クラスまるごと異世界転移

八神

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「…なんでおめーは平気なんだよ!」

「しかも全然虫に集られてねーし!」

「そりゃこんな事もあろうかと事前に虫除けスプレーをしてたからな」

「うわ卑怯!」

「マジかよ!じゃあ俺らにも教えてくれや!」


なんとか虫から逃げ切った後に柴田と藤原が俺の状態について聞いてくるので理由を話すと何故か怒ったように返されてしまう。


「ああ?なんで俺がそこまでしなきゃいけねぇんだよ。てめえらだって持ってんだろうが」

「…そりゃそーだけど…一応今からでもかけとくか」

「…だな」


俺が不機嫌そうに返すと柴田が冷静になったように虫除けスプレーを取り出し、藤原も同じように取り出して自分にかけ始めた。



「…ん?なんだアレ?」

「パパイヤ…か?ヤシの実っぽくもあるな」

「意外とカカオだったりしてな。とりあえず採ってみるか」


森を抜けようと歩いていると柴田が木の実のような物を発見し、藤原がソレを見ながら予想するので俺は市場で見た物を思い出しながら兵を召喚する。


「おー、硬っ。やっぱヤシの実か?」

「知らん」


柴田が結構大きな木の実を殴るように叩きながら聞くので俺は適当に返す。


「ま、細けー事は後からでいーだろ。とりあえず……アッチだ!」

「…アッチにもあんぞ!」

「りょーかい」


俺らはいつものように木の実を大量に採ってから森を出た。



「ふー…久しぶりの平野だな」

「平野っつーか盆地じゃね?」

「んなのはどっちでもいーじゃねーか!やっぱ人間地に足つけねーとな!」

「なんかソレ意味違うくね?」


森を抜けて安堵の息を吐く柴田に俺がツッコむように指摘すると藤原もボケなのか判断に困るような事を言い出したので俺は一応ツッコむ。


「とりまなんとか暗くなる前に山や森を抜けられて良かったな!」

「日没まであと30分もないだろうからかなりギリギリだったけどな…」

「一応少しでも森から離れた所で野営するか」

「おう」「そだな」


俺が用意した馬車に乗り込みながら喜ぶ藤原に柴田は旗に聖水を入れて設置しながら呟き…


馬車を走らせての俺の提案に二人が賛同した。


「…ここらでいいかな。周りに魔獣とかも居なさそーだし」


…森から30分ほど離れ、辺りが完全に暗くなったところで俺は馬車を止める。


「おー、立地的にもなんか意外と拠点に良さげな場所じゃね?」

「な。明日周りを探索してみて、魔獣が少なければ候補地になるかもな」

「とりあえず疲れたし…今日は早めに休まね?」


藤原や柴田は冒険者らしい話をしているが俺は兵を召喚して魔法での目隠しやテントの設営を指示しながらそう提案した。


「そだな」

「もう腹減ってしょうがねーし、明日でいっか」

「じゃ、お先」


俺の意見に賛同する二人に断りを入れて我先にとシャワーのあるテントへ向かう。
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