クラスまるごと異世界転移

八神

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「んじゃ、また今度な」

「うん。また今度」


飯島は俺と連絡先を交換すると逃げるように小走りで去って行く。


「じゃあ行こうか」

「…この状況で、か?」

「別に俺には関係無いし」


俺が歩き出すと話し合ってる二人の王子を見ながらトルツの王子が確認してくるが、俺は適当な感じで返して王宮へと向かう。


するとトルツの王子だけじゃなく何故かあと二人の王子もついてきた。




ーーーーーー





「ここにモーターを付けるってのは?」

「うーむ…確かに回転率は上がるがコストの面も上がりそうだ」

「…ココとココ…歯車の大きさを、変えてみるのは?」

「あー、ソレもアリかも」

「…何をしているんだ?」


トルツの王子が報告に行ってる間暇なので応接室で他の二人の王子とトラックの設計図を見ながら改良点を話し合っていると、意外に早くトルツの王子が戻って来る。


「トラック…運搬車の改良の話をちょっとね」

「…ソレは共同研究のハズだが…部外者であるワウシャープに知られても問題は無いのか?」

「さあ?もしかしたら金属加工の技術が必要になるかもしれないじゃん?」

「ソレもそうか」


俺の言葉にトルツの王子がこっちの王子を見ながら確認して来るのでそう返すと普通に納得された。


「じゃあ俺は仕事をしないと行けないからまた今度ね」

「ほう?そう言えば仕事で来たんだったな…なんの仕事だ?」

「雨乞い」

「「…雨乞い?」」


俺がソファから立ち上がって言うとモニクァの王子が興味を持ったように聞いてくるので適当にボカして答えるとトルツ以外の二人の王子の言葉が被る。


「そうそう。聖女に祈りを捧げて奇跡の力で我らを救いたまえー…ってね」

「ほお!ウミハラ殿もヤマト教の信者なのか!」

「ゴメン嘘。本当は魔法農法ってやつで」


俺のボケにモニクァの王子が意外そうで嬉しそうに聞いてくるので本当に信じないように謝ってからバラす。


「魔法農法…トルツの研究か!」

「…できる…?」

「ま、成功するか否かは見てのお楽しみ…って事で。じゃ」


モニクァの王子が驚き、この国の王子が不思議そうに聞いてくるのを俺は適当にいなして手を振り部屋を出た。


そして家に帰って魔導兵を25体召喚して魔法を詠唱させる。


「…まさに神業。自分の研究の到達点がこうして直に見られるというのは言葉に言い表せないほどの感情だな」

「水害が起きなきゃ良いんだけどね」


雲がどんどん出来ていって雨が降る様子を見ながら王子がテンション高めに喜びながら言うので俺は心配しながら返す。
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