告を受けて近くにいた『大将』と表示されてる男に指示をした。


「…では、参りましょうか」

「本当に私が行かねばならんのか!?」

「お嬢様、私も付いて参りますので…」


『大将』と表示されてる男の言葉に少女が抵抗するも護衛の青年に諭される。


「なぜ私なのだ!」

「相手のご指名なので…戦闘能力の無い人間を使者にしないと話を聞かない、と…」

「だが…!」


青年が宥めるように言うも、やはり命がかかってるからか少女はゴネる。


「俺が行ってもいいが、戦いになれば城下町や城が大変な事になるぞ。それでもいいか?」

「…うー…!」

「我が娘よ、戦争とてルールはある…使者を傷つけようものなら世界各国から非難を浴びるのだ」

「…お父様……分かりました。例えコレで死んでも名誉な戦死…私も王族として恥ずかしくない行動を取ります!」


彼と王様による説得で覚悟が決まったのか少女は恐怖心を打ち消すように声を張った。
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