405 / 556
405
しおりを挟む
「あ」
「お」
トルツの王子にワインを売った後、俺が帰宅しようとしたら佐藤が建物の中に入って来た。
「…なんで海原がココに?」
「王子の送迎と商売」
「あ、じゃあ王子来てるの?」
「おう。たった今な」
「丁度良かった…タイミングばっちりじゃん。海原、王子のトコに案内してよ」
佐藤の問いに理由を話すとなんか確認してくるのでそう答えて建物から出ようとすると、佐藤はなんか図々しい事を言ってくる。
「なんで俺が…まあいいけど」
「ありがと」
俺は面倒くせえ…と思いながら来た道を引き返して王子の居る執務室へと案内する事に。
「…入れ」
執務室のドアをノックすると王子が許可するので俺はドアを開けた。
「…ウミハラ殿?」
「なんか佐藤が王子に用があるんだって」
「失礼します」
王子が俺を見て意外そうに呟くので部屋には入らず用件を言うと佐藤が頭を下げて挨拶しながら入室する。
「んじゃ、俺はコレで」
俺の用は済んだので挨拶しながらドアを閉めて今度こそ帰宅した。
ーーーーーー
「そういやさ」
「ん?」
「なんだ?」
昼食の時、俺らが飯食いながらいつものように適当な雑談をしてると佐藤が流れをぶった切るように突然話を切り出してくる。
「明日、次の拠点に移動する事が決まったんだって」
「へー、ようやくか」
「でね、すっごく嫌なんだけど…私も同行する事になっちゃって…猛反対したんだけど、他に候補者が居なくて…」
「ふーん。まあ頑張れよ」
「じゃあ清水も一緒に行くのか?」
佐藤の報告に藤原が意外そうに返すと苦々しい顔で言い、俺が適当に返すと柴田は清水を見ながら聞く。
「…一緒に行きたいのはやまやまなんだけど…足手まといが居ると周りに迷惑かける事になるから諦めた」
結構長期間になるみたいだし…と、清水は微妙な顔をしながら同行しない理由を話す。
「長期間って…まあ距離考えたらな…」
「一応100名ぐらいのキャラバン組んで、途中で中継地点を作りながら一カ月ぐらいかけて移動する予定」
「ほー、100名って結構規模大きいな」
「だからまとめ役とかも何人か必要になるから、って私に白羽の矢が…」
「まあ貴族様だからな。お前の手腕を発揮するチャンスじゃねぇか」
俺は佐藤を弄るように笑いながら返す。
「…でね、海原とか柴田とかも一緒について来てくれない?」
「「「嫌」」」
佐藤の甘えたようなお願いに俺らは即答に近い感じで却下して断固拒否の姿勢を示した。
「ただでさえお前めんどくせーのに更によく分からん奴らとの集団行動とかぜってー嫌」
「だな。あと普通にめんどくせーし」
「一カ月ってのがなぁ…途中で面倒な事が起きそうだし『君子危うきに近寄らず』ってな」
「…まあ、絶対断るとは思ったけど…」
俺らが断る理由を話すと佐藤はため息を吐きながら諦めたように呟く。
「んじゃ駒込誘えよ。アイツ英雄目指してっから喜んで行くんじゃねーの?」
「えー…でも同じクラスメイトだけど良く知らないし、あんま喋った事ないからなぁ…」
「おめー変なトコで人見知り発揮すんな…」
藤原の提案に佐藤が嫌がるように言うと柴田は呆れたように返した。
「お」
トルツの王子にワインを売った後、俺が帰宅しようとしたら佐藤が建物の中に入って来た。
「…なんで海原がココに?」
「王子の送迎と商売」
「あ、じゃあ王子来てるの?」
「おう。たった今な」
「丁度良かった…タイミングばっちりじゃん。海原、王子のトコに案内してよ」
佐藤の問いに理由を話すとなんか確認してくるのでそう答えて建物から出ようとすると、佐藤はなんか図々しい事を言ってくる。
「なんで俺が…まあいいけど」
「ありがと」
俺は面倒くせえ…と思いながら来た道を引き返して王子の居る執務室へと案内する事に。
「…入れ」
執務室のドアをノックすると王子が許可するので俺はドアを開けた。
「…ウミハラ殿?」
「なんか佐藤が王子に用があるんだって」
「失礼します」
王子が俺を見て意外そうに呟くので部屋には入らず用件を言うと佐藤が頭を下げて挨拶しながら入室する。
「んじゃ、俺はコレで」
俺の用は済んだので挨拶しながらドアを閉めて今度こそ帰宅した。
ーーーーーー
「そういやさ」
「ん?」
「なんだ?」
昼食の時、俺らが飯食いながらいつものように適当な雑談をしてると佐藤が流れをぶった切るように突然話を切り出してくる。
「明日、次の拠点に移動する事が決まったんだって」
「へー、ようやくか」
「でね、すっごく嫌なんだけど…私も同行する事になっちゃって…猛反対したんだけど、他に候補者が居なくて…」
「ふーん。まあ頑張れよ」
「じゃあ清水も一緒に行くのか?」
佐藤の報告に藤原が意外そうに返すと苦々しい顔で言い、俺が適当に返すと柴田は清水を見ながら聞く。
「…一緒に行きたいのはやまやまなんだけど…足手まといが居ると周りに迷惑かける事になるから諦めた」
結構長期間になるみたいだし…と、清水は微妙な顔をしながら同行しない理由を話す。
「長期間って…まあ距離考えたらな…」
「一応100名ぐらいのキャラバン組んで、途中で中継地点を作りながら一カ月ぐらいかけて移動する予定」
「ほー、100名って結構規模大きいな」
「だからまとめ役とかも何人か必要になるから、って私に白羽の矢が…」
「まあ貴族様だからな。お前の手腕を発揮するチャンスじゃねぇか」
俺は佐藤を弄るように笑いながら返す。
「…でね、海原とか柴田とかも一緒について来てくれない?」
「「「嫌」」」
佐藤の甘えたようなお願いに俺らは即答に近い感じで却下して断固拒否の姿勢を示した。
「ただでさえお前めんどくせーのに更によく分からん奴らとの集団行動とかぜってー嫌」
「だな。あと普通にめんどくせーし」
「一カ月ってのがなぁ…途中で面倒な事が起きそうだし『君子危うきに近寄らず』ってな」
「…まあ、絶対断るとは思ったけど…」
俺らが断る理由を話すと佐藤はため息を吐きながら諦めたように呟く。
「んじゃ駒込誘えよ。アイツ英雄目指してっから喜んで行くんじゃねーの?」
「えー…でも同じクラスメイトだけど良く知らないし、あんま喋った事ないからなぁ…」
「おめー変なトコで人見知り発揮すんな…」
藤原の提案に佐藤が嫌がるように言うと柴田は呆れたように返した。
0
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)
土岡太郎
ファンタジー
自分の先祖の立派な生き方に憧れていた高校生の少女が、ある日子供助けて死んでしまう。
死んだ先で出会った別の世界の女神はなぜか彼女を気に入っていて、自分の世界で立派な女性として活躍ができるようにしてくれるという。ただし、女神は努力してこそ認められるという考え方なので最初から無双できるほどの能力を与えてくれなかった。少女は憧れの先祖のような立派な人になれるように異世界で愉快で頼れる仲間達と頑張る物語。 でも女神のお気に入りなので無双します。
*10/17 第一話から修正と改訂を初めています。よければ、読み直してみてください。
*R-15としていますが、読む人によってはそう感じるかもしないと思いそうしています。
あと少しパロディもあります。
小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様でも投稿しています。
YouTubeで、ゆっくりを使った音読を始めました。
良ければ、視聴してみてください。
【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)
https://youtu.be/cWCv2HSzbgU
それに伴って、プロローグから修正をはじめました。
ツイッター始めました。 https://twitter.com/tero_oo
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる。
網野ホウ
ファンタジー
【小説家になろう】さまにて作品を先行投稿しています。
俺、畑中幸司。
過疎化が進む雪国の田舎町の雑貨屋をしてる。
来客が少ないこの店なんだが、その屋根裏では人間じゃない人達でいつも賑わってる。
賑わってるって言うか……祖母ちゃんの頼みで引き継いだ、握り飯の差し入れの仕事が半端ない。
食費もかかるんだが、そんなある日、エルフの女の子が手伝いを申し出て……。
まぁ退屈しない日常、おくってるよ。
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる