クラスまるごと異世界転移

八神

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「どうする?」

「…1ヘクタールにつき一万で良い?」

「十分」

「いやいや、海、待てよ。流石にソレは無理だって」

「畑の塩を抜くには科学物質で中和させるか水で薄めるかとかでめっちゃ時間かかんだぜ?割に合わねーって、やめとけよ」


俺の確認に佐藤が頷いて金額を提示し、話が纏まったところで柴田と藤原が無茶だととめてくる。


「ソレが魔法を使えば出来るんだなー、コレが。まあ見てろって」


俺はドヤ顔でそう言って近くの川へと向かった。 


そして魔導兵の魔法で大量の水を動かして畑にぶっかけ…

 
またしても魔法で土壌の塩を少量の水に含ませてから掬い上げる。


「ほい。塩抜き完了」

「「「「ええー!!??」」」」


その塩分濃度の濃い水を適当に掬った土と混ぜて泥団子を作って足元に転がし作業完了を告げると…


執事を含めた全員が驚愕して叫んだ。


「いやいやいや!!おかしいだろ!…いや、ぜってーおかしいって!」

「待て待て!!ごく普通にやってっけどなんだその魔法?クソチート過ぎんだろ!なに!?マジでなんなの!?」

「…あ、ありがとー」


柴田と藤原が力一杯ツッコんでくるも佐藤はキャパオーバーしたのか魂が抜けたような脱力した様子で棒読みのようにお礼を言う。


「コレは…えーと…あった。浄水化の過程に目をつけて応用した方法なんだと」

「浄水化?」「なんだそれ?」


俺が紙を見ながら説明すると二人が不思議そうに聞く。


「この前お前らが川の水とかを真水にする機能付きの壺があるって言ってたじゃん?原理的にはアレと一緒だろ」

「あー、ろ過機みたいな。でもあの壺、魔導機だから高ぇぞ?」

「浄水機能の付いてる壺なんて小型でも数万するからな」

「今回は水を綺麗にする時に出た不純物を弾いて土の塩を抜いたわけだ」

「あー…ああ?」

「いや、一瞬納得しかけたが無理があるだろ」


二人にも分かりやすく言ったつもりだったのに柴田は納得したような声を出した後に首を傾げて藤原も同じような事をした後にツッコんでくる。


「んな簡単に出来るもんなのか?普通」

「いやいや、簡単に見えんのは俺の兵が数を揃えてやってるからであって。普通なら難しいんじゃね」


藤原の納得いかないような問いに俺はもちろん簡単じゃないって事を教えた。


「つーかどういう風にやってんの?魔法でこうやりましたー…って言われても、なあ?」

「あ、ソレ気になる!」

「説明してもおめーらどうせ分かんねーし、魔法使えないんだから意味ねーだろ」

「海おめーたまにドライなところが出るよな…教えてくれたっていーじゃねーか」

「そうだ!そうだ!私達には知る権利がある!」

「どうせ言っても分からねーと思うが…まあいいか」


柴田の言葉に佐藤が反応して乗ってくると藤原の悪ノリにも乗ってしまったので俺は呆れたように了承する。
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