クラスまるごと異世界転移

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「んじゃどーするよ？」

「だから、その魔獣を倒せば良いじゃない」

「他にもあるぞ」

「え？なになに？海原なんか良いアイディアを思いついた？」


柴田の問いに佐藤が無茶ぶりをするので俺が案を増やすと普通に食いついてきた。


「藤、やれ」

「あ、おう」


俺が玄関を親指で指しながら藤原に指示を出すとソレで伝わったらしくスキルを使って佐藤を追い出してくれたので俺は兵士に鍵をかけさせる。


すると玄関の向こうから『ちょっとー！開けろー！』という声とともにドンドンとドアを叩く音がした。


「おいおい、いーのか？」

「しょうがねーだろ。互いに意見が違うんだからよ」

「まあ佐藤は国側だからな。魔獣の存在を簡単には容認出来ないわな」

「嫌味貴族とか言ってたし…見逃した魔獣がなんかやらかしたら責任とか追求されんじゃねーの？分からんけど」


ドンドン叩かれるドアの音を聞きながら俺らは一応佐藤の考えにも一定の理解を示しながら話す。


「でもアイツが王都に帰って、上の方が出て来たらどうするよ？」

「そんときゃそん時だ。アイツに言ったみたいに称号剥奪か冒険者引退かすりゃなんとかなるだろ」

「そっか、そうだな。確かに」


藤原が先の展開を予想して聞くと柴田は佐藤の時と同じ対応を取ると言い納得させた。


…そうこう雑談していると俺のスマホに佐藤からの着信が。


「もしもーし？」

「分かったから。私の負けで良いから、入れて。とりあえず話を聞いて」

「なんか知らんけど佐藤が折れたわ」

「マジで？」

「ウケるわー」

「もー…急に追い出すなんて酷くない？話にならないとしょうがないからこっちが妥協するけど…」


俺が笑いながら電話の内容を伝えると藤原と柴田も笑い、佐藤が騒ぎ疲れたかのような様子で愚痴りながら部屋の中に入って来た。


「ギルとか王様は私がなんとか説得しとく。だけど条件として他のダンジョンをなんとかする事。元々その魔獣を倒して被害を減らすための依頼だったんだから妥当でしょ？」


はぁ…と佐藤はため息を吐きながら妥協案を話す。


「そりゃそうだ」

「確かにな。おい永江、おめー他のダンジョンをどうにかできねーのかよ？」

『今やったとしても封鎖までには明日の朝までかかる』

「じゃあさっさとやれや。おめーのせいで俺らここまで拗れたんだぞ」

『分かった』

「…なんか柴田と藤原の当たりキツくない？」

「さっきも言ってただろ？魔獣の事なんて一ミリも信用できねーんだとさ」

「それにしてもでしょ」


永江に対する柴田と藤原の態度を見て佐藤が嫌そうな顔で聞いてくるので俺が理由を話すも納得できないようにツッコんでくる。