クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
511 / 556

511

しおりを挟む
「…しょーがねーな…ほらよ」

「おっ!ありがとよ!流石海原!」


俺が金貨二万枚の入った袋を投げると駒込は上手くキャッチしてお礼を言う。


「お前らが金に困って犯罪とかをやらかされて困るし」

「『ノブレスオブリージュ』とかいうやつか?まあなんでもいいか。これで食費の心配をしなくて済んだ!ありがとよ!」

「無駄遣いすんなよ」

「分かってるって」


金を渡す理由を話すと良く分からん事を言われたが、とりあえずもう一回釘を刺すと駒込は笑いながら返して歩いて行く。


「…ふん、随分お優しい事だな」

「あ?…なんだ灰村か。お前も金に困ってんのか?」


すると後ろから声をかけられたので振り向くと灰村が居て俺は弄るように聞いた。


「はっ、成金の発想だな。ちょっと小金持ちになったからって調子に乗ってんじゃねぇぞ」

「へーへー調子に乗ってすいませんね。で?金をせびりに来たんじゃねーんなら何の用だ?」

「お前がこの拠点で一番偉いってのは本当か?」


灰村は鼻で笑った後に否定するので俺が用件を聞くと意味不明な確認をしてくる。


「まあ俺らがこの拠点を作ったからな。なんか聞いてほしいお願いでもあんのか?」

「…お前田村って覚えてるか?」

「田村?クラスメイトのか?」

「ああ。どうやらこの世界でも石上達にイジメられてるようだ。弱い者イジメなんて見てて気持ちの良いものでもないからな…一応報告はした」


俺の問いに灰村はクラスメイトのイジメ問題を報告してどっかに歩いて行った。


「…イジメ、ねぇ…」


灰村が予想外の事を言ってくるので俺は少し考えるように呟いた。


「…うーん……誰かに聞いてみるか」


解決法を考えながら歩くもまずは真偽を確かめないといけないので、俺はスマホを取り出して飯島に電話をかける。


「…もしもし?」

「あ、委員長今大丈夫?」

「うん」

「田村って覚えてる?クラスメイトの」

「うん。今石上くんや山本くん達とパーティ組んでるあの田村くんでしょ?」


飯島にクラスメイトの事を尋ねるとまさかの情報が。


「…マジか」

「どうかした?」

「いや…ちょっと灰村から聞いてな。田村がパーティに馴染めてない的な事言ってたから」

「そうなの?この世界に来てからもずっと同じパーティで一緒に行動してる、って聞いたけど」


俺がちょっとボカしながら聞くと飯島は更にヤバげな事を話してきた。


「…じゃあ田村は結構パーティに馴染めてる感じ?」

「この前依頼で一緒に行動した時には石上くん達は『親友のように仲良くしてる』って言ってたよ。田村くんは荷物持ちとかさせられて愛想笑いしてたけど…」

「…いや、それって…」

「結構ギスギスした感じもあったし、イジメかな?っても思ったけど、海原くん達もそんな感じの時があるって言ってからそれが普通かな?って」

「…ああ…」


どうやら委員長も灰村と同じく石上達のイジメを疑ったようだが…


俺らのせいで委員長はスルーしてしまったらしい。


「…もしかして…本当に、イジメだった…?」

「灰村的には可能性は高いんだと。とりあえず他の奴らにも聞いてみるから委員長も何かあったらよろしく」

「…うん。僕の方でもみんなに聞いてみるね」

「あ!でも石上達に悟られないように頼む。言い逃れされたら面倒だし」

「あ…うん、分かった」


察したように聞いてくる飯島に確証は無い事を告げるとなんか協力してくれるらしいので、俺はお願いした後に釘を刺す。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)

土岡太郎
ファンタジー
 自分の先祖の立派な生き方に憧れていた高校生の少女が、ある日子供助けて死んでしまう。 死んだ先で出会った別の世界の女神はなぜか彼女を気に入っていて、自分の世界で立派な女性として活躍ができるようにしてくれるという。ただし、女神は努力してこそ認められるという考え方なので最初から無双できるほどの能力を与えてくれなかった。少女は憧れの先祖のような立派な人になれるように異世界で愉快で頼れる仲間達と頑張る物語。 でも女神のお気に入りなので無双します。 *10/17  第一話から修正と改訂を初めています。よければ、読み直してみてください。 *R-15としていますが、読む人によってはそう感じるかもしないと思いそうしています。  あと少しパロディもあります。  小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様でも投稿しています。 YouTubeで、ゆっくりを使った音読を始めました。 良ければ、視聴してみてください。 【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮) https://youtu.be/cWCv2HSzbgU それに伴って、プロローグから修正をはじめました。 ツイッター始めました。 https://twitter.com/tero_oo

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる。

網野ホウ
ファンタジー
【小説家になろう】さまにて作品を先行投稿しています。 俺、畑中幸司。 過疎化が進む雪国の田舎町の雑貨屋をしてる。 来客が少ないこの店なんだが、その屋根裏では人間じゃない人達でいつも賑わってる。 賑わってるって言うか……祖母ちゃんの頼みで引き継いだ、握り飯の差し入れの仕事が半端ない。 食費もかかるんだが、そんなある日、エルフの女の子が手伝いを申し出て……。 まぁ退屈しない日常、おくってるよ。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

隠密スキルでコレクター道まっしぐら

たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。 その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。 しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。 奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。 これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜

田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。 謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった! 異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?  地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。 冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……

処理中です...