236 / 556
236
しおりを挟む
「佐藤、いるかー?」
「そのまま入ってー!」
「だってさ」
「じゃあまた後でね」
「おう」
俺がドアをノックしながら聞くと入室の許可が下りたので深山を佐藤に預ける事にして一旦別れ、俺は第一王子の部屋に行く。
「失礼しまーす」
「…来たか。ではさっそく報酬の話に移ろう」
今度はノックせずに適当な挨拶をして部屋の中に入ると王子は書類作業を止めてからソファの所へと移動する。
「ガライア共和国を含む4カ国の土地建物、合わせて金貨1560万枚相当を用意した。確認を」
「…ん?シュトッセン帝国?どっかで聞いたような…」
「あの『死霊王の抜け殻』を譲渡した国だ。軍事大国でありながら経済力の水準も高いレベルにある」
「へー…やっぱ首都にあるからか高いな、金貨550万枚相当…?ガライアも380万かよ」
まあ広くてデカいから仕方ないか…と、俺は地図や写真を見ながらなんともいえないような感じで呟いて書類にサインしていく。
「…そういえば…いつもの調子で首都の物件を用意したが、ガライアの方は首都でも大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。地図を見た感じアイツの工房に近いから予想以上に要望通りだよ」
「そうか、なによりだ…」
心配したかのように言う王子に俺がサインしながら返すとホッと安心したように呟いて先に書かれた書類を確認していった。
「……大丈夫だ。コレで残りは1400万枚相当になる」
「…11カ国分の豪邸でもまだ消費し切れないって改めて考えるとすげーな」
「それだけの価値があの抜け殻にはあるという事だ」
「へー、俺らには良く分かんねぇな…まあいいや。じゃ、また今度」
「待ってくれ」
残りの報酬を聞いて俺が驚きながら呟くと王子があまり理解出来ない事を言うので適当に返して帰ろうとしたら引き留められた。
「なに?」
「今父様達はどこに滞在しているんだ?」
「えーと…どこだったかな…?トラル…は昨日か。確かグリーバンリーだったはず…」
「…なるほど、もうそこまで…今日の夜にナンホクナンまで送ってくれないだろうか?おそらく明日の朝には父様達もナンホクナンに移動するはずなので」
「オッケー。じゃあまた夜に」
王子の依頼に俺は軽く引き受けてから部屋を出て、深山を回収するべく佐藤の部屋へと向かう。
「おーい深山、帰るぞー」
「え、もう?」
「もう終わったの?」
「…早くない?」
俺が佐藤の部屋のドアを開けて声をかけると深山が軽く驚いたように返し、佐藤と清水が残念そうに聞いてくる。
「そりゃ報酬の残りの受け取りだけだからな」
「えー…もっとなんかないの?仕事の話とか」
「喋りてーんならお前らもコッチくれば良いじゃねーか。…今の家にはプールもあるぞ」
「「えっ!?」」
名残惜しそうに言ってくる佐藤に俺は呆れながら提案しつつ、ふと閃いた悪魔の囁きに耳を傾けた。
「行く行く!プールってホント!?」
「うん。眺めも良くて最高だよ」
「行く!」
佐藤の確認に深山が経験談を話すと清水も乗り気になり、オタク女子の二人はあの家に泳ぎに来る事にしたらしい。
「そのまま入ってー!」
「だってさ」
「じゃあまた後でね」
「おう」
俺がドアをノックしながら聞くと入室の許可が下りたので深山を佐藤に預ける事にして一旦別れ、俺は第一王子の部屋に行く。
「失礼しまーす」
「…来たか。ではさっそく報酬の話に移ろう」
今度はノックせずに適当な挨拶をして部屋の中に入ると王子は書類作業を止めてからソファの所へと移動する。
「ガライア共和国を含む4カ国の土地建物、合わせて金貨1560万枚相当を用意した。確認を」
「…ん?シュトッセン帝国?どっかで聞いたような…」
「あの『死霊王の抜け殻』を譲渡した国だ。軍事大国でありながら経済力の水準も高いレベルにある」
「へー…やっぱ首都にあるからか高いな、金貨550万枚相当…?ガライアも380万かよ」
まあ広くてデカいから仕方ないか…と、俺は地図や写真を見ながらなんともいえないような感じで呟いて書類にサインしていく。
「…そういえば…いつもの調子で首都の物件を用意したが、ガライアの方は首都でも大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。地図を見た感じアイツの工房に近いから予想以上に要望通りだよ」
「そうか、なによりだ…」
心配したかのように言う王子に俺がサインしながら返すとホッと安心したように呟いて先に書かれた書類を確認していった。
「……大丈夫だ。コレで残りは1400万枚相当になる」
「…11カ国分の豪邸でもまだ消費し切れないって改めて考えるとすげーな」
「それだけの価値があの抜け殻にはあるという事だ」
「へー、俺らには良く分かんねぇな…まあいいや。じゃ、また今度」
「待ってくれ」
残りの報酬を聞いて俺が驚きながら呟くと王子があまり理解出来ない事を言うので適当に返して帰ろうとしたら引き留められた。
「なに?」
「今父様達はどこに滞在しているんだ?」
「えーと…どこだったかな…?トラル…は昨日か。確かグリーバンリーだったはず…」
「…なるほど、もうそこまで…今日の夜にナンホクナンまで送ってくれないだろうか?おそらく明日の朝には父様達もナンホクナンに移動するはずなので」
「オッケー。じゃあまた夜に」
王子の依頼に俺は軽く引き受けてから部屋を出て、深山を回収するべく佐藤の部屋へと向かう。
「おーい深山、帰るぞー」
「え、もう?」
「もう終わったの?」
「…早くない?」
俺が佐藤の部屋のドアを開けて声をかけると深山が軽く驚いたように返し、佐藤と清水が残念そうに聞いてくる。
「そりゃ報酬の残りの受け取りだけだからな」
「えー…もっとなんかないの?仕事の話とか」
「喋りてーんならお前らもコッチくれば良いじゃねーか。…今の家にはプールもあるぞ」
「「えっ!?」」
名残惜しそうに言ってくる佐藤に俺は呆れながら提案しつつ、ふと閃いた悪魔の囁きに耳を傾けた。
「行く行く!プールってホント!?」
「うん。眺めも良くて最高だよ」
「行く!」
佐藤の確認に深山が経験談を話すと清水も乗り気になり、オタク女子の二人はあの家に泳ぎに来る事にしたらしい。
0
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)
土岡太郎
ファンタジー
自分の先祖の立派な生き方に憧れていた高校生の少女が、ある日子供助けて死んでしまう。
死んだ先で出会った別の世界の女神はなぜか彼女を気に入っていて、自分の世界で立派な女性として活躍ができるようにしてくれるという。ただし、女神は努力してこそ認められるという考え方なので最初から無双できるほどの能力を与えてくれなかった。少女は憧れの先祖のような立派な人になれるように異世界で愉快で頼れる仲間達と頑張る物語。 でも女神のお気に入りなので無双します。
*10/17 第一話から修正と改訂を初めています。よければ、読み直してみてください。
*R-15としていますが、読む人によってはそう感じるかもしないと思いそうしています。
あと少しパロディもあります。
小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様でも投稿しています。
YouTubeで、ゆっくりを使った音読を始めました。
良ければ、視聴してみてください。
【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)
https://youtu.be/cWCv2HSzbgU
それに伴って、プロローグから修正をはじめました。
ツイッター始めました。 https://twitter.com/tero_oo
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる。
網野ホウ
ファンタジー
【小説家になろう】さまにて作品を先行投稿しています。
俺、畑中幸司。
過疎化が進む雪国の田舎町の雑貨屋をしてる。
来客が少ないこの店なんだが、その屋根裏では人間じゃない人達でいつも賑わってる。
賑わってるって言うか……祖母ちゃんの頼みで引き継いだ、握り飯の差し入れの仕事が半端ない。
食費もかかるんだが、そんなある日、エルフの女の子が手伝いを申し出て……。
まぁ退屈しない日常、おくってるよ。
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる