クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
6 / 556

6

しおりを挟む
「へー、まさか噂の奴がクラスメイトだったとは」

「そういや海原。コイツもさっきパーティ追い出されて行くとこ無いんだと」


この家に泊めてやってもいいんじゃね?と柴田は藤原の現状を説明して提案してきた。


「ああ、良いんじゃね?部屋は余ってるし」

「マジで!?良いの!?」

「良かったな」

「ありがとう海原!柴田サンキューな!」


…こうして居候が更に一人増える事に。


「そういや藤原…だっけ?はどんなスキル持ってんの?」

「スキル?ああ固有スキルの事か?」

「おう」

「…とんでもねー外れスキルだった。おかげでやっとこさ入ったパーティも直ぐに追い出されるし」


俺の問いに藤原は嫌そうな顔をしながら返す。


「マジで!?俺のも使えねーやつだったけど、どんなスキルよ?」

「『決闘』っていう、強制的に一対一の状況を作り出すスキル」

「強制的にタイマンに持ち込むんなら敵が多い時に便利じゃねーの?」

「ヤンキーじゃないんだからバフ無しで敵とのタイマンに持ち込めても勝てるわけねーだろ」


俺の問いに藤原は呆れたように感想を告げる。


「で、お前達のスキルは?」

「俺は『縛り』っつー相手と自分にデバフをかけるやつ」

「うわ…お前のもなかなかの外れスキルだな…」


藤原の問いに柴田が先に教えると同情した様子で若干ヒき気味に呟く。


「んで、海原のは?」

「俺のは『人海戦術』大量の雑魚を召喚するだけ、だな」

「なんだってー!当たりじゃねぇか!俺のと交換しろ!交換!」


藤原は俺のスキルを知ると怒ったように無茶な要求をしてくる。


「いやいや、藤原。アイツのってマジで数が多いだけのただの雑魚だぜ?日常生活ではチートだけどよ」

「戦いは数だろうが!」

「あ、俺も同じ事言った」


柴田が宥めにかかるも藤原はこの前の柴田と同じ事を言いながら憤るように叫ぶ。


「いくら数が多くても雑魚ばっかりじゃ範囲攻撃一発でおしまいだろーが」

「んなの柴田のスキルで縛ればいいだろうが!ふざけんなよ、このチート野郎が!」

「「あ」」

「え」


俺が呆れたように返すと藤原はまさかの欠点を埋めるような対策案を出してきた。


「…柴田、お前そんな事出来んの?」

「知らん。てか範囲攻撃とか縛れんのか?」

「今度やってみよーぜ」

「そだな」


藤原の案をありがたく受け入れて柴田と話し合い次の機会に試してみる事に。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

王家から追放された貴族の次男、レアスキルを授かったので成り上がることにした【クラス“陰キャ”】

時沢秋水
ファンタジー
「恥さらしめ、王家の血筋でありながら、クラスを授からないとは」 俺は断崖絶壁の崖っぷちで国王である祖父から暴言を吐かれていた。 「爺様、たとえ後継者になれずとも私には生きる権利がございます」 「黙れ!お前のような無能が我が血筋から出たと世間に知られれば、儂の名誉に傷がつくのだ」 俺は爺さんにより谷底へと突き落とされてしまうが、奇跡の生還を遂げた。すると、谷底で幸運にも討伐できた魔獣からレアクラスである“陰キャ”を受け継いだ。 俺は【クラス“陰キャ”】の力で冒険者として成り上がることを決意した。 主人公:レオ・グリフォン 14歳 金髪イケメン

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
 ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。  そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。  その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。  そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。  アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。  これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。  以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。

異世界でナース始めました。

るん。
ファンタジー
──現代日本の看護師として働くスミレ(26)は疲れ果てていた。 が、ある日突然異世界へ巫女?として召喚された……!! 召喚理由を聞くと病の王女を治してほしいとのことだったが、魔法なんてゲームでしか使ったことがないし当然できない。 元の世界へ帰ることはできないと告げられたが、元の世界に何も未練はない。ただ、病棟に入院前していた患者さんに会えないことを寂しく思うぐらいであった。 魔法も使えず、このまま王宮に腫れ物…?の様に扱われるぐらいなら、王宮を出て一般人として(というか魔法が使えないので一般人)働き、生きていきたいと考えていたところに街の診療所で働く医者と出会い異世界でナースとして働くことに───? ※初投稿です。趣味でゆっくり描いていきます。 誤字脱字、文書を書くのは初めてなので拙い部分が目立つと思いますが、頑張って書いていきますので よろしくお願いします。 ★しっかり長編を読みたい方にオススメ! ✩閲覧ありがとうございます!! 作品を気に入って頂けましたら感想も是非お待ちしております!! 第一章完結しました!第二章もよろしくお願いします! ✩他サイトにも同時掲載始めました!

処理中です...