クラスまるごと異世界転移

八神

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……それから二週間後。


王都に次ぐ大きさの都市と言えど他のクラスメイト達と会うことは無かった。


だからなのか斉藤と住吉が王都に行きたいと言い出し、俺らはその提案を快諾。


馬車で数日かけて王都へと移動した。


「おわー…でっか」

「王都の中には城もあるんだぜ」

「マジで?」

「マジマジ。確か日本風じゃなくて外国風だったっけ?」


俺が王都を守る壁の高さに驚きながら見上げると柴田と藤原が思い出すように街中の事を話す。


「へー……ってかこんな賑わってたら空き家とか無くね?」

「いやー、無いことは無いだろ。…多分」


王都の中に入ると凄い賑わっているので俺は若干不安になりながら聞くと柴田も藤原も不安になったような顔になる。


「デカイ家があればいいんだけどな。…とりあえずこうも広いと一人一人で探した方が良くね?」

「…だな。じゃあ俺はココで降りるわ」

「俺も。良い物件がありゃあ電話するからよ」

「おう、頼んだ」


俺らは拠点を探すために一旦別れた後、女子にも電話で伝えて探してもらう事にした。


「いらっしゃいませー」

「大きくて安い空き家を探してるんだけど…」

「…『大きくて安い』ですか…王都から少し離れた場所になら丁度うってつけの物件があるんですが、王都内となると…」


俺の要望に男は頭を掻きながら困ったように呟く。


「その少し離れた場所にある家ってどんなの?」

「気になりますか?最近貴族の方が建てられた物件なんですが、運が悪い事に近くに魔獣が住み着いたみたいで…土地建物の広さは申し分無いんですが、安全性の方がちょっと…」

「…へー、良いじゃん。ココにする」


俺は男の説明を聞きながら建物の間取りや値段が書かれた紙を見て即決した。


「ありがとうございます!では契約の書類をお持ち致しますので、少々お待ちください」


…約2000坪近くの土地に、築2年の4階建ての大きな屋敷…と、前の街の家よりも一回り大きい物件がなんと前の家の1.5倍ほどの値段で買えるというのはとてもお得だ。


それだけ近くに住み着いた魔獣による危険性が高いとも取れるがコレはラッキー以外のなにものでもない。


俺は男が書類を準備している間に柴田達に電話をして不動産屋の入口を待ち合わせ場所にした。




ーーーーーー




「…はい。書類の確認は完了しました…コレが土地建物の権利書ですね」

「ありがとうございます」

「いえいえ。またのお越しをお待ちしております」


俺は男に見送られながら店を出て藤原達と合流すると、早速王都から出て購入した豪邸へと向かった。
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