クラスまるごと異世界転移

八神

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「はいはい、そーですか」

「海原てめー…!おい、そこを退け!」


俺が呆れてため息混じりに流すと灰村は怒ったように一歩近づいて王子に命令する。


「灰村お前凄ぇな。こんな公衆の面前で王子に喧嘩売るなんて普通やらねーぞ」

「…なんだと?」


俺の呆れ過ぎて逆に感心したような言葉を聞いて灰村は怪訝そうな顔になった。


「いくら段位持ちっつっても王子と喧嘩したらタダじゃ済まねーだろ。今の内に謝っとけ」


不良の馬鹿な自業自得といえ…いくらなんでもクラスメイトが逮捕、拘束されるのはあまり良い気分ではないのでこの場を収めるために俺は灰村に謝るよう促す。


「…チッ、悪かったな」


すると灰村はまさかの舌打ちしてそっぽ向きながら謝るという、形すら無い謝罪で済まそうとする。


「おめーマジか。ソレで通ると思ってんの?エグいな、こんな場面で一度ボケるその胆力よ」


俺が驚きながら呆れて顔に手を当て、天を仰ぎつつもなんとか冗談で済ませるよう配慮すると…


「…!…迷惑をかけて、申し訳ございませんでした。次からは気をつけます、誠にすみません」


流石に灰村も察したのか怒りを無理やり抑え込むような顔をして王子に向かってちゃんと深く頭を下げながら謝る。


「ほら本人も謝ってるし、流石に王子に喧嘩売った事は反省してると思うから…今回だけは一度の過ちって事で許してくれない?次やったら容赦なくシバいて良いから」

「…分かった。ウミハラ殿の顔に免じて今回だけは許してやろう。しかし次は無いぞ」

「ありがと。さっすが王子、器がデカイ懐が広い…ほら、お前も感謝しろよ」

「…!…ありがとう、ございます…その懐の広さに、感謝、します…」


俺の必死の働きかけでなんとか王子から許しを貰ったので灰村にもお礼を言うよう促すと、頭を下げたままキツく目を瞑り歯を食いしばった後にお礼を言う。


「では行こうか」

「はいはい。おうお前なんか俺に用があったんだろ?お前も来い」

「チッ…」


王子が移動を促すので俺が灰村に同行を勧めるとめっちゃ不機嫌そうに舌打ちしてついてきた。


「しかし報告として聞いてはいたが噂に違わぬ乱暴者のようだな。他のところでは『狂犬』とも呼ばれているそうではないか」

「だからなんだ」

「灰村、俺らが言えた事じゃねーけど…とりあえずこの国で活動したいんならその態度と言葉遣い直した方がいいぞ。まあ俺らみたいに別にこの国で動く気がねぇんならそのままでも良いけど」

「チッ、偉そうにしやがって…!」


王子の言葉に不機嫌なまま反発する灰村に俺が一応注意するもまたしても舌打ちされて怒ったように睨まれる。


「おお怖い。これだから不良ってのは…」


俺はバカにしたように棒読みで言うと呆れてため息を吐きながら呟いた。
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