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「…この置き方は…分かりました」
王妃はテーブルの上に並べられたグラスと小瓶の配置を見て何かを察したように得意げに笑う。
「では王妃。右側の手前からテイスティングを」
「ふふっ…みくびらないで下さる?」
料理長の言葉に王妃は笑いながら言うと小瓶を開けて中身を少量グラスの中に入れた。
「…コレは…トルシャル…?…でも…5年物かしら。…こちらはトルシャルの10年物ね。…こちらもトルシャル?コレは…30年物でしょうね」
俺には良く分からないが王妃は香りと味で判断して銘柄を予想していく。
「…!コレは…ラフィロゼーシャ!?それも20年物の…!」
4本目のワインの匂いを嗅いだ時点で王妃は驚いたような反応をして少し飲んだ後に料理長を見る。
が、料理長は笑ったまま肩をすくめて何も言わない。
「…!!こちらの赤アイシェもラフィロゼーシャ…!それも、コレは幻の40年物…!?」
「さすが、全問正解だ。体調の悪化の影響は微塵も無いようだな」
「ふふっ、最初に言ったでしょう?『みくびらないで』と」
「へー。やっぱ通ともなると少し飲むだけでも分かるんだ…すげー」
やっぱり俺には良く分からんまま王妃が全部言い当てたらしいので感心して呟いた。
「だが残念な事に全てハズレだ」
「…どういうこと?」
意地悪そうに笑った料理長の指摘に王妃は笑顔を消して少し不機嫌そうに聞く。
「最初の三本、トルシャルと予想していたが答えはハズレ。コレは兄ちゃんがアイシェの知識がゼロの状態で作った試作品だからな」
「…なるほど。自作…」
「しかし、数あるアイシェの中から似ている銘柄を選んだ判断は俺と同じ。そしてこの問題の意図は熟成期間…つまり問題としては正解だ」
「意地悪な問題ですこと」
料理長の答え合わせに流石の王妃も苦笑いしながら言う。
「そしてこのラフィロゼーシャ。実はコレも俺と兄ちゃんで作った物で、正確には同じ味の偽物だ」
「…え…?」
「この赤の40年物も同様。俺たちの自作で味が同じなだけの偽物だ…しかし、銘柄は違えど味は同じ。つまりは問題としては正解でな」
「……流石はシェフ。アイシェ作りまで一流とは…!」
料理長がネタバラシをすると王妃は驚いた後に尊敬するかのような目を向けながら褒める。
「…さて、次の問題だ。このアイシェを作った期間はどのくらいだと思う?」
料理長は俺を見ながら複雑そうな苦笑いみたいな笑い方をした後に気を取り直したように更に意地悪な問題を出す。
王妃はテーブルの上に並べられたグラスと小瓶の配置を見て何かを察したように得意げに笑う。
「では王妃。右側の手前からテイスティングを」
「ふふっ…みくびらないで下さる?」
料理長の言葉に王妃は笑いながら言うと小瓶を開けて中身を少量グラスの中に入れた。
「…コレは…トルシャル…?…でも…5年物かしら。…こちらはトルシャルの10年物ね。…こちらもトルシャル?コレは…30年物でしょうね」
俺には良く分からないが王妃は香りと味で判断して銘柄を予想していく。
「…!コレは…ラフィロゼーシャ!?それも20年物の…!」
4本目のワインの匂いを嗅いだ時点で王妃は驚いたような反応をして少し飲んだ後に料理長を見る。
が、料理長は笑ったまま肩をすくめて何も言わない。
「…!!こちらの赤アイシェもラフィロゼーシャ…!それも、コレは幻の40年物…!?」
「さすが、全問正解だ。体調の悪化の影響は微塵も無いようだな」
「ふふっ、最初に言ったでしょう?『みくびらないで』と」
「へー。やっぱ通ともなると少し飲むだけでも分かるんだ…すげー」
やっぱり俺には良く分からんまま王妃が全部言い当てたらしいので感心して呟いた。
「だが残念な事に全てハズレだ」
「…どういうこと?」
意地悪そうに笑った料理長の指摘に王妃は笑顔を消して少し不機嫌そうに聞く。
「最初の三本、トルシャルと予想していたが答えはハズレ。コレは兄ちゃんがアイシェの知識がゼロの状態で作った試作品だからな」
「…なるほど。自作…」
「しかし、数あるアイシェの中から似ている銘柄を選んだ判断は俺と同じ。そしてこの問題の意図は熟成期間…つまり問題としては正解だ」
「意地悪な問題ですこと」
料理長の答え合わせに流石の王妃も苦笑いしながら言う。
「そしてこのラフィロゼーシャ。実はコレも俺と兄ちゃんで作った物で、正確には同じ味の偽物だ」
「…え…?」
「この赤の40年物も同様。俺たちの自作で味が同じなだけの偽物だ…しかし、銘柄は違えど味は同じ。つまりは問題としては正解でな」
「……流石はシェフ。アイシェ作りまで一流とは…!」
料理長がネタバラシをすると王妃は驚いた後に尊敬するかのような目を向けながら褒める。
「…さて、次の問題だ。このアイシェを作った期間はどのくらいだと思う?」
料理長は俺を見ながら複雑そうな苦笑いみたいな笑い方をした後に気を取り直したように更に意地悪な問題を出す。
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