クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
382 / 556

382

しおりを挟む
「ただいまー」

「ただいま」

「お。おかえりー、ちょうど良かった」

「?どうしたの?」


柴田と藤原が自室に戻ると女子達が一時帰宅して来たので俺が出迎えに行くと深山が不思議そうに尋ねてくる。


「実は臨時収入が入ってな。コレ、こづかい」

「え、いいの?今月分はもう貰ってるけど…」

「えー!いいなー!住吉さん達いつものお小遣い以外にも貰ってるの!?…私にもちょうだい?」


深山、斉藤、住吉、高木の4人に小袋を渡すと住吉が遠慮するように確認し、清水が羨ましがって首を傾げ手を差し出しながら要求してきた。


「おめーは佐藤から貰えや」

「えー…なんで私が?」

「お前が一番金持ってるからに決まってんだろ」


俺の拒否に佐藤が嫌がるように言うので俺はその理由を話す。


『海殿、海殿。妾は?妾は何も貰えて無いのだが?』

「お前腹減ったら金貨でも紙幣でもとりあえず手元にある物なんでも食うだろーが。いつもお前の分も含めて女子達には多く渡してんだから今回も同じに決まってんだろ」

『むう…差別だー!』

「アホか」


永江も清水の真似をして両手を差し出しながら要求してくるので直接渡さない理由を言うも…


どこで覚えてきたのかめんどくさい事を言い出し、俺は流すようにツッコむ。


「…ねえ、高木さん。いくら入ってる…?」

「…紙幣だから…ちょっと…」

「灯、コレっていくらなの?」


清水が興味津々といった様子で高木に聞くも今回は紙幣で渡してるので値段が分からないのか、袋の中を見せながら困惑してると清水は佐藤に尋ねた。


「えーと…現在のレートで……だいたい金貨10万枚ぐらいだね。10万!?」

「「「「10万!?」」」」

「え、佐藤それホント?」

「…海君、なんでそんなに…?」

「海原君、流石にこんな大金はちょっと…」


佐藤がスマホを手に金貨換算にして値段を言うと驚き、女子全員が驚いた後に予想外の金額だったのかみんな困惑したような反応をする。


「だったら1万にするか?俺は別にどっちでも良いけど」

『ならぬ!大は小を兼ねると言うではないか!皆が要らぬというなら妾が貰う!』


俺の提案になぜか永江が合ってるのか微妙なことわざを挙げながら反発し始めた。


「だとさ」

「う、うーん…じゃあ、ありがたく貰っておくね」

「う、うん…」

「ありがと」


流石に永江に金を渡すのは不安なのか女子達はちょっと困ったようにお礼を言う。


「海原、臨時収入っていくらだったの?」

「剣をぼったくって高く売りつけたとか?」

「人聞きの悪い事を言うな。しかも売ったのは剣じゃなくてワインだし」

「あー…え…待って。じゃあ臨時収入ってかなりの額じゃ…!」

「…いくら?」


佐藤と清水の問いに俺は否定して誤解させないよう内容を教えると佐藤は納得した後に驚きながら呟き、清水は好奇心を隠さず率直に聞いてきた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

王家から追放された貴族の次男、レアスキルを授かったので成り上がることにした【クラス“陰キャ”】

時沢秋水
ファンタジー
「恥さらしめ、王家の血筋でありながら、クラスを授からないとは」 俺は断崖絶壁の崖っぷちで国王である祖父から暴言を吐かれていた。 「爺様、たとえ後継者になれずとも私には生きる権利がございます」 「黙れ!お前のような無能が我が血筋から出たと世間に知られれば、儂の名誉に傷がつくのだ」 俺は爺さんにより谷底へと突き落とされてしまうが、奇跡の生還を遂げた。すると、谷底で幸運にも討伐できた魔獣からレアクラスである“陰キャ”を受け継いだ。 俺は【クラス“陰キャ”】の力で冒険者として成り上がることを決意した。 主人公:レオ・グリフォン 14歳 金髪イケメン

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

どこかで見たような異世界物語

PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。 飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。 互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。 これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)

土岡太郎
ファンタジー
 自分の先祖の立派な生き方に憧れていた高校生の少女が、ある日子供助けて死んでしまう。 死んだ先で出会った別の世界の女神はなぜか彼女を気に入っていて、自分の世界で立派な女性として活躍ができるようにしてくれるという。ただし、女神は努力してこそ認められるという考え方なので最初から無双できるほどの能力を与えてくれなかった。少女は憧れの先祖のような立派な人になれるように異世界で愉快で頼れる仲間達と頑張る物語。 でも女神のお気に入りなので無双します。 *10/17  第一話から修正と改訂を初めています。よければ、読み直してみてください。 *R-15としていますが、読む人によってはそう感じるかもしないと思いそうしています。  あと少しパロディもあります。  小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様でも投稿しています。 YouTubeで、ゆっくりを使った音読を始めました。 良ければ、視聴してみてください。 【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮) https://youtu.be/cWCv2HSzbgU それに伴って、プロローグから修正をはじめました。 ツイッター始めました。 https://twitter.com/tero_oo

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

処理中です...