クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
555 / 556
余談

おまけ 6

しおりを挟む
「ど、どういう事だ?」

「腹違いって事は連れ子ってこと?」

「ん~…どう説明したものかな…とりあえず全員父親は一緒だけど母親が違う」


藤原と深山の問いに俺は少し考えて簡単に説明する。


「ええ…なかなかに複雑な…」

「…お前結構エグめな家庭環境だったのな…」

「って事は…このアパートの持ち主のお爺ちゃんは海原君の父親の父親?」

「そうなるな」


藤原がなんとも言えないような顔で呟くと柴田も同様に同情したような感じで呟き、斉藤の問いに肯定して返す。


「妹とか弟って全員で何名?」

「7人いる」

「「「「なな!?」」」」

「そんなに!?」

「多いな!」


清水の問いに俺が答えると永江を除く女子達が同時に驚き、柴田や藤原も驚く。


「…あれ?このアパートって入居者が8名いるんだよね?弟達が7名ってことは…」

「あ、そっか!お母さん達は?」

「いない」

「「「「いない!!??」」」」


佐藤が疑問を呟くと住吉が疑問を尋ねるので俺が答えるとまたしても永江と高木以外のみんなが驚いた。


「いやいや!いやいやいや!ちょっと待て!おかしいだろ!」

「お前の家庭環境特殊過ぎねー!?マジでどうなってんの!?」

「簡単に言うと俺の父親は女好きでとんでもなく下半身が緩いらしくてな。色んな女性と寝て、結果子供が出来たらシングルマザーじゃ無理だと施設送りよ」

「お前施設出身だったの!?」

「やべー、情報量が多過ぎて頭が追いつかねー…」


柴田と藤原のツッコむような問いに俺が軽い感じで話すと藤原が更に驚き、柴田は額を抑えながら呟く。


「んで、一応血は繋がってるからって事で爺さんが秘書とかに調べさせて施設から拾ってくんのよ。もちろんDNA鑑定して」

「…それでココに海君含めて今8人いるの?」

「おう。まだ会った事はねーが、俺の上に大学生と社会人になる兄と姉が3人いるらしい」

「まだいんの!?」

「おめーの父ちゃんすげーな…」


俺が説明を続けると深山が聞いてくるので他の兄弟について話すと柴田がまた驚き、藤原はもはや呆れながら呟いた。


「多分下手したら全国の施設内にまだ何人かいるかもしれねーし、ちゃんと親に育てられてるのも何人かいるかもしれん」

「「「「あー…」」」」


俺の予想にやっぱり永江以外のみんなの納得したような反応が被る。


「爺さんも孫が全部で何人いるか把握しきれてないらしいし、俺の父親に至っては子供が何人居ようがどうでもいいから気にしないみたいだしな」

「うわー…」

「それって男としてどうなの…?」

「まあハーフが居ない、ってのは確からしい。本当かどうか分からんけど」


俺が話を締めるように言うと永江を除く女子達がドン引きし、清水と佐藤が呟くので俺は補足としてどうでもいい情報を話す。


「つーか、じゃあ生活とかどうしてんの?親居ないんだろ?」

「みんなで共同生活よ。一番下の弟の部屋に集まってみんなで寝て、下から二番目の妹の部屋に集まって食事する」

「…あー…どおりでおめーあの世界でシェアハウスに慣れてたワケだ」

「そんな家庭環境ならシェアハウス経験者って事になるからな」


柴田の問いに俺が説明するように答えると二人とも納得したように笑う。


「飯なんて米さえ炊ければ後は適当に惣菜とか冷凍食品で良いわけだし」

「…確かに」

「一番面倒なのは洗濯だな。量が多いのなんのって…」

「海原なんか主婦みたい」

「一番年長者みたいだしね」


共同生活の実態を話すと佐藤と清水が弄るように笑いながら返した。


「そういや金はどうしてんの?それも爺さんが?」

「おう。一人あたり10万ぐらい振り込まれるから8人で月80万ぐらいだな」

「おおー…結構貰えるんだな」

「でも18歳までだから…大学の費用からは生活費も含めて自腹になる」


まあそのための費用は貯めてんだけど。と、俺は金についての疑問に答える。


「…なるほどね。お前があの世界で金の管理がしっかりしてる理由が分かったわ」

「…つーか家庭環境だけじゃなく生活環境も特殊過ぎるわ」

「海原君、結構大変だったんだね…」

「私達と同じ歳で弟とか妹の親代わりって凄いなぁ…」


藤原の感心したように言うと柴田が笑いながら俺を弄るように…ツッコミを入れるかのように言い、斉藤と深山も感心したように呟く。


「住むトコと金に困らなかっただけまだマシだな。とりあえず永江の生活費は今は俺がなんとか出来るが…卒業後はどうなるか分からんぞ」

「あ…」

「う…」

「そ、そっか…今の内に考えとかなきゃ…」


俺はまだ幸運な方である事を言いながら将来について釘を刺すと斉藤や住吉、深山が困ったような顔で呟いた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

王家から追放された貴族の次男、レアスキルを授かったので成り上がることにした【クラス“陰キャ”】

時沢秋水
ファンタジー
「恥さらしめ、王家の血筋でありながら、クラスを授からないとは」 俺は断崖絶壁の崖っぷちで国王である祖父から暴言を吐かれていた。 「爺様、たとえ後継者になれずとも私には生きる権利がございます」 「黙れ!お前のような無能が我が血筋から出たと世間に知られれば、儂の名誉に傷がつくのだ」 俺は爺さんにより谷底へと突き落とされてしまうが、奇跡の生還を遂げた。すると、谷底で幸運にも討伐できた魔獣からレアクラスである“陰キャ”を受け継いだ。 俺は【クラス“陰キャ”】の力で冒険者として成り上がることを決意した。 主人公:レオ・グリフォン 14歳 金髪イケメン

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

どこかで見たような異世界物語

PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。 飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。 互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。 これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
 ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。  そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。  その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。  そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。  アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。  これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。  以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。

ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す

名無し
ファンタジー
 ダンジョン菌が人間や物をダンジョン化させてしまう世界。ワクチンを打てば誰もがスレイヤーになる権利を与えられ、強化用のクエストを受けられるようになる。  しかし、ワクチン接種で稀に発生する、最初から能力の高いエリート種でなければクエストの攻略は難しく、一般人の佐嶋康介はスレイヤーになることを諦めていたが、仕事の帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったことで運命が変わることになる。

処理中です...