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「いやいや、でも魔獣をけしかけるなんてバレたら大変な事に…」
「面白い。だがフジワラ殿の言う通りだ…この案は採用すべきでは無いな」
『むう…』
「一応バレなきゃできんだけどな。コッチには深山が居るし」
「…え?」
否定的な意見を出す藤原やお兄さんと違って柴田は笑いながら肯定し、デザートを食べてる深山を見ながら言う。
「…なるほどね。死体さえ残ってれば生き返るから永江が上手くやれば損害はほぼゼロに持ってけるワケか」
「…でも蛇って丸呑みだろ?」
『妾はドレイン系統は全て使える。妾が使えると言う事は配下も同様。やれと言われれば身体を残したまま力を吸い尽くす事は可能じゃが』
「…ねえ、永江さんもそう言ってるし…ソレでいかない?」
俺が柴田の意見に賛成すると藤原は抵抗するように否定し、永江の言葉に佐藤が乗っかる。
「いや、でもよぉ…そんな外道戦法っつーか外法を使うのは…」
「バレなきゃいーんだよ。それに俺ら別に勇者とかじゃねーし」
「…それもそうか。どうせ深山が治してくれるしな」
なかなか頑固に抵抗する藤原に柴田が悪い顔をしながら言うとアッサリ堕ちた。
「そもそも永江が捕まるようなヘマしなきゃ証拠がねーからバレる心配ねーし、捕まったら捕まったで俺らが助けに行きゃ良いしな」
「…俺は何も聞いていない」
俺が最悪の想定をしながら対策を立てるとお兄さんはデザートを食べながら目を瞑る。
…それから2日後。
「…どうやら開戦したようだ」
「マジ?そんなアッサリ?」
日付が変わって直ぐに来たらしい使者に王子達が帝国の視察への返事として延期を申し出ると…
朝早くにも関わらず即座に佐藤の領土に帝国の兵が侵攻を始めたらしく、お兄さんがスマホを片手に報告して来た。
「んじゃ飯食ったら行くかぁ…」
「…だな」
藤原の乗り気じゃないような呟きに柴田も同じ感じで相槌を打つ。
「…てか佐藤。お前こんなトコに居ていいのかよ?」
「だって私が現場に居てもやる事無いし居る意味無いもん」
「そりゃそうだけど…」
食堂に移動すると女子達は既に椅子に座っていたので柴田が尋ねると佐藤は沈んだ表情で返し、藤原が納得いかなそうに呟く。
…朝食後。
「んじゃ行くか」
「おう」
『ふっふっふ…腕がなるのぉ』
俺らは永江を連れてスキルの連携で帝都の家へと移動した。
『ではな』
「おい待て。ちゃんとルールは守れよ」
『心得ておる』
勝手に動こうとした永江を止めた柴田が釘を刺すとニヤリと笑いながら返す。
「ホントかぁ?」
『頭と上半身は残す、建物は窓とドア以外の場所を極力壊さない、街の外へと逃げたエサ…人間を襲わない。そしてソレらを配下の魔獣へと徹底させる事、であろう?』
「ま、分かってんのならいいけどな。遊ぶなよ?」
『分かっておる。妾とて嫌われたくは無いからな』
藤原の確認に永江はルールの内容を話すので俺が更に釘を刺すと腕を組んでおそらく女子達のことを指してるんであろう事を言う。
「面白い。だがフジワラ殿の言う通りだ…この案は採用すべきでは無いな」
『むう…』
「一応バレなきゃできんだけどな。コッチには深山が居るし」
「…え?」
否定的な意見を出す藤原やお兄さんと違って柴田は笑いながら肯定し、デザートを食べてる深山を見ながら言う。
「…なるほどね。死体さえ残ってれば生き返るから永江が上手くやれば損害はほぼゼロに持ってけるワケか」
「…でも蛇って丸呑みだろ?」
『妾はドレイン系統は全て使える。妾が使えると言う事は配下も同様。やれと言われれば身体を残したまま力を吸い尽くす事は可能じゃが』
「…ねえ、永江さんもそう言ってるし…ソレでいかない?」
俺が柴田の意見に賛成すると藤原は抵抗するように否定し、永江の言葉に佐藤が乗っかる。
「いや、でもよぉ…そんな外道戦法っつーか外法を使うのは…」
「バレなきゃいーんだよ。それに俺ら別に勇者とかじゃねーし」
「…それもそうか。どうせ深山が治してくれるしな」
なかなか頑固に抵抗する藤原に柴田が悪い顔をしながら言うとアッサリ堕ちた。
「そもそも永江が捕まるようなヘマしなきゃ証拠がねーからバレる心配ねーし、捕まったら捕まったで俺らが助けに行きゃ良いしな」
「…俺は何も聞いていない」
俺が最悪の想定をしながら対策を立てるとお兄さんはデザートを食べながら目を瞑る。
…それから2日後。
「…どうやら開戦したようだ」
「マジ?そんなアッサリ?」
日付が変わって直ぐに来たらしい使者に王子達が帝国の視察への返事として延期を申し出ると…
朝早くにも関わらず即座に佐藤の領土に帝国の兵が侵攻を始めたらしく、お兄さんがスマホを片手に報告して来た。
「んじゃ飯食ったら行くかぁ…」
「…だな」
藤原の乗り気じゃないような呟きに柴田も同じ感じで相槌を打つ。
「…てか佐藤。お前こんなトコに居ていいのかよ?」
「だって私が現場に居てもやる事無いし居る意味無いもん」
「そりゃそうだけど…」
食堂に移動すると女子達は既に椅子に座っていたので柴田が尋ねると佐藤は沈んだ表情で返し、藤原が納得いかなそうに呟く。
…朝食後。
「んじゃ行くか」
「おう」
『ふっふっふ…腕がなるのぉ』
俺らは永江を連れてスキルの連携で帝都の家へと移動した。
『ではな』
「おい待て。ちゃんとルールは守れよ」
『心得ておる』
勝手に動こうとした永江を止めた柴田が釘を刺すとニヤリと笑いながら返す。
「ホントかぁ?」
『頭と上半身は残す、建物は窓とドア以外の場所を極力壊さない、街の外へと逃げたエサ…人間を襲わない。そしてソレらを配下の魔獣へと徹底させる事、であろう?』
「ま、分かってんのならいいけどな。遊ぶなよ?」
『分かっておる。妾とて嫌われたくは無いからな』
藤原の確認に永江はルールの内容を話すので俺が更に釘を刺すと腕を組んでおそらく女子達のことを指してるんであろう事を言う。
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