クラスまるごと異世界転移

八神

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…夕食後。


「斉藤、コレ貰うか?」

「え、なになに?…杖?」

「あとマントと王冠。付与スキルが俺ら向けじゃねーから、斉藤にどうかなって」

「いいの?ありがと!早速装備してみるね!」


斉藤は嬉しそうに死霊王一式の装備を受け取るとウキウキした様子で装備し始めた。


「…ふふ…」

「…ち、ちょっ…」

「どう?似合うかな?」

「…ふっ…はは…そこの、鏡…」


…普通の女の子が立派な王冠を被って、王様が羽織ってるような赤いマントを羽織り、禍々しい大きめの杖を持っている…


その姿はアンバランス過ぎて『笑える』の一言だった。


「うーん…なんか偉そうになっちゃったね。私そんなんじゃないのに」

「やっぱり王冠とマントじゃない?このいかにもなデザインだと、どうしても王様をイメージするから女性には合わないかも」


俺らが必死に笑いを堪えていると住吉がファッションや着こなしについてのアドバイスをしている。


「あー、そうだよね!やっぱり王冠よりティアラとかサークレットの方がいいかも」

「そのマントも私のみたいにカーディガンに変えてもらうとか」


斉藤が王冠を外して形状を見ながら住吉の意見に賛同すると、住吉は元キングミノタウルスのマントである自分のカーディガンを指しながらアドバイスした。


「ねえ、海原君。この王冠とマントを仕立て直す事って出来る?」

「あ、ああ…出来ると思うけど」

「あ、じゃあこのマントは住ちゃんみたいなカーディガンにして、この王冠は…ティアラ?サークレット?」

「やっぱりサークレットじゃない?派手過ぎるとみんなに見られるからシンプルなのが良いと思う」


…こんな感じの。と住吉は即興で絵を描いて斉藤に見せる。


「やっぱり住ちゃん絵上手いよ!海原君、こんな感じのデザインでお願いできる?」

「オッケー」


俺は斉藤から王冠とマント…そして絵の書かれた紙を受け取って仕立て屋へと向かう。




ーーーーーーーー




「今日はもう遅いから完成は明後日だと」

「ありがと!」

「あとその杖も含めてギルドで所持登録した方が良い…って言われた」

「あー、確かにな。盗まれたらめんどーだから登録しといた方が良いかもな」


俺が仕立て屋の主人に言われた事を斉藤に話していると柴田が賛同する。


「そうだな、俺も柴に賛成。印を付けとけば万が一盗まれても犯人が分かるし」

「だとさ。受け取ったら住吉と一緒にギルドに行くか」

「うん」

「あたしも?」

「そのカーディガンも盗まれたら困るだろ」

「そうだね」


仕立て直した装備を受け取った後にみんなでギルドに行く事を確認して俺は部屋に戻った。
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