クラスまるごと異世界転移

八神

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「おめーらなぁ…」

「ドリードにて防壁の修復を手伝って来て欲しいのです」

「ドリード?ってどこ?」

「東の端の方の町です」

「東の端ってったら遠いな…あ、いや、拠点があれば大丈夫か」


俺が呆れたように呟くも王子はスルーして内容を話すので場所が分からずに聞くと…どうやらかなり遠い町のようだ。


「防壁の修復って事はなんかあったのか?」

「はい。去年、大規模な魔獣の襲撃で壊されてしまい…その後は魔獣達から町を守るのが精一杯でずっと放置されてました」

「んじゃ海に魔獣も退治させんのか?流石に戦闘系の依頼は海一人では厳しいんじゃねーの」


藤原の問いに王子が答えると柴田が珍しく心配して俺を気遣うような事を言う。


「ああ、いえ…魔獣自体は高段者の冒険者達が退治して防壁の外へと追い払っているのでその心配は無いかと」

「あー、なる。人手が足りないって事か…じゃあ海にぴったりじゃん?報酬は?」

「成功報酬として金貨2万枚を用意しておりますわ」

「「2万!?」」


藤原の問いに王妃が答えると柴田ともども立ち上がって驚く。


「嘘だろ、おめー冒険者より稼ぐじゃねーか!俺も混ぜろ!」

「そーだぞ!んな報酬を独り占めとかズルくねー?」

「俺は別に構わねーぜ?でも金を払う以上ちゃんと働いてもらうからな」

「…やっぱいいや」

「…俺も」

「どっちだよ」

「あはは!」「ほほほ…」


俺ら三人のやりとりを見ていた佐藤と王妃が楽しそうに笑うとドアがノックされてギルドの職員が入って来た。


…その後、所持印の登録が終わったので『亡霊王の骸』を渡して王子から一枚の封筒と金貨100万枚を受け取り帰宅した。


「一気に所持金が40万とかやべーな」

「いやー、流石に財布が重いですわー」


俺が兵に昼飯を作らせてると藤原と柴田がにやけた顔で財布を上に投げては両手でキャッチする…という謎行動を続ける。


「えーと、ココが…ココか。んで…ココが…」

「ん?さっきから何してんだ?」


地図を広げて拠点のある町や村の名前を確認し、その拠点に兵を召喚して簡単な看板を作らせる…っつー作業をしてると柴田が不思議そうに覗き込んできた。


「各拠点の目印を作ってんだよ。あと掃除」

「おー、そっか。そういやそーだな…どこの拠点とか分からない事には移動のしようもねーしな。なんか手伝うことあるか?」

「なになに?なんかやってんの?」

「拠点の目印作り。おめーのスキルじゃ場所までは分かんねーだろーから、パッと見で直ぐに分かるよう看板を作らせてる」

「あー…ってか目印が目印作りって…」

「おい柴、コイツ邪魔だからどっか連れてけ」

「オッケー」


藤原が意味不明な事で笑い始めるので俺はイラッと来て柴田に指示を出す。




ーーーーーーー




「ただいまー。あーお腹空いたー」

「っと、もう時間か」


あと少しで終わる…ってところで女子達が帰って来たので続きは昼飯を食べながらやる事にした。
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