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…その二日後。
どうやら藤原の話していた蛇の魔獣が大量に居るダンジョンとやらが、最近になって各地で次々と発見され…
小さい町や村に結構な被害が出始めているっていう話をギルドの受付嬢から聞いた。
「おい藤。お前の言ってた蛇のダンジョンのやつ、なんかめんどーな事になってるみてーだな」
「みてーだな。ダンジョンの中にはAランクのめっちゃ強いボスも何体か居るって話だぜ」
「だからか。俺の聞いた話では結構有名なパーティでも返り討ちにあってるとか言ってたな」
俺が受付嬢から聞いた事を話すも藤原や柴田はもっと先の話を聞いていたらしい。
「へー、まあ俺らには関係の無い話だけどな」
「確かに」
「そだな」
だが所詮俺らには全く関係ない話なのでこれ以上続けてもしょうがなく適当な感じで話が終わる。
更に二日後。
「おいおい、ココの近くにもあのダンジョンがあったみてーだぜ」
「マジか」
「確か王都の近くにもあったって言ってたよな?あっちは大丈夫なのか?」
藤原の報告に柴田が相槌を打つので俺はふとした疑問を聞く。
「王都なら問題ねーだろ。最近高段者のやつらが来てたみてーだし」
「高段者?なんだそれ」
「冒険者のランクはな、将棋の棋士と似てんだよ」
「って事は1級の上は初段か?」
「いや、初段じゃなく『1段』だな。で、1段の冒険者は低段者、2段が中段者…3段以上はまとめて高段者って呼ばれてる」
「へー」
流石は冒険者なだけあって藤原と柴田はちゃんと分かりやすく説明してくれた。
「ちなみに1級から段位持ちになるにはかなりの功績が必要になるらしいぜ?これ豆な」
「へー」
「冒険者で段位持ちのやつって世界的にも少ねーからな…高段者に至っては3人ぐらいしかいねーんじゃなかったっけ?」
「…よく分からんが、とんでもないエリートって事か」
「そうなるな」
柴田と藤原から聞いた説明に俺が適当に例えを出すとそれに同意する。
「とりあえず上位のパーティでさえ返り討ちにあってる、ってのがなー…」
「まあココには深山が居るから、重体でも最悪死体でも町に帰還さえ出来れば直ぐに復帰出来るし無茶とかやりたい放題だろ」
「はっ、冒険者からしたら聖女様様だな」
「「だろうな」」
二人の話を聞いて俺が皮肉で言うと柴田も藤原もソレを分かった上で賛同した。
「でもマジな話どうするよ?上位のパーティでも返り討ちって結構やべー状況だぜ?」
「そいつらも段位持ちなのか?」
「んなわけねーだろ。段位持ちは上位じゃなくて『最上位』って呼ばれてんだぞ?」
「マジか。やっぱ一握りのエリート様は違うな」
藤原の危機感を持ったかのような問いかけに俺が純粋な疑問を聞くと柴田が呆れたように訂正する。
「でも俺らがでしゃばってどうにかなる問題なのか?」
「無理だな」「どうにもならねーな」
「じゃあどうしようもなくね?他の冒険者達に頑張ってもらうしかねーだろ」
「そだな」「確かに」
俺がそう聞くと二人は否定的に答えるので他力本願的な事を言うと賛同された。
どうやら藤原の話していた蛇の魔獣が大量に居るダンジョンとやらが、最近になって各地で次々と発見され…
小さい町や村に結構な被害が出始めているっていう話をギルドの受付嬢から聞いた。
「おい藤。お前の言ってた蛇のダンジョンのやつ、なんかめんどーな事になってるみてーだな」
「みてーだな。ダンジョンの中にはAランクのめっちゃ強いボスも何体か居るって話だぜ」
「だからか。俺の聞いた話では結構有名なパーティでも返り討ちにあってるとか言ってたな」
俺が受付嬢から聞いた事を話すも藤原や柴田はもっと先の話を聞いていたらしい。
「へー、まあ俺らには関係の無い話だけどな」
「確かに」
「そだな」
だが所詮俺らには全く関係ない話なのでこれ以上続けてもしょうがなく適当な感じで話が終わる。
更に二日後。
「おいおい、ココの近くにもあのダンジョンがあったみてーだぜ」
「マジか」
「確か王都の近くにもあったって言ってたよな?あっちは大丈夫なのか?」
藤原の報告に柴田が相槌を打つので俺はふとした疑問を聞く。
「王都なら問題ねーだろ。最近高段者のやつらが来てたみてーだし」
「高段者?なんだそれ」
「冒険者のランクはな、将棋の棋士と似てんだよ」
「って事は1級の上は初段か?」
「いや、初段じゃなく『1段』だな。で、1段の冒険者は低段者、2段が中段者…3段以上はまとめて高段者って呼ばれてる」
「へー」
流石は冒険者なだけあって藤原と柴田はちゃんと分かりやすく説明してくれた。
「ちなみに1級から段位持ちになるにはかなりの功績が必要になるらしいぜ?これ豆な」
「へー」
「冒険者で段位持ちのやつって世界的にも少ねーからな…高段者に至っては3人ぐらいしかいねーんじゃなかったっけ?」
「…よく分からんが、とんでもないエリートって事か」
「そうなるな」
柴田と藤原から聞いた説明に俺が適当に例えを出すとそれに同意する。
「とりあえず上位のパーティでさえ返り討ちにあってる、ってのがなー…」
「まあココには深山が居るから、重体でも最悪死体でも町に帰還さえ出来れば直ぐに復帰出来るし無茶とかやりたい放題だろ」
「はっ、冒険者からしたら聖女様様だな」
「「だろうな」」
二人の話を聞いて俺が皮肉で言うと柴田も藤原もソレを分かった上で賛同した。
「でもマジな話どうするよ?上位のパーティでも返り討ちって結構やべー状況だぜ?」
「そいつらも段位持ちなのか?」
「んなわけねーだろ。段位持ちは上位じゃなくて『最上位』って呼ばれてんだぞ?」
「マジか。やっぱ一握りのエリート様は違うな」
藤原の危機感を持ったかのような問いかけに俺が純粋な疑問を聞くと柴田が呆れたように訂正する。
「でも俺らがでしゃばってどうにかなる問題なのか?」
「無理だな」「どうにもならねーな」
「じゃあどうしようもなくね?他の冒険者達に頑張ってもらうしかねーだろ」
「そだな」「確かに」
俺がそう聞くと二人は否定的に答えるので他力本願的な事を言うと賛同された。
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